(1)助成事業
● ファイザープログラム(テーマ:心とからだのヘルスケアに関する市民活動支援)
このプログラムは、“健やかな明日・健やかなコミュニティ”づくりを目指し、ファイザー株式会社が主催し、市民社会創造ファンドが受託事業として企画協力する、全国を対象とした公募型の助成である。
1. 2002年公募助成のとりまとめ
本助成対象の27件(新規助成15件、継続助成12件)については、助成期間終了(2003年12月31日)後、延期願いが出された2件を除く25件について、2004年2月末日までに完了報告を受け、延期の2件についても6月までに完了報告を受けた。
2. 2003年公募助成の実施
本助成については、応募のあった326件(新規助成 304件、継続助成22件)に対する選考結果にもとづき、委員長決裁およびファイザー株式会社の社内手続きを経て、以下の通り助成対象を決定した。
@選 考 :選考委員会
・新規助成 2003年8月29日
・継続助成 2003年10月3日、4日
A助成対象:26件、5,511万円(内、米国ファイザー財団より23万ドルが提供された)
内訳は、新規助成 13件、2,910万円、継続助成 13件、2,601万円
B助成期間:2004年1月1日〜12月31日(1年間)
3. 2004年公募助成について
今回で5回目となることを踏まえ、過去4年の実績にもとづいて助成内容や運営方法、選考体制等につき、ファイザー株式会社と共に見直し・検討を行った結果、以下の通り実施中である。
なお、今回の助成より、これまでの人件費率(応募金額の30%以内)および事務局諸経費率(応募金額の20%以内)を撤廃し、人件費または事務局諸経費のみでの応募も可能とした(人件費は上限120万円まで、事務局諸経費は上限60万円まで)。また、告知先についても、最近の応募状況を考慮し、医療専門機関やネットワーク組織および中間支援組織などを新たに追加した。
9月30日現在、公募を締め切り、選考段階にある。助成対象の決定は本年11月上旬を予定している。
@公募期間: ・新規助成 2004年6月1日〜6月28日 ・継続助成 2004年8月16日〜8月30日
A応募総数:361件(新規助成=339件、継続助成=22件)
B選 考:選考委員会 ・新規助成 2004年8月25日 ・継続助成 2004年10月3日、4日 C助成予定額:6,000万円(この内、米国ファイザー財団より27万ドルが提供される)
・新規助成 3,000万円 ・継続助成 3,000万円 D助成期間:2005年1月1日〜12月31日(1年間)
● Microsoft (giving) NPO支援プログラム(テーマ:情報がつむぐ“人のきずな”) このプログラムは、ITの活用によって人と人をつなぐ市民活動を支援することをねらいとして、マイクロソフト株式会社からの指定寄付をもとに2002年は日本NPOセンターが、2003年は市民社会創造ファンドが実施した、全国を対象とした公募型の助成である。
1.2003年公募助成の実施
本助成(2003年11月にMicrosoft NPO支援プログラムに名称変更)については、応募のあった163件に対する選考結果にもとづき、委員長決裁とマイクロソフト株式会社の社内手続きを経て、以下の通り助成対象を決定した。
@選 考:選考委員会 2003年10月24日
A助成対象:8件 2,000万円
B助成期間:2004年1月1日〜12月31日(1年間)
助成開始に際し、マイクロソフト株式会社の社員ボランティアにより「マイクロソフトITサポート懇談会」(2004年2月14日)が開催され、助成対象団体と主催者側の交流が図られた。
なお、2004年3月に助成対象団体のうち1団体が、有限会社化により助成を辞退し、それに伴いファンドは250万円の助成金をマイクロソフト株式会社に返還した。
さらに、同年3月、助成対象団体のうち1団体に計画変更が発生し、協議の上、助成を中断、その後に計画の修正が行われ、2004年9月に計画の縮小変更扱いで助成を再開した。この変更に伴い助成金が減額となり、当初助成金200万円のうち100万円が当ファンドに返還され、ファンドは9月末日までに、マイクロソフト株式会社に対して同助成金を返還した。
2004年7月末には(上記の2団体を除く6団体からの)中間報告書の提出を受けた。
2.2004年公募助成について
2004年については、ファンドとしては契約を更新せず、マイクロソフト株式会社が独自に行うことになり、運営委員長の山岡が選考委員として協力した。
● 中央ろうきん助成プログラム(テーマ:個性が輝く“ひと・まち・くらし”づくり)
このプログラムは、個性が輝く「ひと」を育て、「まち」をつくり、「くらし」を実現する市民活動を支援することをねらいに、中央労働金庫が主催し、2002年より市民社会創造ファンドが受託事業として企画協力している、関東地域1都7県を対象とした公募型の助成である。
1.2002年公募助成のとりまとめ
本助成対象の18件(第1種助成14件、第2種助成4件)については、2003年10月末までに中間報告を、また、助成期間終了(2004年3月31日)後、2004年5月末日までに完了報告を受けた。なお、第1種助成14件すべてについて、中央ろうきん各地区担当者とファンド・スタッフが合同で現地インタビューを実施し、各プロジェクトの進捗状況の確認を行った。
2.2003年公募助成の実施
本助成については、応募のあった 261件(第1種・120件、第2種・141件)に対する選考結果にもとづき、委員長決裁と中央ろうきんの社内手続きを経て、以下の通り助成対象を決定した。
@公募期間:2003年11月1日〜12月10日
A選 考:選考委員会 2004年2月13日
B助成対象:28件、1,115万円(内訳は以下の通り)
・第1種助成(上限30万円) [新規]418万円(14件) [継続]297万円(10件)
但し、助成決定後に、[新規]対象1団体より、助成辞退の申し出があった。
・第2種助成(同100万円) 400万円(4件)
なお、この助成金には、『2002年度ろうきんサンクスポイント貯めCiao!』の「社会貢献コース」における預金者からの寄付金が含まれている。
C助成期間:2004年4月1日〜2005年3月31日(1年間)
上記の辞退1団体を除く助成対象27件(第1種助成23件、第2種助成4件)については、2004年10月末までに中間報告を、また、助成期間終了(2005年3月31日)後、2005年5月末日までに完了報告を受ける予定。
また、2004年4月〜5月にかけて、千葉・埼玉の地区本部事務所において、中央ろうきん主催による「パートナーシップ懇談会」を開催し、2003年および2002年の助成団体、マスコミ、関係者の参加のもと、贈呈式と情報交換を実施した。
3.2004年公募助成について
これまでの経験や反省を踏まえ、次年度の実施に向けて、助成内容や運営方法、選考体制等につき、中央労働金庫と共に見直し・検討を行っている。
● <新規プログラム>フィリップ モリス ジャパン 市民活動〜住民活動助成(テーマ:生きる場としてのコミュニティづくり)
このプログラムは、「地域」に暮らす人たちが、共に安心して生活を送れるようなコミュニティづくりを支援することを目的に、フィリップ モリス ジャパン株式が主催し、市民社会創造ファンドが受託事業として企画協力する、全国を対象とした公募型の助成である。
当プログラムについては、2003年10月末にフィリップ モリス ジャパン株式会社からの申し出を受け、助成プログラムの開発(2003年12月から2004年3月)を行い、実施した。
応募のあった367件(第1段階[準備助成]242件、第2段階[展開助成]125件)に対する選考結果にもとづき、委員長決裁とフィリップ モリス ジャパン株式会社の社内手続きを経て、以下の通り助成対象を決定した。
@公募期間:2004年4月12日〜5月24日
A選 考:選考委員会 2004年7月30日
B助成額 :3,148万円(内訳は以下の通り)
・第1段階(上限100万円):13件、 960万円
・第2段階(上限500万円): 5件、2,188万円
C助成期間:第1段階:2004年10月1日から2005年6月30日
第2段階:2004年10月1日から2006年9月30日
(2)インターンシップ事業
● SSCS(Small Schools for Civil Society)インターンシップ奨励プログラム
“NPOの現場を市民社会の小さな学校に”
このプログラムは、大学や大学院等で学ぶ若者が、自発的かつ意欲的にNPOでのインターン活動を年間を通じて行い、社会的な視野と志を持つ「市民社会人」として成長することを願って2002年度より開始した事業である。学業の傍ら、責任を持って継続的に1年間NPOの現場で活動するインターンを公募し、年間400時間を上限に奨励金を助成するもので、個人の寄付により、10年間にわたって実施する予定。
パイロット事業として実施した第1期(2003年7月〜2004年6月)のインターンについては、6名のうち1名が開始当初に活動を停止したが、他の5名については4団体で予定通り活動を行い、6月末をもって修了した。
第2期については以下の通り実施し、選考の結果、11名を決定し、7つの受け入れ団体での活動を開始している。また、これに先立ち、6月19日には、第1期インターンの修了式と併せ、「入校式」を東京にて行った。
@公募期間:2004年4月26日〜5月11日 A応募者数:26名 B選考終了:2004年6月10日
Cインターンと受け入れ団体: ・インターン=11名 ・受け入れ団体=7団体(以下参照) 特定非営利活動法人 行徳野鳥観察舎友の会(千葉) 特定非営利活動法人 ぱれっと(東京) *特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(東京) *特定非営利活動法人 自立支援センターふるさとの会(東京) *特定非営利活動法人 さいたまNPOセンター(埼玉) *特定非営利活動法人 せんだい・みやぎNPOセンター(宮城) 特定非営利活動法人 市民社会創造ファンド(東京)
(*は第2期からの新規受け入れ団体)
Dインターンシップの期間と活動時間:2004年6月21日から2005年6月20日までの1年間の中で300〜400時間(*11名のうち3名は、2005年3月で活動修了の予定)
なお、当初、受け入れ団体としては8団体を予定していたが、1団体(特定非営利活動法人 ケア・センターやわらぎ)については、期間内での応募がなかったため、公募を延期して実施したところ、1名の応募があり、選考(9月8日)の結果、インターンとして決定したが、本人の都合により辞退となった。
<運営委員会の開催>
SSCSプログラムの更なる充実・発展を目指して、SSCS運営委員会を設立した。運営委員会は年3回程度の開催を予定しており、第1回目の委員会を7月29日に開催した。委員会では、これまでの経緯を事務局より説明するとともに、プログラムのスキーム、広報、報告書作成などについて議論していただいた。
(3)NPO支援組織基盤強化事業
本件については、下記自主事業(第2回市民活動の「助成担当者」交流会)への参加者(市民活動を対象とした助成事業に携わるNPOスタッフ)2名の遠距離交通費を助成した。
また、特定非営利活動法人日本NPOセンターが実施する「NPO支援センター初任者研修会」(2004年6月11日〜12日、東京都内)へ参加する各地の民営の支援センタースタッフにつき、13名に対して、その遠距離交通費・宿泊費の半額相当分の助成を行った。
(4)自主事業
● 市民活動の助成担当者交流・研修会の開催
昨年に続き、第2回市民活動の「助成担当者」交流会を以下の通り実施した。
・日 時: 2004年5月14日(金) 13:00 〜 18:00
・場 所: 労働金庫会館 9F大会議室(東京都千代田区神田駿河台2-5)
・テーマ: “効果的な助成”に必要とされる「専門性」とは?
・参加者: 57団体、73名
なお、当交流会の企画・実施に際しては、種々の助成団体等の中堅スタッフ8名から成る実行委員会(当ファンドは事務局)を中心に行った。
● 市民活動の助成担当者連続研究会の実施
上記の第2回市民活動の「助成担当者」交流会の成果を踏まえ、専門的で継続して議論を行うことが重要と思われる事柄等につき、先の実行委員会にて検討し、研究会としての実現可能性を探る予定としていたが、新規業務の実施に追われ、本年度は実施できなかった。
(5)その他
@Webサイト(http://www.civilfund.org)は、2003年7月の開設以降、業務の進行に伴い、これまで16回の更新を行った。
ASSCS(Small Schools for Civil Society)インターンシップ奨励プログラムによる第1期インターン(1名)を2004年6月まで継続して受け入れ、修了した。
また、この経験を踏まえ、第2期のインターンにつき、応募のあった4名に対する選考を経て、1名を受け入れている。
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