Bコース

[新規助成]

1
プロジェクト名 宮城学院女子大生による子どもの「日常」再生ネットワーク
団体名 宮城学院女子大学 リエゾン・アクション・センター(MG-LAC)
代表者名 市野澤 潤平
主な活動地域 宮城県仙台市
助成額 300万円

 本団体は、学生の自主活動と地域との連携を支援するために設立され、震災後に生まれた様々な学生グループの運営も支えてきた。
 本プロジェクトは、学習補助、食事の提供、音楽による慰問、遊び支援といった複数の学生グループの活動を連携、統合して、深刻な身体的、精神的ストレスを抱えた子どもたちの、失われた「日常」の再生を目指す活動である。
 今年度の活動では、2012年度から行っている学校、保育所等への訪問活動での子どもへの教育やケア活動など、常駐型支援活動を継続しつつ、その質を高めていく。具体的には「学び」「遊び」「食」「音楽」等の分野の活動を学生たちが企画し、小学校や保育所への提案、実施を計画している。また、子どもたちの生活環境の改善を目的に学校、保育所にとどまらない生活の場全体への支援拡充を目指している点も評価する。宮城県内に立地する地元大学として、大学の専門性を活かした地域支援活動の継続を期待したい。


2
プロジェクト名 いしのまき学校 高校生ゼミ
団体名 一般社団法人
ISHINOMAKI2.0
代表者名 松村 豪太
主な活動地域 宮城県石巻市
助成額 300万円

 本団体は、「あたらしい石巻をつくる」を合言葉に2011年5月に結成された。地元商店主、NPO職員をはじめ、東京の建築、まちづくり、IT、広告の専門家など様々な職能を持つメンバーにより構成される。石巻の人材や地域資源・地域環境を最大限活用し、また、幅広いネットワークのハブとなることで、持続可能な地方都市のモデルづくりを目指す。
 本プロジェクトでは、石巻を若者に力を与える街にすることを目的に、高校生と20代のチューターが、地元で会社経営者などクリエイティブな活動を行う方々をゼミのゲストに招き、その講演から学びを深めるとともに、新しい企画の実現に取り組む。
 すでにパイロット版を実施しており、より効果的なプログラムとなることを期待したい。なお、地元では子どもや若者を対象とした活動が様々な団体によって行われている。それぞれの特徴を活かしながらも、よりよい街とするために、連携を深めることを願っている。


3
プロジェクト名 古民家再生「雀のお宿(仮)」プロジェクト
団体名 特定非営利活動法人
蓮笑庵くらしの学校
代表者名 渡辺 仁子
主な活動地域 福島県田村市
助成額 300万円

 本団体は、震災、福島第一原子力発電所の事故をうけて、これまでのくらしを見つめ直し、「日々ていねいに暮らすことを、共にわかり合うための学び舎」をめざし、民画家の故・渡辺俊明氏が田村市船引町に作ったアトリエ「蓮笑庵」を拠点に活動しているNPOである。
 本プロジェクトでは、福島県内外の若者を対象に、便利さや新しさを追求してきた生活から少し離れて、不便で古いものから物事の本質を学び直す姿勢や、自分たちでできる行動力を身につけることを目指して、「蓮笑庵」の敷地に隣接する古民家の再生に取り組む。具体的には、土壁塗りや畳、床張りなどワークショップや、紙すき体験、障子づくりなどのイベントを開き、若者の参加を募る。再生後は、コミュティスペースや、ゲストハウスとして、地域コミュニティづくりや若者が持続可能な暮らしについて学び、実践する場づくりに活用する。
 福島の若者の参加はもちろん、他県の若者が福島とつながる拠点として、様々な仕掛けづくりも期待したい。


4
プロジェクト名 被災地の「今」を伝える 
相想(そうそう)スマイルプロジェクト
団体名 特定非営利活動法人
市民公益活動パートナーズ
代表者名 古山 郁
主な活動地域 福島県相馬市(相双地方)
助成額 294万円

 本団体は、中間支援団体として2011年に福島県で設立された団体で、主に避難住民に対する後方支援活動を実施している。特に2014年から津波被害と原発事故の影響を受けた福島県の相双地方において、高校生と共に震災復興と新たな地域づくりのための様々な活動を支援している。
 本プロジェクトでは、地元の高校生が中心となって相双地方の現状を発信し、情報を共有してもらうためのスタディツアーを企画・実施する。さらに地域の歴史や「記憶を記録する」ためのドキュメンタリーや映画などの映像を収集、整理してデーターベースづくりを行い、外部に発信していくことを目指す。
 選考委員会では、大学生が高校生をサポートしながら企画・運営を進めるというユースの主体性が評価された。スタディツアー企画を実施した後の展開について、さらに検討を重ねていくことも期待したい。


5
プロジェクト名 東日本大震災復興支援プロジェクト2015
〜変化する現地の支援ニーズに応じたユースチャレンジ事業
団体名 立教大学コミュニティ福祉学部
東日本大震災復興支援推進室
代表者名 森本 佳樹
主な活動地域 岩手県陸前高田市、宮城県気仙沼市大島ほか
助成額 300万円

 本団体は、被災された方々の生活支援とコミュニティ再生を目的に、震災直後の2011年4月に設立。福祉の専門家である教職員らの支援体制のもと、学生が主体となり計157回、延べ2,142人が、岩手、宮城、福島を中心に支援活動を展開してきた。
 本プロジェクトでは、今後、仮設住宅から災害公営住宅への住民の移転が本格的に進む中、移転先での新たなコミュニティづくりに取り組む住民らの支援や、仮設住宅に取り残された住民のケアに取り組む。活動エリアは、陸前高田、気仙沼大島、いわき、石巻、女川、南三陸の東北三県の6市町とし、それぞれの地域の状況に合わせて活動を展開する。また企画、実施に際しては、過年度に参加した学生が中心となり、先輩から後輩へ支援活動を着実に継承していこうとする点も評価できる。
 各地での活動の成果や教訓を団体内で共有し、また各地に還元するなど、多地域で活動する強みを活かした取り組みを期待したい。


6
プロジェクト名 復興支援カフェ 〜被災地と東京をつなぐ学生たちの取り組み〜
団体名 桜美林大学 基盤教育院サービス・ラーニング・センター(SLC)
代表者名 牧田 東一
主な活動地域 東京都町田市
助成額 112万円

 本団体は、2011年4月に桜美林大学に設置された。大学におけるサービス・ラーニングを推進するとともに、東日本大震災の復興支援活動をはじめとした様々なボランティア活動に学生が参加することを支援する組織である。
 本プロジェクトは、被災地と東京をつなぐ学生の取り組みとして、学内での「復興支援カフェ」と被災地での「復興支援ボランティア」の二つが柱となっている。カフェでは、2012年度より学生団体サービス・ラーニング・センターボランティアが中心となって、被災地の食材を使ったお菓子を提供してきた。また、新たに年間を通した震災・防災関連イベントを学内や大学周辺地域で始める計画である。
 長期休暇を利用した被災地での復興支援活動では、現地との信頼関係が築かれている様子が伺え、今後もニーズの変化に合わせた活動を期待したい。また、大学がバックアップしながらも、学生の主体性が発揮されることを願っている。


7
プロジェクト名 「高校生を対象とする気仙沼フードマイスター講座」 気仙沼の水産加工品の定期購買を通したマーケティング人材育成
団体名 一般社団法人
気仙沼仕事創出プロジェクト
代表者名 茂木 正光
主な活動地域 宮城県気仙沼市
助成額 98万円

 本団体は、気仙沼において水産加工品の東京圏への販路拡大、水産加工業の担い手であるユースの育成と雇用の創出、さらには地域再生を図ることを目的として設立された。
 本プロジェクトでは、「高校生を対象とする気仙沼フードマイスター講座」を通じてマーケティング等の知識を学び、その知識を活かした東京圏への販売プロセスを経験することで、水産加工品の付加価値向上を可能とする人材を育成する。また、水産加工会社の協力を得て実施することで、ユースの雇用の創出に繋がることも期待している。
 気仙沼にコーディネーターを配置するなど、プログラムを通して気仙沼との関係構築も見られ、地域を巻き込む活動として高く評価出来る。今後も、多様な関係者との継続的な繋がりを生み出し、気仙沼の地域再生の一助となることを期待したい。


8
プロジェクト名 陸前高田市高齢者応援プロジェクト
〜住まいと住まい方の提案〜
団体名 建築計画学復興デザインチーム
代表者名 川上 咲久也
主な活動地域 岩手県陸前高田市
助成額 295万円

 本団体は、東日本大震災以前から集合住宅、高齢者施設・住宅、医療福祉施設の研究を進めており、震災後はその知見を生かし地元住民の協力のもと、「コミュニティケア型仮設住宅」を岩手県遠野市や釜石市で建設し、高く評価されてきた。
 本プロジェクトでは、住宅整備が難航している陸前高田市において、建築計画系研究室の有志学生が現地事業者の協力を得て、現状の整理および復興に必要な建築の提案を行い、現地の社会福祉法人と共に高齢者福祉施設を計画することを目的としている。
 被災地において、高齢者が安心してコミュニティの中で暮らせるための施設建設に取り組む意義は非常に大きい。学生が高齢者の抱えるニーズや課題を実地にヒアリングし、設計に落とし込むだけでなく、竣工後の使い方や運営に至る復興後の施設のあり方の整理・提案まで実施するという、このユニークな取り組みを、将来へのモデルケースに発展させ、普遍的なコンセプトとして社会に発信・還元されることを期待したい。


9
プロジェクト名 大島のみらいを考える会
団体名 気仙沼大島みらいチーム
代表者名 寺内 美紀子
主な活動地域 宮城県気仙沼市(大島)
助成額 208万円

 本団体は、震災後に気仙沼市の離島大島を継続的に訪問し活動してきた関西学院大学チームと信州大学・神戸大学・神奈川大学チームが主体となり、気仙沼大島の復興に向けた持続的な地域社会の構築を目的に設立された団体である。
 本プロジェクトでは、全島民を対象に年10回程度実施された「大島のみらいを考える会」を通して、体験型デザインワークショップを開催し、大島みらい新聞の発行などを通して、復興を進めるための情報共有と意見交換、専門知識の共有などを実施する。
 選考委員会では、ユースの主体性などを高めていくことや、議論を継続的に積み上げていく必要性、全島民を巻き込んでいく重要性等が指摘された。気仙沼大島で活動している他団体とも連携しながら、活動を進めていくことを期待したい。


10
プロジェクト名 専門高校のネットワークで新たな石巻ブランド創出に挑戦
団体名 特定非営利活動法人
グラウンドワーク三島
代表者名 小松 幸子
主な活動地域 宮城県石巻市
助成額 300万円

 本団体は、市民、NPO、行政、企業とのパートナーシップによるまちづくりの実践と、そのモデル化を目的として静岡県三島市で設立された団体である。被災地では、「石巻東北事務所」を設立し、被災者に対して就業支援などを行ったり、専門高校連携により商品開発や人材育成事業を進めたりしようとしている。
 本プロジェクトでは、石巻の専門高校が地元企業の協力のもとに、生産・加工・販売に主体的に携われる商品開発を行う「高校生チャレンジショップ」を開設運営するために、地元企業による地域貢献の講座や大学や先進企業によるビジネスプラン塾の開催などを行う。取り組みを通じて、地元高校生が専門性を高めながら地元の魅力を伝える商品開発を身に付けるなどの人材育成を目指す。
 選考委員会では、地域性を踏まえた高校生の職業訓練、エンパワメントに加え、地元企業と一緒にプロジェクトを進めている点などが高く評価された。


11
プロジェクト名 災害支援活動を行ったソーシャルワーカーの“声”の発信を通じた未来のソーシャルワーカー・ネットワークづくり
団体名 関西福祉科学大学
東日本大震災復興支援ユースチーム
代表者名 遠藤 洋二
主な活動地域 全国
助成額 300万円

 本団体は、被災地で活動するソーシャルワーカーへの聞き取りやフィールドワークを通して、被災地ソーシャルワーク活動の理解、後方支援、社会的認知の向上を目的としている。参加する学生の中には、将来、社会福祉の仕事に携わる人も多く、被災地支援と専門性向上のための学びが一体となっていることが特徴である。
 本プロジェクトでは、社会福祉を学ぶ大学生による被災地ソーシャルワーカーへの聞き取りと分析、ワークショップなどを通じて、専門的な観点からの被災者のニーズの把握、ソーシャルワーカーのエンパワメント、未来の災害ソーシャルワーカーのネットワーク構築などを行う。
 現地のソーシャルワーカーも困難な状況にある中で、支える側を支えるという観点は重要であり、将来に繋がる活動である。この動きが他地域にも広がり、福祉系の大学のネットワークづくりになることも期待したい。



[継続助成]

1
プロジェクト名 陸前高田の子どもを対象とした居場所づくり 『みちくさルーム』への学生ボランティア受け入れ(2)
団体名 特定非営利活動法人
パクト
代表者名 水野 朝紀
主な活動地域 岩手県陸前高田市
助成額 300万円

 本団体は、岩手県陸前高田市において子ども支援を行ってきた団体で、子どもの抱える課題に応えることを目的に設立された。本プロジェクトでは、ユースと協働して子どもの居場所機能を果たす「みちくさルーム」の継続的な運営を目指す。
 ユースが主体的に子どもたちと関わり、プロジェクトを企画・運営することで、自ら考えて行動するとともに、「みちくさルーム」に参加する子どもたちの災害ストレス反応を防ぐ一助となることを目的としている。昨年に続き着実に運営を進めており、地域の生活を変える一つの重要な場になっていると感じられる。
 今後は、参加出来ない子どもたちの存在や活動の将来的なビジョンを意識し、年々変化する現地のニーズを的確に捉えたアプローチや地域・他団体との積極的なネットワーク形成に期待したい。


2
プロジェクト名 宮古地区において活動的なユースがつながるコミュニティの持続的な形成
団体名 ユースみやっこベース
代表者名 早川 輝
主な活動地域 岩手県宮古市
助成額 260万円

 本団体は、岩手県宮古市にて高校生を中心としたユースの社会参加を支援するために震災後に設立された団体である。
 昨年度のプロジェクトでは、高校生の居場所が少ないという課題改善のため、市内中心地にフリースペース「みやっこハウス」を設置し、様々な人や活動と出会うきっかけ作りや情報発信に取り組んだ。毎月延べ200名程度の利用があり、その必要性も確認できた。また、同スペースにて高校生主体の話し合いの場「高校生サミット」を毎月開催し、各回20名程度が参加している。話し合いの中から「観光」、「商店街」、「交流」、「雑貨」の4つのプロジェクトチームが立ち上がり、商店街のイベントで高校生目線の手作り雑貨の販売を行い、売上の一部を三陸鉄道へ寄付するなどの成果も生まれている。
 今年度もこれらの成果を踏まえて、さらに若者の主体的な地域づくり活動を支えるとともに、継続的な活動に向けての人材や財源の開拓に努めることを期待したい。


3
プロジェクト名 若林区東部振興プロジェクト
団体名 一般社団法人
ReRoots
代表者名 広瀬 剛史
主な活動地域 宮城県仙台市
助成額 300万円

 本団体は、震災後、仙台市若林区の農業地域で瓦礫撤去の復旧支援、地域おこしを目的に設立された団体である。遊休地を活用して自力で野菜栽培を行ったり、農作物の販路形成などを通して農家の生活再建を積極的に支援したりしている。
 本プロジェクトでは、農家が栽培した野菜の販売(復興支援ショップの運営)、畑づくりを通したコミュニティ再生、若林区への訪問者を増やすための市民農園の運営、農家自身が若林区の魅力を主体的に伝える田んぼプロジェクトの実施などを通して、営農再開の後押しやコミュニティの安定化を目指すことを目的としている。
 選考委員会では、復興段階にあわせて活動を展開させ、個々の活動をコミュニティ形成に結び付けようとする方向性が高く評価された。今後、団体の運営基盤の強化と持続的な事業運営について検討することも期待したい。


4
プロジェクト名 宮城県石巻市における学びを通じた居場所作りプロジェクト
団体名 特定非営利活動法人
TEDIC
代表者名 門馬 優
主な活動地域 宮城県石巻市
助成額 300万円

 本団体は、宮城県石巻市における子どもの学習支援および居場所の確保を目的として、震災直後に設立された団体である。本プロジェクトは、長引く生活基盤の毀損を背景に、学習環境に困難を抱える子どもたちを受け止め、学習支援や日常対話を通じて、自立を促すものである。
 地元大学と連携し、継続的に学生スタッフを巻き込み、研修、交流会等を通じて支える側の育成とコミュニティ形成も図っている。小中学校などの教育現場と連携し、支援の必要な子どもをとりこぼさない仕組みを作り、専門家の介入が必要なケースでは、ソーシャルワーカーや関連NPOに繋ぐなど、的確な課題認識のもと、多様な関係者と協働した包括的支援を構築し、着実に実行していることは高く評価できる。
 今後も必要とされる活動であるため、団体の組織基盤の拡充を実現し、継続的な関わりを行うよう期待したい。


5
プロジェクト名 学生・住民協働で被災3県の地域コミュニティ形成を図るボランティアツアー
団体名 東北大学東日本大震災学生ボランティア支援室
代表者名 花輪 公雄
主な活動地域 岩手県、宮城県、福島県
助成額 300万円

 本団体は、被災地の学生ボランティアの活動を支援するために設立された組織で、被災3県において、瓦礫撤去や生業支援の他、仮設住宅への足湯ボランティアやカフェ活動など、学生の企画による活動を支援してきた。
 本プロジェクトは、今後、仮設住宅から復興公営住宅への入居や自宅再建などにより、生活コミュニティの再編が進んでいくと予想されるなか、いかなる課題とニーズがあるのかを住民への調査によって捉え、行事への参加やワークショップなどを通じてコミュニティ形成を支援していくものである。
 選考委員会では、東北の大学として、発災以来、密度の高い活動を継続していることが評価された。問題がますます複雑化・不可視化していく被災地の転換期において、学生がコミュニティ形成に取り組むことには様々な困難が予想されるため、それぞれの分野の専門家を巻き込むなど質の向上が求められるだろう。


6
プロジェクト名 大学生ボランティアによる被災児童・生徒の自立支援プロジェクト(2)
団体名 公益社団法人
チャンス・フォー・チルドレン
代表者名 今井 悠介
主な活動地域 宮城県 他
助成額 300万円

 本団体は、経済的理由により学校以外での教育を十分に受けることができない児童・生徒に対し、学校外教育の機会を保障する活動を行うために設立された。東日本大震災で被災した子どもに対しては、塾・予備校・習い事など学校外教育に利用できるクーポンを無償で提供している。また、月1回大学生アドバイザーを派遣し、クーポンの利用や学習・進路の相談などを行ってきた。
 本プロジェクトでは、昨年度の大学生ボランティア育成の成果を受け、大学生ボランティアによる学校外教育クーポン提供事業の強化、および、マネジメントチームによる更なる大学生ボランティアの育成に取り組む。
 これまで支援できていない領域の子どもたちに対しても、アプローチしようとしている点を評価したい。なお、同様の活動を行っている団体を研修に巻き込むなど、他団体との連携を強化するとともに、専門性を更に高めていくことにも期待したい。


7
プロジェクト名 大学生による福島の食と農の再生支援プロジェクト(2)
団体名 福島大学うつくしまふくしま未来支援センター
代表者名 中田 スウラ
主な活動地域 福島県
助成額 300万円

 本団体は、東日本大震災や福島第一原発事故に伴う被害に関して科学的に調査・研究し、復興支援を行うことを目的に設立されたセンターの4部門のうちの1部門である。福島県内の第一次・第二次・第三次産業の支援を行っている。
 本プロジェクトでは、地元大学生が原子力災害後の福島における食と農の再生を支援する。昨年度は、消費者への情報提供・PRを目的としてプロジェクトを進めるとともに、実際に米づくりを行い、自らの体験と大学で得た専門知識を融合させた情報発信を続けた。本年度は、販売不振が続く福島県産米の安全性について情報発信を続けつつ、ブランド力の強化に重点をおき、品評会なども行う。
 地元の大学として、学生や教員の役割は非常に大きく、これまでの活動を発展させた取り組みに期待したい。なお、活動の成果も測りながら、また、学生がより主体的に活動することで、効果的なプログラムになることを願っている。


8
プロジェクト名 若者の力による海岸林再生と、活動を通じたコミュニティづくり事業
団体名 特定非営利活動法人
トチギ環境未来基地
代表者名 塚本 竜也
主な活動地域 福島県いわき市
助成額 300万円

 本団体は、若者による環境保全活動に取り組んでおり、震災を機に「環境」を切り口とした復興支援活動を展開している。
 昨年度は、津波で大きな被害を受けた福島県いわき市の海岸林の再生に向けて、草刈りや植林などの保育作業を、毎月2回、各回10名程度の若者の参加で進めてきた。また、栃木県内やいわき市内の幼稚園、小学校等において、環境教育や防災教育も行った。
 今年度は、前年度に整備した0.5haの海岸林に1,500本の植林を行うほか、新たに1.5haの海岸林整備に取り組む。また、いわき市の若者の参加は、現状では単発的なものに留まっているが、今年度はいわき市の大学生を核としたチームづくりに取り組み、地元の若者が継続的に活動する基盤をつくる。
 地元住民や団体との連携、協働を強化し、海岸林整備からコミュニティづくりへと、活動の発展を期待したい。


9
プロジェクト名 海の照葉樹林とコミュニティづくり支援プログラム(2)
団体名 早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)
代表者名 村上 公一
主な活動地域 宮城県気仙沼市
助成額 300万円

 本団体は、早稲田大学が大学の社会貢献の推進役として設立した学内組織であり、東日本大震災後は学生、教職員によるボランティア活動の支援を続けている。延べ4,500名以上の学生・教職員ボランティアの派遣を、被災地域を限定せずに広域に展開してきた。
 本プロジェクトでは、気仙沼市震災復興市民委員会が提言した、津波に強い防潮林ベルトの造成を支援するために、大学生や高校生がキャンパスで苗木を育て、数年後にその苗木を地元の方と植樹し交流することを通じて、被災地と支援地域の新たな互恵的な関係を促進するものである。
 選考委員会では、助成1年目の昨年度に、初めての植樹を実現したり、気仙沼と支援地との交流会を開催したりするなど、着実に成果を挙げている点が評価された。今後は、大学および大学周辺地域、そして被災地において、より多くの学生や住民を巻き込んでいく仕組みを作っていくことを期待したい。


10
プロジェクト名 宮城県気仙沼市大沢地区における復興まちづくり支援 〜復興から地域活性化/住民主体のまちづくりへ
団体名 気仙沼みらい計画大沢チーム
代表者名 鈴木 伸治
主な活動地域 宮城県気仙沼市
助成額 299万円

 本団体は、複数の大学の研究室が連携して宮城県気仙沼市大沢地区の復興まちづくりを支援するために設立された。これまで、高台集団移転について話し合う「大沢みらい集会」や浸水区域の跡地利用など集落全体の復興事業について話し合う「大沢まちづくり会議」を住民とともに開催し、さらに復興に関する情報提供のため「大沢復興ニュース」の全戸配布なども行ってきた。
 本プロジェクトは、高台移転が進む中で、復興からまちづくりへという転換が進む大沢地区において、上記会議の更なる充実を図るものである。特に、これまで集会に参加するのは世帯主である高齢者層が中心だったが、今後は持続可能なまちづくりのために若手世代も含めたより多くの住民の参加を目指す。
 仮設住宅から復興住宅へという転換期は支援にとって大変難しい時期だが、その中で大学生が関わる集落支援として何ができるのか、新しい展望を開いていくことを期待したい。


11
プロジェクト名 建築学生による「記憶の街」復元模型ワークショップ開催を通した福島県・東日本大震災被災地における記憶の保存・再生プロジェクト
団体名 「失われた街」模型復元プロジェクト実行委員会
代表者名 槻橋 修
主な活動地域 福島県富岡市、大熊町、双葉町
助成額 300万円

 本団体は、発災後から全国の26大学・研究室、延べ600名以上の学生が関わり、震災以前の街並みを復元する縮尺ジオラマ模型を制作し、それらを用いた記憶再生ワークショップを行ってきた。これまで岩手県、宮城県、福島県46地域・298体の模型を制作し、26の地域で地元住民たちが集うワークショップを開催してきた。
 本プロジェクトは、新たに福島県内の富岡、大熊、双葉の三地域を活動対象として、それぞれの復元模型を制作して、「記憶の街ワークショップ」の開催を行うものである。さらに、ワークショップを通して得られた証言を整理・分析し、復興のための資料として現地に提供するほか、いわきと南相馬で復元模型展覧会を開催する。
 これまでの実績ある活動を福島の帰還困難地域でも行うことは、復興を考える上で重要な意義がある。アーカイブ化した情報を復興過程にフィードバックしていくという難しい課題にもぜひ取り組んでほしい。




   




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