Bコース

[新規助成]

1
プロジェクト名 宮城県名取市被災者支援活動 尚絅学院大学 〜名取復興音楽祭を通したコミュニティ形成プロジェクト〜
団体名 尚絅学院大学エクステンションセンター
代表者名 片山 一男
主な活動地域 宮城県名取市
助成額 300万円

 本団体は、生涯学習を中心に地域貢献を担う目的で尚絅学院大学内に2003年に設置された。震災後は地元の名取市において、大学内の学生ボランティアチームや市民ボランティアと共に、仮設住宅支援を中心とした被災者支援活動を行っている。
 本プロジェクトは、震災から5年が経過し、被災者を取り巻く環境が大きく変化している現状を踏まえ、これまでの繋がりを大切にしながら、新しいコミュニティを作り上げることを目的としている。仮設住宅ごとに行ってきた支援を見直し、仮設住宅、みなし仮設、復興公営住宅、自立再建という枠を越えた交流活動に取り組む。また、震災の記憶の風化が進むユースに「3.11を忘れない」心を継承し、主体的な活動に導くような仕組み作りも目指す。
 地域の担い手としての自覚を持ち、地域に根差した活動を段階に応じて継続して実施している点が評価された。今年度も多様なステークホルダーを巻き込み、より一層、地域を盛り上げていくことを期待したい。


2
プロジェクト名 気仙沼・南三陸町における自らの問題意識に対し主体的に行動を起こす子どもの育成
団体名 特定非営利活動法人
底上げ
代表者名 矢部 寛明
主な活動地域 宮城県気仙沼市、南三陸町
助成額 259万円

 震災直後にある民間非営利組織が実施したアンケートでは、岩手県・宮城県の約11,000人の子どもの9割近くが「自らの町のために何かしたい」と答えている。本団体は、まさにそのような気持ちを持つ地元高校生たちの活動をサポートする団体で、活動拠点の気仙沼市と南三陸町において高校生たちが立ち上げたグループ「底上げYouth」および「COM」のサポートや、学習支援などの実績を持つ。
 本プロジェクトは、気仙沼市と南三陸町において、地元高校生たちが地域の大人や地元出身の大学生などと交流する会(月1回)と、地元でフィールドワークを通じ地域課題を発見し自らアクションを起こす取り組みを促す「子ども会議」(月2回)を各地で行う。本団体の運営自体も主に20代のユースが担っており、ユースの主体性を重要視する本助成プログラムの目的と合致している。
 交流と具体的なアクションの2つの取り組みを通じ、郷土愛が育まれ、震災により加速化した人口減少や地域の産業復興などの地域課題に貢献する若者が輩出されることを期待したい。


3
プロジェクト名 高校生と住民協働による「小高のにぎわい再生」プロジェクト
団体名 特定非営利活動法人
つながっぺ南相馬
代表者名 今野 由喜
主な活動地域 福島県南相馬市
助成額 300万円

 本団体は、2013年に設立され、南相馬市内4か所の仮設住宅集会所を利用した「癒しのサロン」の運営や、市内の高校生や商工会などと共にまちづくりを目指すワークショップなどを開催してきた。
 本プロジェクトでは、外部から支援に入り現地で継続的に活動してきた大学生と地元出身の大学生が主体となり、小高区の生活再建のために、@高校生・大学生・住民と共に行う生活環境改善活動、A帰還するきっかけづくりを進める避難者、帰還者のための「小高おかえりツアー」、B地域課題などを話し合う「語り場カフェ」に取り組む。現地ニーズを踏まえ、2016年4月に予定されている避難指示解除後の帰還者のコミュニティづくりを促すだけでなく、避難者と小高区をつなぐツアーの開催など、これからますます重要となる活動といえる。
 選考委員会では、多様なプロジェクトの実現可能性などが指摘されたものの、地元のユースが担い手として育ち、活動をリードするような仕組みになっている点が高く評価された。


4
プロジェクト名 若者がプロデュース!作り手と買い手をつなげるオーダーメイド商品とコミュニティ
団体名 特定非営利活動法人
とちぎユースサポーターズネットワーク
代表者名 岩井 俊宗
主な活動地域 福島県いわき市、栃木県宇都宮市
助成額 300万円

 本団体は、若者の力を活かして、地域の課題解決や活性化を加速させることを目的に2008年に設立され、地域と若者をつなぎ、若者の成長と地域の課題解決や活性化のプロデュースに取り組んでいる。東日本大震災以降は、若者の震災復興支援活動を継続して実施している。
 本プロジェクトは、福島県の避難者支援として大学生や若手社会人が取り組む「とちぎ手仕事支援プロジェクトFukuFuku」を発展させる活動であり、いわき市への避難者である「作り手」と支援者の「買い手」の間に入ってサポートし、“買う”ことを通じた支援を行っている。今年度は、作り手が仮設住宅から復興公営住宅に移り始め、買い手も風化等により減少する中で、新たな商品の開発と販売の仕組みづくりを通じて、作り手の生きがいづくりや社会的孤立を防ぐコミュニティづくりを目指す。
 作り手の紹介がついたオーダーシートの活用や、買い手が作り手のもとに赴くバスツアーの実施等により、両者の密なつながりが生まれ、コミュニティ形成に寄与することを願っている。被災者支援と若者支援を合わせ持つ好事例として期待したい。


5
プロジェクト名 若者から見た持続可能なまちづくりのためのワークショップと長期化する仮設住宅の暮らし実態調査プロジェクト
団体名 陸前高田地域再生支援研究プロジェクト
代表者名 宮城 孝
主な活動地域 岩手県陸前高田市
助成額 252万円

 本プロジェクトは、岩手県陸前高田市の地域再生を支援するために、複数の大学や研究者、実務家等の有志により実施される共同調査において、法政大学のチームにより実施される調査事業である。
 取り組みは二つあり、一つは広田町地域、米崎町地域において、住民参加のワークショップを行い、地域の潜在的な資源の発掘等を通じて、持続可能な地域づくりへの提案を行う。もう一つは、市内外の48の仮設住宅において、仮設住宅団地の自治会長へのインタビューを実施し、居住者の暮らしの状況を把握する調査である。
 前者の取り組みでは、よそ者、若者目線でのユニークな提案が期待される。後者の調査結果は、各仮設住宅団地の自治会役員、行政、関係機関・団体、メディア等に周知、フィードバックすることで、居住者の暮らしの課題の解決、改善の取り組みを促すことを目指している。
 これまでの活動で培ってきた地域との関係性を基礎に、住民と協力しながら丁寧に調査に取り組もうとする点を評価したい。


6
プロジェクト名 宮城県仙台市の困窮家庭の中学3年生および高校生を対象とした無料学習会
団体名 特定非営利活動法人
キッズドア
代表者名 渡辺 由美子
主な活動地域 宮城県仙台市
助成額 299万円

 本プロジェクトは、仙台市内及び近郊の困窮家庭の子どもを対象に、大学生が学習支援や進路相談を行うものである。
仙台市のような都市部では、震災の影響は直接的な形で現れるだけでなく、間接的かつ不可視的な形で、経済的な困窮を生み出す傾向がある。特に子どもの貧困は、学業達成の困難や不利な進路選択を介して人生を通じたリスクにつながるため、しっかりとした対応が必要である。そのような背景の下で、被災した家庭も含め困窮家庭の子どもたちを広く対象とした学習支援は、都市部の被災地の特徴を踏まえた、適切な支援活動と言えるだろう。
 本団体は、2007年からの子どもの学習支援活動において豊かな経験と実績を蓄積している上、ユースが主体となって講義内容を検討し、実践を行える環境が構築されている点も評価できる。地元の諸機関と連携を取りながら、子どもたちの心に届く支援が行われていくことを期待したい。



[継続助成]

1
プロジェクト名 宮城学院女子大生による子どもの「日常」再生ネットワーク2016
団体名 宮城学院女子大学リエゾン・アクション・センター(MG-LAC)
代表者名 木口 寛久
主な活動地域 宮城県仙台市
助成額 300万円

 本団体は、学生の自主活動と地域との連携の支援のために2010年に設立され、震災後に生まれた様々な学生グループの活動基盤を支えてきた。
 本プロジェクトは、学習補助、食事の提供、音楽による慰問、遊び支援といった複数の学生グループの活動を連携、統合して、深刻な身体的、精神的ストレスを抱えた子どもたちの失われた「日常」の再生を目指す活動である。
 今年度の活動では、2012年度からの学校、保育所等への訪問活動での学習支援やケア活動など、常駐型の支援活動を継続しつつ、子どもたちの生活基盤である地域コミュニティの再生にも寄与することを目指す。具体的には、仮設住宅への訪問活動や地域産品の新規開発、地域の文化理解教育活動など、子どもたちが暮らし育つ地域そのものへの関わりや理解を深める取り組みであり、昨年度からのさらなる活動の発展に期待したい。また、毎年入れ替わる学生たちの活動へのモチベーションを支える教職員のサポート体制も評価する。


2
プロジェクト名 いしのまき学校 〜街と未来を切り開く〜
団体名 一般社団法人
ISHINOMAKI 2.0
代表者名 松村 豪太
主な活動地域 宮城県石巻市
助成額 300万円

 本団体は、「あたらしい石巻をつくる」を合言葉に震災2カ月後に結成され、地元商店主、NPO職員をはじめ、建築家、ITや広告の専門家など様々な職能を持つメンバーで構成されている。石巻の人材や地域資源を最大限に活用し、幅広いネットワークのハブになることで、持続可能な地方都市活性化のモデル作りを目指す。
 本プロジェクトの助成1年目は、石巻の担い手となるようなクリエイティブな活動をしている方々をゲストに招きながら、石巻市内の高校生や20代のチューターと共に学び合う場を作り上げる「いしのまき学校」に取り組んだ。今年度は、昨年度からの取り組みを継続しつつ、次年度以降の運用を目指す高校生のキャリア形成を意識した効果測定の仕組みづくりと、地域内外で高校生を対象に活動する他団体との連携の活性化を目指した取り組みにも着手する。
 石巻全体の活性化に繋げるために、これから地域の担い手になっていく地元の高校生をより一層巻き込みながら、成果を深めていくことを期待したい。


3
プロジェクト名 若者で明日の福島をつなぐプロジェクト
団体名 特定非営利活動法人
市民公益活動パートナーズ
代表者名 古山 郁
主な活動地域 福島県福島市
助成額 298万円

 本団体は、福島市に拠点を置き、南東北エリアを中心とした広域の中間支援組織として2010年6月に設立され、東日本大震災後は生活再建支援や避難先コミュニティの支援活動を主に取り組んでいる。
 今年度の目的は、@本助成プログラムの活動を経験した若者が、これからの復興を担う大学生と共に、「明日の福島をつなぐ」ための人材育成研修を重ねながら地域の実践活動を進めていくこと、A昨年度に引き続き「ふくしまの記憶」として、相双地域や県北地域を中心に、震災前後の情報の収集と整理を行い、データーベース化することにある。今年度の大学生メンバーから、地域活動のリーダーとなるボランティア・コーディネーターの育成も目指す。
 今後、団体ウェブサイトでの発信などをさらに積極的に行い、「ふくしまの記憶」を受け継ぐという重要な役割を再認識しながら、被災地における次世代人材の育成が図られることを期待したい。


4
プロジェクト名 東日本大震災復興支援プロジェクト2016
〜コミュニティ支援に特化したユースチャレンジ事業〜
団体名 立教大学コミュニティ福祉学部東日本大震災復興支援推進室
代表者名 湯澤 直美
主な活動地域 宮城県石巻市
助成額 300万円

 本団体は、東日本大震災の被災者の生活支援とコミュニティ再生を目的に、2011年4月に設立された。福祉の専門家である教職員の支援体制のもと、学生が主体となってこれまでに計221回、延べ2,788人が岩手県、宮城県、福島県における現地活動および東京都における広域避難者の支援活動を行っている。
 本プロジェクトでは、本学部の専門性を生かして、心のケアを中心としたソフト面の支援に特化する。これまで活動を行ってきた陸前高田市、気仙沼市大島、いわき市、石巻市と女川町の4地域において、災害公営住宅や仮設住宅、高齢者福祉施設、小中学校等を拠点に、高齢者や子どもたち等、弱い立場にある人々を対象に交流支援プログラムを行う。
 現地との関係を深めながら、フェーズの変化に応じて、着実に活動を継続している点が評価できる。今後も、参加者を増やす工夫をしたり、地元のニーズをしっかり受け止めたりしながら、活動が展開されることを願っている。大学が取り組む支援活動の一つのモデルとして期待したい。


5
プロジェクト名 専門高校と地元企業との連携による新たな石巻オリジナルスイーツの創出に挑戦
団体名 特定非営利活動法人
グラウンドワーク三島
代表者名 小松 幸子
主な活動地域 宮城県石巻市
助成額 300万円

 本プロジェクトは、本団体の拠点である静岡県三島市における市民・NPO・行政・企業のパートナーシップによる地域の課題解決の実績を踏まえ、被災地で取り組んでいる人材育成事業の2年目となる。宮城県石巻市で、石巻工業高校、水産高校、桜坂高校の3校が主体となり、石巻オリジナルスイーツの商品開発を行っている。
 昨年度は、調理教室の開催と試作品開発に取り組み、地元の洋菓子店、水産関連企業、デザイン・広告企業の経営者なども巻き込みながら、具体的な商品の試作品づくりを行った。今年度は、実際の商品開発と製造だけでなく、イベント出展や店頭での販売も計画している。
 高校生ならではの柔軟な発想と大胆な組み合わせで、若者×地元のマルチセクターによるCOCREATION(共創)の結果、新しい名産品が生まれ、参加する高校生たちが地元企業との関係性や事業の展開に興味を持ち、キャリア形成の一助となることを期待したい。


6
プロジェクト名 災害支援活動を行ったソーシャルワーカーの“声”の発信を通じた未来のソーシャルワーカー・ネットワークづくり
団体名 関西福祉科学大学 東日本大震災復興支援ユースチーム
代表者名 遠藤 洋二
主な活動地域 全国
助成額 300万円

 本学は、福祉系大学経営者協議会が母体となり、被災地で活動したソーシャルワーカーの経験を聴き取り、その情報を集約、発信する取り組みに参画してきた。
 本プロジェクトは、本学の学生が主体となったユースチームが、聴き取りを通じて得られた成果を多様なステークホルダーと共有するために、被災地でのフィールドワークや各地でのワークショップを通じた情報発信と、将来の援助者たちのネットワークづくりを目標に活動を進めてきた。今年度は、昨年度からの活動を継続しつつ、より広域、多様な巻き込みや連携を図り、深化を目指す。
 ソーシャルワーカーや被災者の声を聞き取って終わりにするのではなく、専門性を持ったユースの中で積極的に生かし、来るべき災害に備えていくことを目指した活動であり、被災地と未来をつなぐ可能性を有していると評価できる。その可能性をより豊かにするためにも、被災された方々が、単なる聞き取りの客体に留まるのではなく、このプロジェクトに主体的な形で参画できるように、被災地の協力機関と密接な体制を築きながら進めていくことも期待したい。




   




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