選考委員長 樺山 紘一

 花王・コミュニティー・ミュージアムの助成プログラムは、今回で3年目を迎えます。この2年間に助成を受けた諸団体の皆さん、および関連の機関から絶大なご協力をいただき、当選考委員会としては、大きな満足と深い感謝の気持ちをいだいています。厚くお礼を申しあげるものです。
 今回は、3年目の継続で5件、2年目で7件、そして新規には16件と、あわせ28件の助成先を選定いたしました。毎年、同様の感想をもちつづけてきましたが、今回も斬新な企画や意欲的な活動計画など、刺激にあふれた取り組みに感銘をうけました。
 新規助成についていえば、はじめて登場する水族館での活動や、幕末の大砲製造の復元実験、あるいは助産師さんによる産育文化の検証など、たいそう新鮮な試みに目を奪われています。周知のとおり、このプログラムは、NPOなどの市民的団体と、ミュージアムという機関が協働することで、新たな地平線が見えてくることに、希望を託しています。たしかに、近年、地域NPOをはじめとする諸団体の活動力がみなぎり、量と質の両方で前進がみられるようになっています。その変化に、わたしたちは率直に驚いているところです。これに対応して、ミュージアムの側の改革や意識転換は、十分にその実をあげているでしょうか。いささかの不安を残しながらですが、そこでも顕著な変化がおこっていると言うことができます。どうかこの点について、当事者の方がたはもちろんのこと、関係の皆さまからの将来性あふれる提言やご指導をもいただければと考えています。
 いまひとつ、今回の助成について、指摘しておきたい点があります。前述のように、3年目の5件と2年目の7件について、継続の助成をおこなっています。いずれも、これまでの成果を吟味させていただいたうえで、さらに望ましい結果の実現を視野にいれてのことです。出発点から、じっくりと基礎固めをしていただき、2年目にはさらに活動の充実をめざして、そして、3年目には、それを外に向けて発信、拡張していただければと、期待しています。わたしたちの希望は、最長3年間のうちに、将来にむけての戦略を練りあげ、さらに先をめざしていただきたいということでもあります。
 いずれにしても、今回の助成によって、累計で延べ68団体の皆さんが、このミュージアム・コミュニティーの一員となっていただきました。できることなら、このコミュニティーの力量をあわせて、日本におけるミュージアム活動の幅と深みを増進し、市民社会の活性化に寄与することができればと、念願しています。どうかよろしくお願い申しあげます。



   



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