助成番号  18-3-1

病気の子どものきょうだい支援を広げるためのシブリングサポーター養成事業(3)


団体名 特定非営利活動法人 しぶたね
http://sibtane.com

所在地 大阪府
助成額 200万円

(団体について)
 しぶたねは、病気をもつ子どもの「きょうだい」のための団体です。きょうだいが主役になりあそびきるワークショップ「きょうだいさんの日」や、病院内の活動、小冊子の作成配布、講演や、4月10日の「きょうだいの日」にあわせた啓発活動などを行っています。
  きょうだいたちは、病気についてわからない不安や混乱、周囲の大人の目が自分に向かない寂しさ、プレッシャー、自責感、悲しみ、怒り…いろんな気持ちを抱え、感じながら、大きくなっていきます。子ども時代に抱えた経験、複雑な気持ちは、たとえ兄弟姉妹の病気が治っても、きょうだいが大人になっても、帳消しになるわけではなく、大人になってもしんどい気持ちを抱え続けるきょうだいもたくさんいます。保護者の方々もきょうだいのことを心配しながら、治療やケアに追われてなかなか思うようにきょうだいと過ごせずに悩んでおられたり、ご自身を責めてしまうということが起こっています。そんな保護者の方々の悩みを受け止めておられる支援職の方々からもまた、きょうだいたちに何をしてあげられるだろうと悩んでおられる声を聴いています。きょうだいたちのしんどさを、きょうだいや家族だけで抱えるのではなく、もっと社会のたくさんの人で関わっていけることがあるのではと感じ、活動をひろげてきました。

(助成による活動と成果)
 きょうだいの応援団を増やしつながるための「シブリングサポーター研修ワークショップ」を、予定を超えて8回行い(宮城県、滋賀県、北海道、兵庫県、大阪府、愛媛県、岩手県、新潟県)、この1年で357名の方が修了してくださいました(2016年11月からサポーター数は累計816名)。研修をきっかけに開催地域内での連携がうまれたり、全国的なネットワークの強化につながっています。全国に仲間が増えることで、講演にうかがったり、きょうだいのためのイベントを出前するなど活動の幅が広がり、情報が集まるようになったことで、近くの団体をつないだり、参考になる他地域の取り組みを紹介することもできるようになってきました。

 支援者を対象とした研修ですが、大人になったきょうだいの立場の方が参加してくださることが増え、「私自身が“きょうだい”です。講義は私の心の内が解放されているような感覚で、話を聞く立場であったにもかかわらず、『聞いてくれてありがとう』という気持ちになりました。」「今日会場に来ている方々がきょうだいに寄り添いたいという気持ちをもった方たちなんだと思うと、とってもあたたかい気持ちになりました。私自身のこれまでを認めてもらったような、共感してもらえたような、本当にうれしい時間でした」と、きょうだいの視点で研修を認めてくださることに励まされています。

 岩手県では、6月の宮城県と昨年度の群馬県での研修にそれぞれ参加してくださった岩手在住の4名のサポーターさんが中心になって「シブリングサポーターいわて」というグループを立ち上げ、11月に研修を共催してくださいました(参加者90名)。「シブリングサポーターいわて」はその後も大人のきょうだい向けのプログラム、子どものきょうだい向けのプログラムを次々企画し、精力的に活動を広げておられます。北海道でも病院内できょうだいと過ごすボランティア活動の準備が始まり、研修を行うことで支援の場の増加に貢献できている実感があります。

 年に1度のサポーターミーティングは、NPO法人ぷるすあるは(精神障がいやこころの不調、発達障がいをかかえた親とその子どもを応援する精神科の看護師+医師を中心としたプロジェクトチーム)の北野陽子さんと細尾ちあきさんをゲスト講師に招き、活動のお話や、作成されている絵本やツールをご紹介いただき、さまざまな気持ちが描かれたシールを貼った「気持ちの箱」をつくるワークショップをお願いしました。きょうだいや親御さんの支援にも、サポーターさん自身のセルフケアにもつながるお話をいただき、休憩時間も、絵本やツールの実物を手に「明日使おう」「こういうものがほしかった」と大いに盛り上がりました。

  また、小児在宅療養に関わっておられるシブリングサポーターさんにご協力いただいて、「在宅きょうだい支援リーフレット」が完成しました。保護者の方に、病気のあるお子さんと退院して在宅生活が始まって少し落ち着いた頃に、きょうだいさんにちょっと気になることが起こったりすることや、それは親御さんのせいではないこと、安心のためにできることや、一緒に考えたいひとたちがいることを支援者がさらりと伝えるきっかけに使っていただくことを想定して作成し、相談先になりうる小児在宅医療を行う訪問看護ステーションと保健所を中心に全国約1,000か所に発送し、PDFをホームページで公開しました。

(残された課題、新たな課題)
 研修の開催依頼は絶えず続いていて、広報ツール作成の課題が残っています(次年度に作成できる予定です)。また、続けて開催していくためには資金確保に向けて引き続きの努力が必要だと感じています。1年に1度のミーティングだけでなく、日常的にサポーターどうしで上手くいった実践や日々の悩みを共有できる場があればよいかもしれないと感じることが増え、Webサイトの充実も新たな課題になっています。きょうだいが多くの時間を過ごす学校関係の方々とのつながりが弱いことが課題ですが、研修開催時に教育委員会の後援をいただいたり、少しずつですが学校の先生の申し込みも増えていて、力を入れていきたいところです。

(活動の背景・社会的課題)(団体からのメッセージ)
 年々きょうだい支援に光があたるようになり、新聞やニュースなどで取り上げていただく機会が増えています。きょうだいの声や経験から私たちが学ばせていただくことはたくさんありますが、大切な声を聴かせていただくことがもっと慎重に丁寧に行われていくように、できることを考えたいと思っています。
  きょうだいたちが安心して自分の人生を自分らしく過ごすことができるように、きょうだいも当たり前に大切にされる文化を作っていくために、たくさんの人の応援がきょうだいに届くよう、引き続き頑張ります。

》》》 印刷用PDF



 
助成番号  18-3-2

ニコゼミ2019 学びあう・多面的視点の大切さを求めて


団体名 認定特定非営利活動法人ニコちゃんの会
http://www.nicochan.jp/

所在地 福岡県
助成額 220万円

(団体について)
 当団体は、「どんなに重い病気や障がいがあっても、その人らしい心豊かな人生を生き抜く」ことができる社会を目指して活動しています。日常と非日常、両面から芸術・研究・啓発・介護(日々の生活のサポート)など多岐にわたる活動を、障がい児の親をはじめとし、医療・デザイン・芸術・教育など幅広い分野の経験と、医療的ケアをはじめとする介護の資格を併せ持つスタッフが企画・運営しています。

(助成による活動と成果)
 今回の取り組みは、多職種連携が叫ばれる昨今において、その前段階として価値観や感覚のすり合わせができる機会になれることや、医療・福祉業界内部の人材の成長もまた重要な課題と捉え、「学び合い」の場を設定し医療・福祉業界内部の人材の相互の成長を促すことを目的に計画したものでした。

 お互いの専門性を学び合い、話し合い、コミュニケーションをとる形で進めていく予定でした。新型コロナウイルス感染症が発生してしまったことで、取り組みの重要な部分である、直接的なコミュニケーションをとれる環境をつくれなくなり、困惑しましたが、そのような中で、今できることを最大限に生かす取り組みにしようと、実際に会えない効果は非常に薄れる懸念はあるものの、WEBを活用してZOOMでニコゼミを開催することになりました。

 各回のゼミの内容は、@身体の仕組みから始まり、A子ども本来の関わり方、B病院と社会を繋ぐための取り組み、C社会での暮らし方、最後はD命についてと、テーマを分けて実施していきました。それぞれの専門分野を持つ「ハナシテ」さんに、話していただき、それについて、わからないことを聞き合ったり話し合ったりするという取り組みになりました。ただやはり、ZOOMで実施したことで流動的な対話が生まれにくく、互いの背景や想い等を充分に知り合うことがないままゼミが進んでしまった部分はありました。その一方で、他県の参加者にもかかわってもらうことができ、他の地域の制度の活かし方等の地域性も学びの要素となったというのはオンラインで開催したことのメリットでありました。また受講生によっては移動や時間等の面でも参加しやすかったという声もありました。終了後の受講生からの意見は、「型にはまった話し合いでない」「いろんな人の話を聞いて刺激的だった」「いわゆる医療福祉の研修では取り上げられないことを話せる場になりそう」「これまでたくさんの研修を受けてきたがこれほど充実した研修は初めてだった」等、医療福祉の分野の研修にある事例検討や医学等の情報のアップデートとは異なる部分を要する学びの場にはなったのではないかと感じています。また最後の振り返りの際に「長く一緒にやってきたので友人がたくさんできた。迷っても相談できそう」という意見があり、医師、看護師、保育士、介護士等、医療福祉の様々な職種の人がフランクに相談できる場となったことは最大の成果であると実感しています。

 今回の企画で、他の職種の様々な価値観や経験を共有することで、チームワークに必要な「感覚」を育むことができるのではないかと思います。今後も何かしらの形で専門職のための「互学」を続けていけたらと思います。

(残された課題、新たな課題)
 オンラインで実施したことによって司会進行役の指示によって、挙手した人のみ意見を言うこととなり、受講生同士の発言の機会が、対面で想定していたものよりも非常に少なく感じたので「雑談」ができるということの有難さを痛感しています。オンラインで継続開催する際は、適切に「雑談」ができる環境を整えたいと思っています。また、本来予定していた対面でのニコゼミを実施する際にも、そういった余白の部分を充分に考慮した上でより良い形で、開催したいと考えています。

(活動の背景・社会的課題)(団体からのメッセージ)
 私たちニコちゃんの会のモットーは「どんなに重い病気や障がいがあっても心豊かにその人らしい人生を生き抜く」。心の豊かさを得るには、日常、非日常と両面からの関りが必要と考え、ニコちゃんの会の活動は行われています。活動の中で、最も重要視してきたことは人と人とのコミュニケーションです。2020年新型コロナウイルス感染症によって、新たなコミュニケーション手段を模索しながらの一年を過ごしたことで、更にコミュニケーションの重要性を感じる一年となりました。
 新たなコミュニケーション手段を確立しつつ、安心安全に配慮した直接的なコミュニケーションの模索も必要だと感じています。重い病気や障がいのある子どもたちと家族が、地域で心豊かに暮らしていくためには、多職種の共働、正しい理解をもって関わってくれる人の育成が不可欠だと感じています。更に今後も、多くの人と出会える取り組みや、話し合える環境を作り、コミュニケーションの多様性を広げていくために努力していきたいと思います。また、このプログラムに参加させていただいたことで、日本中で様々な活動に取り組んでいる方たちとの多くの出会いがありました。この出会いを大切にし、お互いの活動を後押しできるような関係性を築いて、誰にとっても、心豊かに人生を生き抜けるよう活動していきたいと思います。

》》》 印刷用PDF



 
助成番号  18-2-1

長期療養児向けのスポーツ・レクレーションプログラムの展開と人財育成(2)


団体名 特定非営利活動法人 Being ALIVE Japan
http://www.beingalivejapan.org/

所在地 東京都
助成額 138万円

(団体について)
 当団体は、スポーツを通じて長期療養中のこどもの自立支援をはじめ、こどもたちの長い療養生活を支え、応援する存在を社会に創出するTEAMMATES事業を病院の中、地域社会の中で展開しています。

(助成による活動と成果)
 2年目の助成では、長期療養児とそのきょうだい、友人がともに楽しめるスポーツ・レクレーションプログラムを年間で2回開催、計59名に活動を提供しました。2年間の活動を合わせると、スポーツ・レクレーションプログラムを4回開催、計82名の長期療養中のこども達とそのきょうだい、友人に活動を提供することができました。
 参加者は小児がんで通院治療中のお子さんをはじめ、補装具を日常的に必要なお子さん、また腎臓疾患や重度の障がいがある等、様々な身体条件のこどもたちが参加しました。2年目では、参加者の半数がリピーターであり、また残りの半数は新規の参加者でした。多くの参加者は、特別支援学校で案内・配布されたチラシを見ての参加、またリピーターの口コミで活動を知り、参加に至りました。また活動動画の制作により、活動が可視化され、参加者の増加にも繋がったと考えます。過去の開催では約5〜10名程度のプログラムでしたが、今年度は40名規模、合計9種目のスポーツを提供するプログラムが開催できました。参加したこどもたちからは「いろんなスポーツを体験できて楽しかった」という声を頂いたり、保護者からも「なかなか体を動かす機会が普段ないのでこういったところで皆と一緒に参加できてよかったです」と、活動への高評価もいただきました。
 また昨年に続き、長期療養中のこども向けのスポーツ・レクレーションプログラムを企画・運営する人財育成を目的に、初級講座の開発と研修を実施しました。昨年同様20名程、新規で初級講座を受講し、昨年と合わせて42名が受講しました。また今年度は新たに疾患別・身体条件別のプログラム支援と運営できる人財を育成する中級講座を開発しました。内容としては、疾患別・身体条件別のレクレーション活動の意義と注意・配慮事項、個々のニーズに合わせた活動計画に必要なアクティビティ分析とタスク分析、そして活動を進行していくファシリティーション・コミュニケーションスキルに関する内容で構成されています。

(残された課題、新たな課題)
 今年度はスポーツプログラムの開催を3回予定していましたが、新型コロナウィルス感染症の流行と拡大に伴い、参加者の安全を考慮し中止に至りました。また人財育成プログラムの中級講座を開発しましたが、こちらも感染症の流行に伴い、開講まで至りませんでした。収束後は、当団体が実施するスポーツプログラムの開催に際しては、感染症への対策と対応を検討していく必要があると考えています。
 また人財研修のプログラムでは1年目に初級講座を開発し、今年度も継続的に年間3回実施できました。しかし研修と現場実践2回が修了要件となっていますが、年間2回しかスポーツプログラムを実現できていないため、活動現場の回数が少なく、現場の経験をする前にボランティア活動を辞退するケースもありました。そのため昨年末より、ボランティアの参加モチベーションの維持を目的に、月1回の定期的なミーティングを実施しています。ミーティングでは活動改善を目的としたディスカッションや次回の活動に向けた企画・運営計画を行っており、スタッフのリーダーシップやチームワークの向上にも繋がっています。

(活動の背景・社会的課題)(団体からのメッセージ)
 小児がんをはじめ、長期的に治療・療養を必要とするこどもたちが全国に約25万人います。医学が進歩し助かる命が増えた一方、学校や地域で日常生活を送りながら、継続的に通院治療や長期療養を必要とするこどもたちと支えるご家族が増えています。長期療養生活は、こどもの体力低下、ストレス増加、自信の低下、友人との関係構築の難しさ等、こどもの身体面のみならず、精神面や社会面の発達にも影響を与えます。新型コロナウィルス感染症の流行に伴い、療養生活の支えとなる「人」「社会」との接点が極力限られており、今後長期的していくことが予測されます。長期療養を必要としながらも、成長発達していくこどもが増える現状に対し、療養中の身体面、精神面、社会面の自立を支援することは重要です。また長期療養児とそのご家族を支えるコミュニティづくりも、今後重要となっていきます。
 スポーツには人と人を結びつける力があり、応援し応援される関係を構築することができます。またこどもたちが身体面、精神面、社会面の成長を促すこともできます。日本ではまだ長期療養児等、身体制限のあるこどもが参加できるスポーツ・レクレーション活動が少ない現状があります。長期療養児向けのスポーツ・レクレーション活動の展開、そして人財育成することで長期療養児の自立支援をはじめ、長期療養児とその家族を支える人の存在、そしてコミュニティをつくっていくことに繋がります。
 今後も、継続的に長期療養中のこども向けのスポーツ・レクレーション活動の企画・開催実績を積み重ねることで、長期療養児とそのご家族を支える人の存在を社会に創出する事業モデルを構築し、そして全国展開を目指していきたいと考えています。

》》》 印刷用PDF



 
助成番号  18-2-2

在宅療養中の医療的ケア児およびその家族の交流事業と情報発信活動(2)


団体名 特定非営利活動法人かけはしねっと
http://kakehashinet.jp/

所在地 茨城県
助成額 94万円

(団体について)
 私たちは、医療的ケアを必要とする子どもを育てる親の会です。医療的ケアとは、病院以外の場所で家族などが行う、生きていく上で必要な医療的援助のことで、たんの吸引や経管栄養、導尿、人工呼吸器の管理等があります。主に茨城県における医療的ケア児の健やかな成長のため、会員相互が研鑽・協力し、療養生活一般に関する情報の交換・連絡を図ることを目的として2016年に設立しました。楽しいイベントの開催や、個々では難しい自治体への要望などを通じて、医療的ケアのある子どもとその家族の暮らしを充実させていきたい。そんな思いをもつ親たちが集まって活動しています。

(助成による活動と成果)
 家族同士のつながりづくりのための交流会と、会の存在や医療的ケア児のことを広く知ってもらうための情報発信、講演会等の企画に加え、今回の助成では家族向けの冊子を制作、発行しました。
 交流会は計3回開催し、延べ25組50名の方に参加いただきました。2020年3月以降は新型コロナウイルス感染症の影響によりオンラインで開催しました。ビデオ会議ツールに戸惑いながらも、つながりを心強いと感じてくださる方も少なくなく、対面での交流にこだわらず継続していくことが大切だと感じています。
 家族向けの冊子制作では、NICUから医療的ケアを必要とする状態で退院するお子さんと家族を想定して「医療的ケアと一緒におうちへ帰るママやパパ、そして子どもたちへ」を発行しました。自分たちの経験や思いが形になり、当事者家族にとって必要な情報を体系化することができました。告知するにあたり、茨城県保健福祉部障害福祉課や県内急性期医療機関、市町村保健師協議会、訪問看護ステーション協議会等、多くの機関に協力いただきました。支援者にも役立つツールを提供できたことに加え、これまでの情報発信・啓発活動が着実に実を結んでいることを感じました。

(残された課題、新たな課題)
 医療的ケア児は年々増えていますので引き続き、新たな当事者の発掘と各機関での支援が継続的に行われるよう体制整備に取り組みます。茨城県内において支援・サービスに地域差が生じていますので、解消に向けた取り組みや行政等への働きかけも必要とされており、これまでの活動で広げることができた県内医療機関・行政とのネットワークをさらに強化していきたいと思っています。
 また、新型コロナウイルス感染症による生活への影響は今後も続くと考えています。経済活動が再開し活発になる一方で、重症化リスクの高い医療的ケア児とその家族は引き続き、行動の制約が予想されます。どのような形であってもつながりづくりの機会を提供することの必要性を強く感じましたので、活動の在り方を検討しながら、当会の当初からの目的である医療的ケア児と家族の孤独感解消に向けた取り組みを、継続して行っていきたいと思います。

(活動の背景・社会的課題)(団体からのメッセージ)
 小児医療が急速に進んだ昨今、日本は2万人を超える子供たちが医療的ケアを必要とする時代になりました。急激に進歩した新生児・小児医療によって助けられた命は、その後、多くの子どもが在宅ケアへと移っていきますが、その受け皿となるはずの行政サポートや地域医療、店舗・施設のバリアフリー化、家族へのサポートなど、医療的ケア児の在宅療養を支援する体制には遅れが生じています。そうした背景から、医療的ケア児を育てる家族は孤立感を感じたり、引きこもりがちになったりして、地域から取り残されてしまうといった問題も出てきています。
 そこで私たちは、そんな医療的ケア児を育てる家族のための交流イベント開催や、在宅ケアに有用な情報の共有などができればいいな、と考えました。「かけはしねっと」は、医療的ケアを必要とする子どもの親が立ち上げた会です。自分たちが「こんなイベントあったらいいな」「こんな情報が知りたいな」と思ったことを実現・発信・共有することで、自分たちと同じような立場の方々に、「独りぼっちじゃないよ」と語りかけられる会でありたいと思っています。また、当事者家族だけでなく、医療的ケア児を取り巻く地域の方々にも私たちを知っていただくことで、医療的ケアのある生活をもっと開かれたものにしたいとも思っています。

》》》 印刷用PDF



 
助成番号  18-1-1

医療的ケア児を在宅介護している母親と家族の生活支援と交流プロジェクト〜ケアマミマルシェ〜


団体名 特定非営利活動法人 ソルウェイズ
http://solways.or.jp/

所在地 北海道
助成額 170万円

(団体について)
 重い障がいや医療的ケアのある子どもが、地域でいつまでも生活するには社会的な制度や施設ともに著しく少ない状況にあります。特にケアを一身に担う母親の精神的、肉体的負担は大きく、また家族全体も疲弊しており、休息を取ることが急務な状況です。そのためにも日常の負担軽減や休息、家族の社会参画には、まず子どもを預かってもらえる施設ができることが必要と考え、当団体は施設開設、運営を行っています。
  又、家族との交流を通して、何が子どもたちや家族に必要なのかを考え、施設開設や、交流イベント、新しい社会資源への取り組みを行っています。

(助成による活動と成果)
 今回の助成金で実施したケアマミマルシェで、様々な交流の機会を提供できました。一つ目は、家族間の交流です。重度の障がいの子を持つ親同士が集まったことで、お互いに情報の共有が図ることができました。また同じ境遇のなか、悩み、喜び、苦しみ等も分かち合ったことで、家族への精神的な支援につながったと思います。参加した親からも継続して参加したいとの声を頂きました。
  2つ目は、地域との交流です。関係者や病院職員、地域住民、学生等と一緒にケアマミマルシェのイベントを行ったことで、地域で生活している重い障がいや医療的ケアのある子どもの状況や家族の思い等を知ってもらえる機会になったと考えます。 今後も、多様な人たちを巻き込みながら、ケアマミマルシェを継続して実施していきたいと考えています。

  スヌーズレンルームの活用も非常に好評で、家族やきょうだい児も楽しめる場となりました。又、スヌーズレンとは何か、どのように活用したらよいかなど、ご家族等にも体感してもらう良い機会となりました。これをきっかけとして、様々な場所に出張スヌーズレンルームを実施していきたいと考えています。

  新型コロナウイルス感染症の影響を受け、3回目のケアマミマルシェを開催することができませんでした。その代替イベントとして、モアナ動物園を開設し、外に行けない子供達やその家族に、手作りの動物園に個別にきてもらい、楽しんでもらいました。 個別なので数回に分けて実施しましたが、重い障がいや医療的ケアのある子ども達やその家族の笑顔を見ることができました。コロナ禍の中で実施できたことは、コロナ対策などの情報も含めて共有する場になり、とても意義のあるイベントであったと考えております。

  活動を通して、家族支援の在り方をあらためてスタッフが認識することが出来ました。組織のミッションでも家族支援を掲げていますが、家族や地域の様々な方を巻き込みながら家族支援を実施していかなければ、地域で生きることへの手助けにはならいという意識が芽生えたようです。このようにスタッフの意欲向上にもつながったことは、団体にとっても大きな成果だったと思います。

(残された課題、新たな課題)
@地域への普及啓発)
 重い障害や医療的ケアのある子ども達およびその家族が地域生活をおくっていることを 地域に理解してもらう必要があると考えています。様々なイベントの実施や出かけられる場所を地域に増やしていくことで、地域での理解を広げていきたいと思います。

A家族会の設立
  家族会は様々ありますが、子ども同士の年齢が近い家族会の設立が必要と考えました。現在の制度や状況等を踏まえ、子ども達の成長に合わせて悩みを共有し、子ども達と一緒に成長していく新たな家族会を設立していこうと考えています。

B定期的な勉強会開催
  家族間で定期的な勉強会を開催していきたいと考えます。制度や地域の現状についてなど、様々な課題に対応できるよう、家族とともに勉強していける機会をつくっていきたいと考えています。

(活動の背景・社会的課題)(団体からのメッセージ)
 重い障がいや医療的ケアのある子共たちが地域でいつまでも生活するには、様々な課題があります。 重い障がいや医療的ケアのある子供たちも高度な医療や様々な福祉の制度等を利用することで、少しずつではありますが、在宅生活をおくれようになってきています。また制度も少しずつではありますが、前に進んでいます。
  しかし18歳を過ぎ、学校を卒業した後の制度は、まだまだ不十分です。18歳を過ぎると、通うことができていた放課後等デイサービスから、生活介護に移行しますが、重い障がいや医療的ケアのある人に特化した生活介護は制度的になく、他の障がいの人たちが通う生活介護と一緒になります。その為、看護師配置が常時されていない、もしくは非常に少ないため、重い障がいや医療的ケアのある子どもに対応できるところがほとんどありません。又、一人暮らしができるようなグループホームもほとんどないのが実情です。
  学校卒業後、18歳(成人)になった後も在宅生活ができる様に、制度や地域の受け皿づくりなど様々なことを変えていく取り組みをしていかなければならないと考えています。

》》》 印刷用PDF





*Copyright (c) 2003 Civil Society Initiative Fund All rights reserved.