第2回

助成件数 5件
助成総額 607万円

プロジェクト名 団体名 代表者 所在地 助成額
◆ 継続助成
小児病棟の付き添い家族に温かい食事を届け、心も支える「ミール de スマイリング」事業 普及プロジェクト 特定非営利活動法人 キープ・ママ・スマイリング 光原 ゆき 東京
1,720,000
医療的ケア児家族をつなぐスタッフ育成プログラムの実施とリーダー研修の開発 特定非営利活動法人 アンリーシュ 金澤 裕香 東京
1,470,000
入院・療養中の子ども達にICTを使って音楽を届ける活動 特定非営利活動法人 OnPal 真隅 潔 福岡
1,470,000
◆ 新規助成
病気と闘う子ども達とサバイバーが繋がるメタバース語り場づくり 特定非営利活動法人 プロジェクトサンタ 矢野 舞 兵庫
910,000
入院中・長期療養中のこどもたち・そのきょうだい家族を支援するネットワーク「小児病棟わくわく応援団」の立ち上げ 小児病棟わくわく応援団 熊谷 恵利子 大阪
500,000
助成件数 5件: 助成額合計
6,070,000


第1回

助成件数 2件
助成総額 245万円

プロジェクト名 団体名 代表者 所在地 助成額
◆ 新規助成
病気があっても主役になれる子ども育成プロジェクト〜みんなでやってみよう!スポーツ、料理、音楽etc.心に寄り添う居場所づくり〜 認定特定非営利活動法人
心臓病の子どもを守る京都父母の会
江原 郁子 京都
790,000
メタバース空間を活用した病気や障害のある子どものコミュニティづくりと子どものQOLサポート役割マップの制作 一般社団法人 チャーミングケア 石嶋 瑞穂 大阪
1,660,000
助成件数 2件: 助成額合計
2,450,000







第2回

[継続助成]
 
助成番号  23-2-1
プロジェクト名 小児病棟の付き添い家族に温かい食事を届け、心も支える「ミール deスマイリング」事業 普及プロジェクト
団体名 特定非営利活動法人 キープ・ママ・スマイリング
団体所在地 東京都
代表者名 光原 ゆき
設立年 2014年
URL https://momsmile.jp/
助成額 172万円

 入院している子どもに付き添う家族(主に母親)は、忙しい看護師に代わって、食事介助やおむつ交換、また服薬などを行うが、24時間緊張が続いている。その状況のなか付き添い者自身の睡眠場所は添い寝か簡易ベッドになるが、夜中の頻回の見回りや電子音などで起こされ、睡眠不足になりやすい。また病院の食事も用意されていないため、子どもの食べ残しか、コンビニや売店のおにぎりや菓子パンなどで済ませざるを得ないため、栄養不足にもなっている。また経済的な不安から食事を減らす親もいる。そのため体調を崩す母親も多いが、支援やサポート体制は整っていないことは大きな課題となっている。
 この団体は、入院中の子どもに付き添う家族の心身の健康を守るために、手作りの温かい食事やお弁当、独自に開発したレトルト食(缶詰)などを届ける食支援に取り組んでいる。また付き添い家族のおかれている現状を調査・把握し、支援体制の充実を目指した提言や啓発活動にも力を入れている。
 前回の助成では、これまで団体が培ってきたノウハウによる複数の事業パターンで食支援のパイロット事業を全6か所で取り組んだ。事業を通して継続的に食事を提供する仕組みにつながったケースもあったが、当初想定していた以上に医療機関に食事を届けることの難しさも明らかとなった。
 今回の助成では、パイロット事業でつながりができた団体を中心に食支援の連絡会を立ち上げ、各団体が実践を通して得た運営ノウハウの共有や課題解決に向けて話し合う機会を設ける。また新たに食支援に取り組む団体に対して活動サポートも行い、共に活動する団体の裾野を拡げていく。さらに医療機関における食支援に関する意識・実態調査を行い、その結果を医療機関への働きかけに役立たせるとともに、理解促進につなげていく。
 本助成を通じて、多様な食支援の方法を仕組みとして構築できるよう、丁寧に検討しながら取り組んで欲しい。そして先駆的に食支援に取り組む団体としての信頼を獲得しながら、活動を展開していくことを期待したい。



 
助成番号  23-2-2
プロジェクト名 医療的ケア児家族をつなぐスタッフ育成プログラムの実施とリーダー研修の開発
団体名 特定非営利活動法人 アンリーシュ
団体所在地 東京都
代表者名 金澤 裕香
設立年 2018年
URL https://unleash.or.jp/
助成額 147万円

 医療的ケア児支援法が2021年9月より施行されたことにより、医療的ケア児に対する支援は整いつつある。しかし医療的ケア児を育てている親にとって、本当に必要としている情報や支援は行き届いておらず、未だに孤独感やストレスを感じながら生活をしている。また子どものケアに対応するために仕事を辞める親(特に母親)も多く、社会からの疎外感や収入面で不安を抱えている人も多い。
 この団体は、医療的ケア児とその家族の孤独感の解消と、必要とされる支援情報を届けることを目的に、YouTubeやインスタグラムを活用した情報発信と、企業研修や地域にむけた啓発活動に取り組んでいる。
 前回の助成では、当事者家族が団体の活動に参加するための知識とスキルを身につけるボランティア講座(基礎・実践)を開発し、実施した。受講生は団体の理念や医療的ケア児家族の抱えている現状を学ぶとともに、インスタグラムを中心としたSNSを投稿するなど団体の活動に積極的に関わっている。また実践講座の修了生を対象とした認定式を対面で開催したことで、当事者家族同士、さらに寄付者や団体関係者との交流も育まれた。
 今回の助成では、当事者家族がボランティアではなく、スタッフとして継続的に団体の活動に関わってもらうことを要件に、ボランティア育成からスタッフ育成へと講座の名称をあらためて募集・実施する。さらに基礎と実践の受講を終えた人を対象に、リーダーとして関わってもらうよう、スキルアップを目的とした講座を開発する。
 本助成を通じて、スタッフの育成が仕組みとして団体内に構築され、組織体制の強化につながるよう取り組んで欲しい。また受講生である当事者家族がゆるやかに交流することで、互いに支え合う関係性が育まれることを期待し、助成する。



 
助成番号  23-2-3
プロジェクト名 入院・療養中のこども達にICTを使って音楽を届ける活動
団体名 特定非営利活動法人 OnPal
団体所在地 福岡県
代表者名 真隅 潔
設立年 2013年
URL https://onpal.org/
助成額 147万円

 入院している子どもたちが通う院内学級は、1〜2名の教員がすべての学年と科目を受け持っている状況にある。特に体験によって楽しさを学ぶ音楽や美術、工作などは専門の知識が必要になるため、苦労している教員も多い。またコロナ禍によりボランティア訪問やイベントがなくなったことで、子どもたちが芸術に触れるきっかけは大幅に減少している。入院している時だからこそ、子どもの感性に触れる機会を提供し、心の豊かさを育むことが求められている。
 この団体は、主に九州の病院を中心に、プロの音楽家が入院中の子どもたちに「音楽授業」や「コンサート」を通して、生の演奏を届ける活動を行っている。また直接訪問が制限されたコロナ禍ではYouTubeやオンラインを活用しながら、音楽を届けている。
 前回の助成では、院内学級がある病院に対して、音楽授業の状況やニーズ、団体の動画配信「おんぱるチャンネル」に対する意見を調査するためにアンケートを実施した。調査結果から音楽の動画配信に「関心がある」と回答した院内学級も多く、今後の展開につながるきっかけを得ることができた。
 今回の助成では、アンケート調査の結果を踏まえ、「おんぱるチャンネル」のブラッシュアップとニーズに合わせた作品を制作する。また新たにつながりが生まれた病院とオンラインで双方向の音楽授業やコンサートのライブ配信を試みる。さらにホームページと団体紹介パンフレットをリニューアルし、活動内容の情報発信と支援者の獲得を目指していく。
 本助成を通じて、全国の院内学級とのネットワークをゆるやかに紡ぎながら、多くの子どもたちがワクワクする音楽授業を届けて欲しい。そしてICTを活用した双方向の音楽授業のノウハウが団体内で蓄積され、支援の充実につながることを期待したい。




[新規助成]
 
助成番号  23-1-3
プロジェクト名 病気と闘う子ども達とサバイバーが繋がるメタバース語り場づくり
団体名 特定非営利活動法人 プロジェクトサンタ
団体所在地 兵庫県
代表者名 矢野 舞
設立年 2017年
URL https://p-santa.org/
助成額 91万円

 病院に入院している子どもと家族は治療が優先となるため、入院生活に関わる細かな悩み事については、日々多忙な医療者に相談することを躊躇し、一人で抱え込んでしまうことも多い。また退院後もケアや何らかの制限も生じる生活を送る中で、ちょっと気になることや不安があっても気軽に相談できる人や場がない。当事者にとっての悩みを解決し、安心感を得られる一番の相談者は同じ経験をしているサバイバーであるが、両者が出会う機会はほとんどない状況である。
 この団体は、病気と闘う子どもたちが毎日の治療の励みにつながるよう、院内にガチャガチャを提供する「ガチャガチャプロジェクト」、また運営資金調達のための「ギフトボックスプロジェクト」や「イベント開催」などに取り組み、誰もが気負うことなくチャリティに参加できる社会になることを目指して、活動を展開している。
 今回の助成では、長期療養している子どもや家族が病気自体の不安、また退院後の生活等についてサバイバーに相談し、具体的な体験談を聞くことができるメタバースでの語り場の開設を試みる。なお開設に向けては医療関係者の協力によってニーズを丁寧に調査し、当事者が参加しやすい「語り場」の形式を検討していく。
 本助成を通じて、長期療養している子どもと家族がサバイバーと語りあえる機会を提供することで、孤立しがちな状況から一歩踏み出すきっかけになって欲しい。そして活動を継続していくなかで、当事者であった子どもや家族が次はサバイバーとして、場の運営に関われるような仕組みになることを期待し、助成する。



 
助成番号  23-1-4
プロジェクト名 入院中・長期療養中のこどもたち・そのきょうだい家族を支援するネットワーク「小児病棟わくわく応援団」の立ち上げ
団体名 小児病棟わくわく応援団
団体所在地 大阪府
代表者名 熊谷 恵利子
設立年 2023年
URL https://www.cliniclowns.jp/04_wakuwaku.html
助成額 50万円

 コロナ禍における病院への訪問制限により、様々な支援団体が試行錯誤しながらもオンラインプログラムなどを新たに開発し、支援を届けてきた。しかし支援を必要としている人たちに万遍なく情報を届けるには工夫が必要であり、病院も外部の支援情報とつながるきっかけがない状況も明らかになってきた。
 この団体は、長期療養のこどもと家族を支援している6団体が発起人となっているネットワーク組織である。各団体の支援情報を集約し、こどもたちや家族、小児病棟のスタッフに届けることで、全国の小児病棟の療養環境を支えていくことを目指し、活動に取り組んでいる。
 今回の助成では、立ち上がったネットワークが持続的な組織になることを目指し、体制や会則、資金調達方法等について検討を重ね、基盤を整えていく。そしてネットワーク参加団体の活動内容を集約したチラシを作成し、各団体の主催事業や学会などで情報発信を行っていく。また対面の共同イベントも開催し、来場者に活動を紹介するとともに交流できる機会を提供する。
 本助成を通じて、ネットワーク組織としての強みを活かしながら、長期療養のこどもと家族の置かれている状況を社会に伝え、理解者や支援者の輪を広げていって欲しい。またゆくゆくは病院に限らず地域で療養しているこどもと家族を支援している団体も加わることで重層的な支援につなげていくことを期待し、助成する。




第1回

[新規助成]
 
助成番号  23-1-1
プロジェクト名 病気があっても主役になれる子ども育成プロジェクト〜みんなでやってみよう!スポーツ、料理、音楽etc.心に寄り添う居場所づくり〜
団体名 認定特定非営利活動法人
心臓病の子どもを守る京都父母の会
団体所在地 京都府
代表者名 江原 郁子
設立年 1965年
URL https://www.npopandaheart.com/
助成額 79万円

 心臓病など内蔵疾患を抱えている子どもは、退院後は一見、日常生活が送れているように見えるため、運動や勉強が健常児よりも苦手であったりすることが理解されにくい。また思春期を迎える頃は、学校行事や部活、進路、友人関係など様々な不安や悩みが生じるが、親や先生には相談しづらく、一人で抱え込んでいることも多い。
 この団体は、心臓病などの病気を抱えた子どもたちや健常児も含む未就学児に、週2回の親子通園型保育の場「パンダ園」を運営している。またきょうだいを対象としたイベント開催や就学相談など病児家族の悩みに寄り添う支援事業にも取り組んでいる。
 今回の助成では、パンダ園を卒園した思春期の子どもたちを対象に、病気療養のため出来なかったスポーツや料理、音楽など様々なことにチャレンジできる体験の機会を提供しながら、同じ境遇の仲間と出会い、語り合える居場所づくりを目指す。また体験の場には大学生や社会人となった卒園生が講師やボランティアで参加することで、子どもたちが未来に希望をもち、ゆるやかに縦のつながりを育む機会にしていく。
 本助成を通じて、思春期の子どもたちが自分らしく過ごせるような居場所を、継続的に運営できるよう資金調達も含め、理解者や支援者の輪を拡げながら取り組んで欲しい。また活動を通して病気の子どもたちや家族が抱えている課題を発信し、地域で支える支援につなげていくことを期待したい。



 
助成番号  23-1-2
プロジェクト名 メタバース空間を活用した病気や障害のある子どものコミュニティづくりと子どものQOLサポート役割マップの制作
団体名 一般社団法人 チャーミングケア
団体所在地 大阪府
代表者名 石嶋 瑞穂
設立年 2018年
URL https://charmingcare.jp/
助成額 166万円

 小児がん治療や医療的ケアは進んでいるが、病気による子どもの見た目ケア(アピアランスケア)に関しては、公的な財源がほとんどなく、また支援の必要性も知られていない。大人が考えている以上に子どもたちは見た目(浮腫み、脱毛、傷跡、医療的機器の装着など)を気にしているが、医療者も親も治療に目が向き、サポートが行き届いていない現状がある。
 この団体は、病気や障がいを抱える子どもやその家族が必要としているケアを届けるために、「まなぶ」「はたらく」「かう」「しる」「おうえんする」の5つで構成されたポータルサイトを運営している。また医療的ケアグッズを扱うECマーケットプレイスの運営や研修事業なども取り組んでいる。
 今回の助成では、病気の子どもたちが、見た目を気にすることなく自由に参加できるメタバース空間を活用しながら、イベントやゲーム、お話会などを通じて交流を深める居場所づくりに取り組む。また医療的ケアグッズを商業施設などで販売する場に子どもたちに主体的に関わってもらいながら、オフラインで交流できる機会を提供する。さらに子どものQOLに関するニーズを調査し、病院や学校、日常生活など、それぞれのシーンに応じた支援者のサポートマップを制作する。
 本助成を通じて、メタバース空間が子どもの支援に活用できる新たな手法となるよう、効果を明らかにしながら取り組んで欲しい。また子どものアピアランスケアにおける課題やニーズを可視化していくことは先駆性が高いため、持続的な活動となるよう組織体制の強化に努めながら展開していくことを期待したい。







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