Bコース

[新規助成]

14-B-1-01
プロジェクト名 陸前高田の子どもを対象とした居場所づくり『みちくさルーム』への学生ボランティア受け入れ
団体名 特定非営利活動法人パクト(P@CT)
代表者名 水野 朝紀
主な活動地域 岩手県陸前高田市
助成額 297万円

 本団体は、岩手県陸前高田市において、子ども支援を着実に行ってきた団体である。地元出身の若者をはじめ、災害ボランティアセンターの運営において重要な役割を果たしてきた経験豊かなメンバーが中心となり、陸前高田における子どもの抱える課題に応えることを目的とする。
 本プロジェクトでは、子どもの居場所機能を果たす「みちくさルーム」を継続的に実施し、そこでの遊びや学習の支援を通して、地元の子どもと大学生を中心とした若者との交流の機会を提供する。これは子どもにとって、普段抑えている思いを表現し、分かちあう機会になり、大学生と交流することで将来の進路の展望を考えるきっかけになる。また支援活動に関心のある全国の若者を、被災地と繋ぐ架け橋にもなっている。
 若者中心である上に地元への関わりも深く、寄付金など自己資金を獲得する努力も怠っていない。これらの点は本プログラムにふさわしく、更なる成果を期待したい。


14-B-1-02
プロジェクト名 いわてGINGA-NETプロジェクト2014
団体名 特定非営利活動法人いわてGINGA-NET
代表者名 八重樫 綾子
主な活動地域 岩手県釜石市、陸前高田市、住田町
助成額 281万円

 本団体は、2011年に震災復興支援に関わった地元の学生が主体となり、継続的な復興支援活動を行うために設立され、2012年2月に法人格を取得したNPOである。
 本プロジェクトでは、2011年以来実施している岩手県沿岸被災地におけるコミュニティ形成支援に、継続して取り組むものである。具体的には、夏、冬、春の大学の長期休暇時期に、全国からボランティア希望学生を募り、現地の活動へのコーディネートを行う計画である。
 選考委員会では、若者が企画、運営の主体となり、地域の社会福祉協議会等と連携しながら、活動を継続している点などが評価された。今後、被災地のニーズが徐々に変化していく中で、県外の学生たちにも地元の状況やニーズを伝えながら、学生にとっても、地域にとっても意味ある活動プログラムの設計に、さらに力を入れていくことを期待したい。


14-B-1-03
プロジェクト名 宮古市中心地の居場所を拠点に、ユースの主体的な社会参加を推進する事業
団体名 ユースみやっこベース
代表者名 早川 輝
主な活動地域 岩手県宮古市
助成額 206万円

 本団体は、岩手県宮古市内の高校生を中心としたユースを対象に、社会参加の機会を作り、将来の地域社会に主体的に関わるような人材への成長を促すことを目的に設立された団体である。
 本プロジェクトでは、社会とのつながりをより強固にすべく、ユースの居場所としてのフリースペースを設置・運営し、情報提供・意見交換の場づくりなど、様々な社会活動に興味を持ってもらうきっかけを作り出す。また、この拠点を活かし、「高校生サミット」を今後も継続的に実施することで、活動参加者の拡大や活動領域の広がりをねらう。
 進学希望者の多くが高校卒業と同時に宮古市外へ転出してしまう状況の中、この活動スペースを通してユースが地域と関わるきっかけを作ることで、Uターンなどで地元へ戻る若者や、支える若者の増加につながることを期待する。団体の運営基盤の強化と、継続的な運営の仕組みづくりへの取り組みも期待したい。


14-B-1-04
プロジェクト名 宮城県仙台市若林区東部地域振興計画
団体名 一般社団法人ReRoots
代表者名 広瀬 剛史
主な活動地域 宮城県仙台市
助成額 300万円

 本団体は、宮城県仙台市若林区にて震災直後から瓦礫除去に取り組み、その後、農地の再生、農家の営農再開に向けて活動を継続する若者主体の団体であり、様々な大学の学生たちが参加して、事業の企画や事務局運営に取り組んでいる。
 本プロジェクトでは、被災農家の野菜を販売する朝市での出店支援や、市民農園の運営支援、ひまわり畑の運営、田植え等、現地の住民と大学生が協働して、農を軸とした、地域づくり、人づくりに取り組む機会をつくるものである。
 選考委員会では、外部からの支援が少ない若林区において、震災以降、地元住民と信頼関係を築きながら、地道に活動を続けている点を特に評価した。今後に向けては、継続した活動を続けるための体制や財政の基盤の強化を期待したい。


14-B-1-05
プロジェクト名 大学生ボランティアによる被災児童・生徒の自立支援プロジェクト
団体名 公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン
代表者名 今井 悠介
主な活動地域 宮城県仙台市
助成額 300万円

 本団体は、経済的理由により学校以外で教育の機会を得られない児童に、塾・予備校・習い事などの学校外教育に使えるクーポンを提供している。2011年12月より延べ389名に年間25万円分のクーポンを提供し、月1回の大学生アドバイザー派遣を実施してきた。
 本プロジェクトでは、児童が将来の職業としての選択肢を十分に広げ、その上で選択し経済的に自立できるようなサポートを行う目的で、大学生アドバイザーの育成を行う。これまで行ってきた大学生のサポートの質をあげ、アドバイザー募集の広報活動、事前面談、養成研修なども大学生が主体的に担うほか、アドバイザーの大学生が生徒との関わりの中で生じた悩みなどをシェアしたり、専門家に相談できる機会を持つ。これらの活動を通じ、中学3年生の進学率の向上や被災児童が大学生アドバイザーとなって活躍することを目指す。
 就業経験のない大学生が、職業の選択肢について語ることには難しさがあるように感じるが、選択肢をせばめないよう学習を継続し、進学するための励ましや、やりたいことを応援すること、話を聞くことは可能である。親でも先生でもない年齢の近い存在として、大学生だからこそ出来る復興支援の担い手の育成を期待したい。


14-B-1-06
プロジェクト名 被災3県の生活再建と地域復興の課題を学生・住民協働で探るスタディツアー
団体名 東北大学東日本大震災学生ボランティア支援室
代表者名 花輪 公雄
主な活動地域 岩手県陸前高田市、宮城県、福島県郡山市、いわき市
助成額 300万円

 本団体は、被災地の学生ボランティアの活動を支援するために設立された組織で、被災3県において、瓦礫撤去や生業支援の他、仮設住宅への足湯ボランティアやカフェ活動など、学生の企画による活動を支援してきた。
 本プロジェクトでは、今後、仮設住宅から復興公営住宅の入居や自宅再建などにより、生活コミュニティの再編が進んでいくと予想されるなか、そうした事態に対応すべく、学生たちが住民のニーズを汲み取り、話し合いの場づくり(ワークショップ実施)のサポートに取り組むものである。
 選考委員会では、東北の大学が、地元のコミュニティづくりに息長く関わっていこうという姿勢や、まだ復興支援活動に参加する機会のなかった学生層に、スタディツアーを入口として、参加を促していく方策が評価された。今回のニーズ調査等の結果を踏まえ、次年度は、課題を解決する取り組みへの展開を期待したい。


14-B-1-07
プロジェクト名 南三陸フィールドミュージアム・プロジェクト
団体名 みちのく博物楽団 with 東北大学総合学術博物館
代表者名 白井 孝明
主な活動地域 宮城県南三陸町
助成額 299万円

 本団体は、専門知識とユースの感性を生かした、教育活動の企画・実施によるミュージアム支援および震災復興を目的に、東北大学総合学術博物館の学生スタッフを中心に設立された。
 本プロジェクトでは、震災後にレスキュー・保全活動を進めてきた宮城県南三陸町で長らく郷土教育の場として活用してきたミュージアム施設の再興と、小中学生を対象としたフィールドワークを企画・実施し、子どもたちが自然科学に触れる機会を増やすこと、また、地元の貴重な財産を知ってもらい地域の人々に誇りを持ってもらうことを目的としている。
 地域資源を有効利用することで地域の特性に目を向けさせ、地域に誇りを持つきっかけとなりうる取り組みであり、継続的に実施していけるように活動の基盤づくりを進めてほしい。子どもたちへの教育を通してユースの知見を深めることが、学術的な次世代人材の育成に繋がることにも期待したい。


14-B-1-08
プロジェクト名 宮城県石巻市における地元学生による学習を通じた居場所作り事業
団体名 任意団体 TEDIC
代表者名 門馬 優
主な活動地域 宮城県石巻市
助成額 298万円

 本団体は、宮城県石巻市における子どもたちの学習環境及び居場所の確保を目的として、東日本大震災後に設立された団体である。教育委員会や中学校からの依頼も受けながら、震災による経済的な影響や仮設住宅での制約などの物理的な困難により学習機会を享受できない子どもたちや、学校や家に居場所を見出しにくい子どもたちの受け入れを行っている。
 本プロジェクトでは、「子どもたちが安心して学習し、本音を話したり、相談ができる居場所の確保」を目的に、地元学生スタッフによる学習支援・メンタリング活動を行う。また、学校や家庭ではしにくい相談も受け止め、特に困難な子どもに対しては、専門家との連携も含めた包括的な支援を実施する。
活動を行うなかで、地元の石巻専修大学の学生が中心となるよう現地化を進め、大学や専門性を持つ団体との連携も構築してきた。支援を行う学生の研修にも力を入れており、子どもたちとともに、学生の成長にも期待したい。


14-B-1-09
プロジェクト名 大学生による福島の食と農の再生支援プロジェクト
団体名 福島大学うつくしまふくしま未来支援センター 産業復興支援部門
代表者名 小山 良太
主な活動地域 福島県福島市、伊達市
助成額 292万円

 本団体は、東日本大震災や福島第一原発事故に伴う被害に関して科学的に調査・研究し、復興支援を行うことを目的に設立された同センターの4部門のうちの1部門であり、福島県内の第1次・第2次・第3次産業の支援を行っている。
 本プロジェクトは、地元の福島大学の学生が、農業生産者と消費者と研究機関の間に立ち、食と農の再生に取り組む支援活動である。センターの培ってきたノウハウ、研究成果、ネットワークを活かして、学生主体の活動をサポートする。学生は、農作業などのフィールドワーク、直売所でのヒアリングなどを通じて生産者と消費者をつなぐ、正確な情報発信を行う。
 専門機関の実績のある活動をベースに、より学生が主体的に活動に取り組むようになるための仕組みづくりであり、最初は講義など受動的な活動からになるが、本プロジェクトを通じて、地元の学生として積極的、主体的な取り組みを地道に継続していくことを期待したい。


14-B-1-10
プロジェクト名 若者の力による、いわき市の津波により被害を受けた海岸林の再生と、防災・環境プログラムづくり
団体名 特定非営利活動法人トチギ環境未来基地
代表者名 塚本 竜也
主な活動地域 福島県いわき市
助成額 298万円

 本団体は、ユースによる自然環境保全を目的に設立され、主に栃木県内を中心に活動していた団体である。震災をきっかけに、継続的に復興支援をすべく、隣県である福島県いわき市での活動を開始し、市民の力で海岸林の再生に取り組む「苗木forいわき」プロジェクトなどに取り組んできた。
 本プロジェクトでは、「苗木forいわき」プロジェクトにユースを巻き込み、彼らの持ち味を生かすことで、いわき市民と避難者の参加、協力、交流の機会を生み出すことを目的にしている。また、このプロジェクトの苗木を育てている幼稚園児・小学生を対象に、海岸林の成り立ちや役割を切り口とした環境教育プログラムを、ユースならではのアイディアを活かして考案・実施することで、子どもたちの環境・防災意識も高めていく。
 栃木県内のユースだけでなく、いわき市のユースも活動に巻き込み、活動を通して地元市民や避難者に働きかけることで、自立した復興への第一歩になることを期待したい。


14-B-1-11
プロジェクト名 海の照葉樹林とコミュニティづくり支援プログラム
団体名 早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)
代表者名 紙屋 敦之
主な活動地域 宮城県気仙沼市
助成額 300万円

 本団体は、早稲田大学が大学の社会貢献の推進役として設立した学内組織であり、東日本大震災後は学生、教職員によるボランティア活動の支援を続けている。2013年10月までに、延べ4,200名超える学生・教職員ボランティアの派遣を、被災地域を限定せずに広域に展開してきた。
 本プロジェクトでは、気仙沼市震災復興市民委員会が提言した、津波に強い防潮林ベルトの造成を支援するために、大学生や高校生がキャンパスで苗木を育て、数年後にその苗木を地元の方と植樹することを通じて、震災の風化を防ぎ、地域間交流を促進するものである。
 選考委員会では、組織として長期的に被災地に関わる意欲や、大学内および被災地の両方で、多くの大学生、高校生が活動に関われる仕組みをつくっていることを評価した。年度を越えても学生の関心や活動が持続するようなプログラムのマネジメントに取り組んでいくことを期待したい。


14-B-1-12
プロジェクト名 山田町ゾンタハウスにおける、大学生による継続的復興支援活動
団体名 特定非営利活動法人こども福祉研究所
代表者名 森田 明美
主な活動地域 岩手県山田町
助成額 300万円

 本団体は、2011年9月に岩手県山田町に「山田町ゾンタハウス」を開設した。このハウスは、現在、山田町全域の主に中高生を対象とした自習室「おらーほ」と、一般市民が交流し子どもから大人までみんなの憩いの場、文化活動拠点を目指す「街かどギャラリー」から成り立っている。
 本プロジェクトでは、集い、勉強し、軽食を食べてリラックスできる居場所としての「おらーほ」に、長期休暇中に東京から学生ボランティアが訪問し、学習支援、寄り添い型相談活動、イベント開催、進路相談等を行う。さらに、同団体が宮城県登米市で運営する自習室の参加者も含めて東京へ招き、大学の見学、中高生との交流、シンポジウムへの参画等も行う。これらの活動を通じ、震災後4年がたつ同地区で生じうる復興格差の中で、子どもたちが取り残されたり、希望を失ったりすることがないようサポートし、中高生・大学生などの若者が復興支援活動に主体的に参加する機会を提供することを目的とする。
 山田町の中高生が、大学生ボランティアとの交流を通じ、学ぶ意欲や意味を見出し、被災した子どもたち自身がレジリエンシーを発揮できるような支援を期待したい。


14-B-1-13
プロジェクト名 被災地学生交流による震災復興アーカイブづくりに関する研究
団体名 From KOBE 大槌町復興支援ネットワーク
代表者名 近藤 民代
主な活動地域 岩手県大槌町
助成額 300万円

 本団体は、神戸大学の学生が阪神・淡路大震災の復興に関わった専門家とチームを組み、岩手県大槌町の高校生と連携して復興まちづくりの支援に取り組む目的で設立された団体である。これまで大槌高校生が神戸大学生とともに、大槌町の未来を考えるために被災地域の定点観測の成果をまちに還元する活動や、神戸を訪れて復興まちづくりの過程などを学ぶ場を設けてきた。
本プロジェクトでは、大槌町の将来を担う高校生達を「復興まちづくり」の中心に置き、これまでの定点観測のデータをもとに、過去と未来を考えるまちのアーカイブづくりを行い、それを検証する。
復興過程においては、ともすると地域の大人が中心になりがちだが、将来を担う高校生が研究の成果を踏まえ、神戸や中越の復興事例も学びながら自らの地域のまちづくりに参加することで、息の長い復興体制が構築されることを期待したい。


14-B-1-14
プロジェクト名 大沢まちづくり会議
団体名 気仙沼みらい計画 大沢チーム
代表者名 鈴木 伸治
主な活動地域 宮城県気仙沼市
助成額 293万円

 本団体は、複数の大学の研究室が連携して、宮城県気仙沼市大沢地区において今後の防災集団移転事業を中心とした「大沢みらい集会」や、浸水区域の跡地利用など包括的なまちづくりを目指す「大沢まちづくり会議」を住民とともに開催してきた。
 本プロジェクトは、「大沢まちづくり会議」の継続と充実をはかるものであり、会議においては、建築や都市計画といった学生の専門性を活かした助言や提案を行い、新たに誕生したコミュニティカフェ「大沢カフェ」を活用しながら、住民とともに考える場を整えていく。また、「大沢まちづくり会議」実施後には、「大沢復興ニュース」を発行・全戸配布し、会議の様子や地域での出来事を伝えていく。加えて、現地の母親たちとのお茶っこサロンや郷土料理教室を開催し、在宅住民と仮設住宅の住民間の交流もはかる。
 今後は、さらに住民の会議への出席率向上を目指し、継続的な支援活動を行うことで、大学生が関わる集落復興の取り組みの一つのモデルとなることを期待したい。


14-B-1-15
プロジェクト名 建築学生による「記憶の街」復元模型ワークショップ開催を通した宮城県・石巻地区の街の記憶再生プロジェクト
撮影:藤井達也
団体名 「失われた街」模型復元プロジェクト実行委員会
代表者名 槻橋 修
主な活動地域 宮城県石巻地区(石巻、女川、牡鹿半島)
助成額 278万円

 本団体は、発災後から全国の26大学・研究室、延べ500名以上の学生が関わり、震災以前の街並みを復元する縮尺ジオラマ模型を制作し、それらを用いた記憶再生ワークショップを行ってきた。これまで岩手県、宮城県、福島県の39地域の模型を制作し、各地でのワークショップの参加者は数百から千人以上に及ぶ。
 本プロジェクトは、新たに宮城県内の3地区(石巻、女川、牡鹿半島)の「記憶の街ワークショップ」の開催に取り組むものである。被災前の街の模型を用いたワークショップは、幅広い住民が関心をもって参加しやすく、住民同士のコミュニケーションの場づくりとしても意義のある活動である。また、この模型はワークショップ開催後も、地元の人たちにまちづくりに向けて未来のまちの姿を思い描くためのツールとして活用してもらえるという価値も持つ。
 現場は大学生が主体的に活動しており、本プログラムの趣旨・目的にもふさわしい活動として、取り組みのさらなる展開、発展を期待したい。



[継続助成]

14-B-2-01
プロジェクト名 岩手県陸前高田市における人口流出の課題解決の為の若者による若者流入プロジェクト 「若興人の家」
団体名 一般社団法人 SAVE TAKATA
代表者名 佐々木 信秋
主な活動地域 岩手県陸前高田市
助成額 294万円

 本団体は、陸前高田市の地元出身の若者が中心となり設立された団体であり、若者流出、農業漁業の衰退、情報格差という課題に取り組むため、発災後、様々な取り組みを精力的に行ってきた。
 本プロジェクトは、上記課題のうち若者流出という問題の克服のために行われるもので、若者自身で若者が活動できる空間的拠点を作っていくこと、及び、その場を中心に被災前の陸前高田の記憶を市民から聞き取り、保存・発信していくことを取り組みの中心としている。
 若者の流出防止と流入の実現、そして街の記憶の保全という明確な目的のもと構築されたプロジェクトであり、多くの若者が主体的に活動しているという点で、本プログラムにふさわしい。今後は外部からの学生に加え、地元の若者を更に活動に巻き込んでいくことで、より地域に根ざした活動へと展開していくことを期待したい。


14-B-2-02
プロジェクト名 石巻復興ソーシャルファーム(2)
団体名 特定非営利活動法人フェアトレード東北
代表者名 布施 龍一
主な活動地域 宮城県石巻市、女川町、東松島市
助成額 300万円

 本団体は、震災以前より、宮城県石巻市において引きこもり・発達障害・うつ病などの社会的弱者を対象に就労・雇用支援を行っている。震災以降は、多くの学生ボランティアと共に、石巻の被災者に対する様々な支援活動を市の受託事業も含めて行ってきた。
 本プロジェクトでは、震災により家族・職・生きがいなどを失った方々に対して、農業を通じて人や地域と関わり、社会復帰を図る仕組みを持つソーシャルファーム事業を推進する。新規助成では学生との連携体制の整備と参加者への聞き取り調査による効果測定を行った。
 地道ながら意義のある活動であり、被災地の変化に合わせた活動の更なる発展に取り組んでもらいたい。なお、新たな地元大学の学生を巻き込めたことは大きな意義がある一方で、学生がより主体的に関わるような役割を持ちながら、活動が継続することを期待したい。また、他団体との連携や活動の成果を広く発信することにも期待したい。


14-B-2-03
プロジェクト名 復興学としての「福島学」受講生による南相馬市への復興支援活動の展開〜今日ゆうsmile!桜でつなぐ笑顔の輪プロジェクト(2)
団体名 学校法人コングレガシオン・ド・ノートルダム 桜の聖母短期大学
代表者名 遠藤 静子
主な活動地域 福島県南相馬市、福島市
助成額 127万円

 本校は、福島に拠点を置き、地元志向の若者を地域の未来を担う人材として育成する使命を有する女子短期大学である。
 本プロジェクトは、地震、原発被害の影響が大きかった南相馬市小高区からの要請を受け、地元高校生たちが復興に寄与するイベントづくり等を行えるよう、学生たちがサポートするものである。
 選考委員会では、前年度の学生たちが農家など地元住民との協働の実践が地元からの評価を受け、今回の取り組みにつながっていること、また、学生たちが、高校生の学びをサポートする側の立場として、さらに成長する機会をつくろうとしている点などが評価された。地元の多様な人たちとの連携で若者を育む仕組みづくりが一層、発展していくことを期待したい。


14-B-2-04
プロジェクト名 『綿で笑顔を繋ぐプロジェクト2014』〜福島×宮城高校生のコットンネットワーク〜
団体名 特定非営利活動法人ザ・ピープル
代表者名 吉田 恵美子
主な活動地域 福島県いわき市
助成額 300万円

 本団体は、福島で住民主体のまちづくりを目指した活動を行ってきた。震災発生後は、いわき市小名浜地区の災害ボランティアセンターとしての活動も展開し、以後、農業再生・産業創出を目的として「オーガニックコットンプロジェクト」をスタートした。
 本プロジェクトの取り組みにおいて、新規助成では磐城農業高校、鳥取県立米子南高校の女子高生が交流し、その結果、コラボTシャツの販売を行った。本年度は、その2校に加え、綿花についての取り組みをしている宮城県立宮城農業高等学校、福島県立会津農林高等学校との連携を開始し、高校生のコットンネットワークを築き、高校生が相互に学び、復興の活動を担うことで地域の農業や産業の活性化につなげることを目的とする。
 これまで高校生の力を引き出し商品化と販売までこぎつけたが、商品の販路などの課題も感じられる。東北のコットンの第6次産業化という大きな目標に、課題となる商品化や販売はうまく外部の力を借りて活動を展開していくことを期待したい。


14-B-2-05
プロジェクト名 南相馬の農業復興、まちづくりを目指した、大学生と高校生の連携による「ふるさと復興会議・農業交流事業」
団体名 特定非営利活動法人はらまち交流サポートセンター
代表者名 門馬 浩二
主な活動地域 福島県南相馬市
助成額 300万円

 本団体は、南相馬市及び双相地域の活性化を目的として、多様な交流プログラムを提供することで、交流人口の拡大を図ってきた。東日本大震災においては、様々な支援活動に加え、南相馬市ふるさと回帰支援センター主催の「ふるさと復興会議」の運営を支援してきた。また、農業交流事業なども実施している。
 本プロジェクトでは、これまでの事業の参加者であった相馬農業高校並びに京都農芸高校の高校生が、大学生のサポートを受けながら、両校間や地元との農業交流事業を主体的に企画し、運営を行う。また、大学生が中心となって、ふるさと復興会議の企画・運営などを行い、政策提言の形に取りまとめる。
 ユースの参加を工夫しながら、地域に根ざした支援体制を着実に積み上げている。一方で、ユースの役割はお手伝いという側面が強いため、より主体的な取り組みになること、また、関わる学生の増加など活動の広がりと発展にも期待したい。


14-B-2-06
プロジェクト名 復興支援ITボランティア(2)
団体名 一般社団法人ユニバーサル志縁社会創造センター
代表者名 池田 徹
主な活動地域 岩手県陸前高田市、大船渡市
助成額 189万円

 本団体は、誰もが暮らしやすく参加できる優しく豊かな地域社会を構築することを目的とした団体で、震災直後からITサポート活動を企業や行政との連携で行ってきた。
 本プロジェクトでは、昨年度に引き続き、月1回のIT支援のボランティア派遣を継続し、岩手県大船渡市大立仮設住宅のパソコンサロン、陸前高田市長洞元気村仮設住宅での村おこしへのIT利活用や、記録の発信などを行う。ボランティアとして派遣される学生を募集し、事業を継続するための組織づくりも同時に行っていく。
 シニアによる「好齢ビジネス」で注目される長洞元気村では、今後のIT活用は大いに期待され、望まれるであろう。そのような先進事例だけでなく、ITの力で不便が解消され、少しでも生きやすくなるような個々のニーズにあわせたIT支援を学生たちが行うことで、相互の個人的な縁が広がり、地域の活性化につながることも期待したい。


14-B-2-07
プロジェクト名 被災地への学生ボランティア派遣活動(2)
団体名 特定非営利活動法人Youth for 3.11
代表者名 河合 信哉
主な活動地域 岩手県、宮城県、福島県
助成額 250万円

 本団体は、東日本大震災直後より、「学生のチカラを東北に届け、震災の経験を未来に繋げる」ことをミッションに、「何か力になりたい」と考える学生に対して、全てをパッケージ化した低コスト、低負担というハードルの低いボランティア活動の機会を提供している。これまでに延べ15,000人余りの学生の力を被災地に届けてきた。
 本プロジェクトでは、3日間〜1週間を1クールとして、被災地の様々な団体と連携し、現地のニーズに即した活動を行う。なお、本年度は、多くの学生ボランティアが活動終了後も「再度東北に行く」ような仕掛けづくりに力を入れる。
 学生の手で団体を設立し、活動を続けてきた実績、また、世の中の復興に対する関心が薄れるなか、継続的に活動していることは、非常に評価できる。一方で、被災地の状況は時間の経過と共に変化し、ニーズに即した活動を模索している状況に直面していることも考えられる。今後も学生の力を活かしながら、現地のニーズに合った活動を展開することを期待したい。


14-B-2-08
プロジェクト名 ミュージアムネットワークでユースの社会力UP!プロジェクト(2)
団体名 こどもひかりプロジェクト
代表者名 清水 文美
主な活動地域 宮城県仙台市
助成額 250万円

 本団体の活動は、ミュージアム関係者が被災地の子どもを元気づける目的で始まった。2013年に本プログラムの助成を受け、被災地の大学生の巻き込みをはかり、「こども☆ひかりフェスティバル」のボランティア、ミュージアムの訪問研修等を行い、仙台駅前の商業ビル前での「ミュージアムストリート」の実施などの成果を挙げた。
 本プロジェクトでは、昨年度も取り組んだミュージアムストリートをメインの活動とし、その活動に参加したユースが、後継者を育てられるような研修や合宿を行い、プロジェクトの深化を目指す。
被災地の大学生が、主体的に活動が出来るようになった昨年度の取り組みが評価できる一方で、「被災した子どもたちを元気づける」という当初の目的が見えづらくなっている印象も受ける。プロジェクトの運営に関わるユースの育成とともに、被災した子どもたちが元気になれる機会を提供するという本団体の活動目的の達成に向けて、ユースを含めた関係者への意識付けや、さらなる巻き込み、イベント実施にあたっての仕掛けの工夫などにも期待したい。


14-B-2-09
プロジェクト名 被災者の生活再建格差によりそい復興フェーズに応じた関係性維持・構築のための持続発信型学生ボランティア活動
団体名 神戸大学学生ボランティア支援室
代表者名 林 大造
主な活動地域 岩手県沿岸部(釜石市、陸前高田市等)
助成額 300万円

 本団体は、阪神淡路大震災からの学びを継承するために設立された大学の学生ボランティア支援組織である。東日本大震災においても、被災地から離れているにも関わらず、質量共に充実した活動を継続して行ってきた。
 本プロジェクトは、岩手県沿岸部の各被災地の仮設住宅・復興住宅などに、各8日間のボランティア派遣を9回行い、お茶会活動や防災ワークショップなどを行うものである。被災地の変化に伴い、ボランティア派遣の意義を見失い活動を休止する団体が増えてきた中で、仮設住宅から復興住宅への移行に伴う住民間の関係性の維持や、復興住宅の受け入れ地区における新旧住民の関係性の構築という、新たな課題を的確に捉えている。
 遠方からの活動にも関わらず、これまでの継続的な取り組みを通じて被災地との関係性を築いており、学生の主体性も発揮されている。今後も変化する地域課題とニーズを十分に把握し、活動を更に発展させることを期待したい。




   




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