結果の概要
 初年度のプログラムにもかかわらず、全国各地から243件もの応募をいただき、慎重に審査を進めていった結果、7件に助成させていただくことに決定した。助成額はITについての技術者派遣助成費としてプールした140万円を含め、2000万円である。助成対象は、いずれも地域の特色を生かした活動で、そのIT(情報技術)の活用方法も大変ユニークである。
 選考という仕事はどこかで線を引くことを意味するから、胃の痛むような決断の積み重ねでもある。その結果が上記の7件で、かなり厳しい倍率となった。採択に至らなかった多数の応募者には誠に申し訳ない思いにかられるが、ご了承いただきたい。

選考の経過
 選考にあたっては、応募多数のためまず予備審査を行うことにし、プログラムの企画にあたったマイクロソフトおよび日本NPOセンターの担当者に私が加わって3人で数日かけて全応募を読みこみ、議論を重ね、約半数を本審査の対象に選出した。この過程で、趣旨や対象者が明確でないホームページによる活動紹介や、先が見えにくいIT講習などの多くは、落ちざるを得なかった。
 予備審査をパスした応募案件については、私以外の6人の選考委員で分担して評価することとし、各委員には4件の推薦と2件の準推薦を選出していただいた。10月末の選考委員会では、その推薦結果をもとに一つ一つ個別に議論を重ね、補欠を含む助成候補を絞り込んでいった。委員会での主な論点は、情報技術の活用における独自性に加え、その活用が応募団体のミッションの実現にどのような意味をもっているか、その活用が助成終了後も発展的に継続される可能性があるかどうか、といった点である。また、このプログラムの助成趣旨に適した規模のプロジェクトかどうかといった点も議論になった。
 こうして選出された候補団体を選考委員や事務局スタッフが訪問してインタビューを行い、委員会で出された課題を踏まえて具体的な企画内容や実現の可能性について確認し、最終的には11月末に、委員長決済という形で助成案件と助成額を決めさせてもらった。
 なお、それぞれの企画にはIT関係の技術サポートによって一層の効果が上がると思えるものも多く、その費用も助成に含めることが適切と判断したが、現時点でその内容と額を個々に確定することは困難なので、冒頭にも述べたように140万円を今後の技術者派遣助成のためにプールしておくことにした。助成における一つのあり方ではないかと考えている。

助成の特徴
 採択になった7件の助成対象一覧は別紙の通りである。プログラムの性格を反映して地域や活動分野を越えた内容のものが多くなっている。この助成プログラムでは、情報技術の活用によって、(1)人と人が支えあう仕組、(2)社会的な問題の解決、(3)夢のある未来の創造、を目指すことをねらいとしている。情報の発信先(受け手・受益者)は、(1)では主に何らかの課題を抱える個人、(2)(3)では幅広く社会の関心ある人々や組織ということになる。応募については(1)か(2)に関するものがほとんどでほぼ半々を占めており、(3)はごく少数に限られた。また(1)と(2)あるいは(3)の複合とみなされるものも相当数あったが、採択になったものの多くはこのような複合的な性格が強い。直接的には特定の個人に向けて発信することが同時に社会的な広がりをもち、社会的な課題の解決につながっていくというものである。
 また、これらはいずれも単独のIT活用というものではなく、人間を見据えた実態としての活動が背景にあって、そのような活動との関わりの中でITの使用が意味を持ってくるようなプロジェクトといってよい。これらの採択となったプロジェクトについては、ITの活用という視点を超えて、これからの市民活動に新しい風を吹き込んでくれることを期待したい。





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