事業報告
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一般会計報告
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特別会計報告
  収支計算書貸借対照表(PDF)


2008年度の事業を振り返って

 
法人化7年目にあたる2008年度(2008年10月〜2009年9月)には、ファンド事業に関わる大きな出来事が2つあった。
 一つは08年9月15日の米国に端を発した金融経済危機で、当ファンドのような社会貢献活動にとっては厳しい状況をもたらしつつある。しかし一つのプログラムで助成総額の減少があったものの、それぞれのプログラムが寄付者等の努力によって着実に展開できてきたことは、大変喜ばしい。関係者に感謝したい。
 もう一つは、110年続いた公益法人制度が抜本改革されて08年12月1日から新たな制度としてスタートしたことである。その影響は未だ見られないが、そのことがどのような意味をもつかについて考えさせられた1年であった。

 08年度の事業は、当初の事業計画で定めた方針に従って概ね順調に進めることができた。その中でも特徴的なこととして挙げられるのは、この4月から新たに2つの計画型の助成プログラムに取り組むことができたことであろう。
 一つは日系米国人からの個人寄付による助成プログラム(ハマダ基金プログラム)でテーマは「生活上の困難をもつ人々の救援」。まず第一歩として、この5月に設立されたばかりの全国的なホームレス支援団体のネットワーク組織に対して、今後の地方都市での入居保証プログラムの展開を目指す基礎的な調査に助成をすることができた。
 他の一つは武田薬品工業株式会社からの寄付の申し出から展開したプログラム(タケダ・ウェルビーイング・プログラム)で、「長期療養の子どもたちに“生きる力”を」のテーマのもとに実施するものである。関係者の意見を聞きながら各地の団体を訪ね、趣旨に相応しいと思われる助成先に打診をし、意見交換しながらいくつかの助成対象候補を絞り込むことができた。
 計画型の助成は独自に定めたテーマに適した団体をプログラムオフィサーが訪ね歩き、応募者との対話の中から助成プロジェクトを作りこんでいくもので、これまでファンドが取り組んできた公募型とは一味違う難しさと面白さがある。これまで公募型の助成で培ってきたプログラムオフィサーたちの力と人脈が十分に発揮できるのではないかと期待している。

 これまでの公募型の助成プログラムに関しては、フィリップ モリス ジャパンのプログラムが第3回の特別助成を実施して終了した。ファイザー、中央ろうきん、ダイワSRIファンド、パナソニック、花王のプログラムについては、それぞれの展開を試みながら順調に展開しつつある。
 また本年度からは、運営体制を強化した。新たに副運営委員長を置くこととして安藤雄太・渡辺元の両運営委員に副運営委員長をお願いし、運営委員長の私を含む3名でファンドの運営や事業展開の基本について論議し、上記の二つの計画型助成の選考と決定を担ってきた。この体制についてはまだ試行錯誤の段階であるが、今後さらに強化されて、今後の展望を切り開くことができればと願っている。
(運営委員長 山岡 義典)



1.総会の開催

◎ 2008年度通常総会
  日時:2008年12月11日
  <議題>
  ・2007年度事業報告および決算の承認
  ・2008年度事業計画および予算の承認
  

2.運営委員会(理事会)の開催

◎ 第22回運営委員会
  日時:2008年12月11日 (通常総会と同時開催)
  <議題>
  ・2007年度事業報告および決算の承認
  ・2008年度事業計画および予算案の承認

第23回運営委員会
  日時:2009年6月4日
  <議題>
  ・2008年度事業の経過報告
  ・事業および組織運営に関する意見交換

第24回運営委員会
  日時:2009年9月16日
  <議題>
  ・2008年度事業経過および決算見込みの報告
  ・2009年度暫定事業計画および暫定予算の承認


3.会員および寄付の拡大

ファンドの意義を積極的に広報し、賛助会員の獲得をめざす努力をしたが十分な成果を得ていない。
NPO支援組織の基盤強化事業の実施と充実に向け、個人、企業、財団等に呼びかけ、随時寄付や助成を募る方針であったが、実施できていない。


4.年次報告書の発行

2007年度事業報告・決算報告を、Webサイトにおいて公開した。




(1)助成事業

ファイザープログラム

 テーマ: 心とからだのヘルスケアに関する市民活動支援 <第1期>

心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援 <第2期>

*このプログラムは、ファイザー株式会社の助成事業を当ファンドが協力して行うものである。

1. <第1期>2008年継続助成のフォロー
 助成対象11件(助成2年目・1件、同3年目・10件)について、08年12月31日に助成期間が終了し、09年2月末日までに完了報告書の提出を受けるなど、プロジェクトのフォローを行った。

2. <第2期>2008年新規助成のフォロー
 助成対象15件について、08年12月31日に助成期間が終了し、09年2月末日までに完了報告書の提出を受けるなど、プロジェクトのフォローを行った。

3. <第2期>2009年新規助成の実施とフォロー
 公募・選考は前年に準じて実施し、08年11月下旬に、以下のとおり助成が決定した。09年1月1日より助成を開始し、09年7月末日までに中間報告書の提出を受けるなど、ファイザー株式会社と適宜相談しながら、プロジェクトのフォローを行った。今後、10年2月末日までに完了報告書の提出を受ける。なお、09年8月1日・2日に同社研修施設にて1泊の中間報告会を開催し、プロジェクトの進捗状況を報告いただくとともに、プロジェクトの実施において各団体が抱える課題について互いに学びあう交流の機会をもった。

1.応募総数: 183件
2.助成件数: 13件
3.助成総額: 2,966万円(1件あたりの上限300万円)
4.助成期間: 2009年1月1日〜12月31日(1年間)
5.選考体制: 以下のとおり。◎は選考委員長
  ◎山岡 義典 日本NPOセンター 代表理事
   大木 幸子 杏林大学 保健学部 教授
   沖倉 智美 大正大学 人間学部 准教授
   小野 純平 法政大学 現代福祉学部 教授
   田辺 功  医療ジャーナリスト・前朝日新聞編集委員
   永井 美佳 大阪ボランティア協会 事務局主幹
   松森 浩士 ファイザー株式会社 執行役員 経営企画統括部長

4. <第2期>2009年継続助成の実施とフォロー
 応募案内・選考は前年に準じて実施し、08年11月下旬に、以下のとおり助成が決定した。09年1月1日より助成を開始し、09年7月末日までに中間報告書の提出を受けるなど、プロジェクトのフォローを行った。今後、10年2月末日までに完了報告書の提出を受ける。

1.応募総数: 12件
2.助成件数: 10件
3.助成総額: 2,000万円(1件あたりの上限300万円)
4.助成期間: 2009年1月1日〜12月31日(1年間)
5.選考体制: 以下のとおり。◎は選考委員長
  ◎武井 秀夫 千葉大学 文学部 教授
   大木 幸子 杏林大学 保健学部 教授
   小野 純平 法政大学 現代福祉学部 教授
   田尻 佳史 日本NPOセンター 理事・事務局長
   安藤 雄太 東京ボランティア・市民活動センター 副所長
   松森 浩士 ファイザー株式会社 執行役員 経営企画統括部長


5. <第2期>2010年新規助成/継続助成の検討と実施
 09年助成の実施結果、ならびに、2010年の助成総額が4,000万円に減額したことを踏まえ、助成内容、運営方法、選考体制等についてファイザー社と共に検討・見直しを行い、新規助成は助成総額2,300万円・助成件数11件程度、継続助成は助成総額1,700万円・助成件数8件程度に設定した。また、選考体制は新規助成の選考委員長および選考委員1名と継続助成の選考委員2名をそれぞれ交代した。
 なお、公募・選考は前年に準じて実施し、新規助成は09年5月から公募を開始し、6月15日に締め切った(応募数238件)。7月から9月に予備審査および本審査を実施し、助成候補を選出。事務局による団体訪問インタビューを経て、12月に助成対象を決定する。
 また、継続助成は09年8月に募集案内をおこない、8月31日に締め切った(応募数18件)。9月から10月に本審査を実施し、助成候補を選出。12月に助成対象を決定する。



中央ろうきん助成プログラム
 
テーマ:個性が輝く“ひと・まち・くらし”づくり

*このプログラムは、中央労働金庫の助成事業を当ファンドが協力して行うものである。

1.2008年助成のフォロー
 助成対象41件(スタート助成:36件、ステップアップ助成:5件)については、08年6月1日より1年間の助成が始まり、12月20日までに中間報告書の提出、09年6月末日までに完了報告書の提出を受けるなど、中央労働金庫と適宜相談しながら、プロジェクトのフォローを行った。なお、スタート助成1年目の24件については、09年2月3日の中間報告会の企画・実施に協力し、プロジェクトの進捗状況を報告いただくとともに、団体同士の交流の機会をもった。

2.2009年助成の検討と実施
 公募・選考は前年に準じて実施し、09年4月中旬に、以下のとおり助成が決定した。今後、12月20日までに中間報告書の提出、10年5月末日までに完了報告書の提出を受ける。

1.応募総数: 382件
2.助成件数: 48件
 (スタート助成1年目:26件、同2年目:16件、同3年目:3件、
 ステップアップ助成:3件)
3.助成総額: 1,625万円
 (スタート助成1年目:779万円、同2年目:463万円、
 同3年目:83万円、ステップアップ助成:300万円)
4.助成期間: 2009年6月1日〜2010年5月31日(1年間)
5.選考体制: 以下のとおり。 ◎は選考委員長
◎谷口 奈保子 ぱれっと 理事/ぱれっとインターナショナル・ジャパン 代表
 鹿住 貴之  JUON(樹恩)NETWORK 事務局長
 高橋 均   労働者福祉中央協議会 事務局長
 永田 麻美  地域と人のドキュメンタリーサイト【いちぐう】 編集長
 横田 能洋  茨城NPOセンター・コモンズ 常務理事・事務局長
 山口 郁子  中央労働金庫総合企画部CSR企画 次長



フィリップ モリス ジャパン 市民活動〜住民活動助成
 
テーマ:生きる場としてのコミュニティづくり

*このプログラムは、フィリップモリスジャパン株式会社の助成事業を、当ファンドが協力して行うものである。

1.第1期「特別助成」のフォロー
 特別助成の1件(助成期間:07年2月1日〜10年1月末日までの3ヵ年)について、プロジェクトの進捗状況について確認する。

2.第2期「特別助成」のフォロー
 特別助成の1件(助成期間:08年1月1日〜12月31日までの1ヵ年)について、プロジェクトの成果について確認する。

3.第3期「展開助成」のフォローと「特別助成」の実施
 展開助成の対象7件について、08年9月30日に2ヶ年の助成期間が終了し、10月31日までに完了報告書の提出を受け、12月18日に展開助成の完了報告会を開催。助成対象団体、選考委員、事務局の参加のもと、各プロジェクトの成果および課題を確認するとともに、プロジェクトに関する情報交換やアドバイスを行った。
 特別助成の応募案内・選考は前年に準じて実施し、12月18日に応募プレゼンテーションおよび選考委員会を開催し、以下のとおり助成が決定した。

1.応募総数: 6件
2.助成件数: 1件
3.助成総額: 500万円
4.助成期間: 2009年1月1日〜12月31日(3年間)
5.選考体制: 以下のとおり。◎は選考委員長
◎播磨 靖夫  たんぽぽの家 理事長
 安藤 周治  ひろしまNPOセンター 代表理事
 桜井 陽子  横浜市男女共同参画推進協会 事業本部長
 萩原 なつ子 立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科 教授
 林  泰義  株式会社計画技術研究所 所長
 福原 ひとみ フィリップ モリス ジャパン株式会社
 山田 實   菜の花プロジェクトネットワーク 事務局長



「ダイワSRIファンド」助成プログラム
テーマ:“いのち”に取り組むNPOスタッフの育成

*このプログラムは、大和証券グループ3社(大和証券投資信託委託株式会社、大和証券株式会社、大和証券SMBC株式会社)の寄付および株式会社大和証券グループ本社の協力によって、当ファンドが実施しているものである。

1.2007年助成のフォロー
 2007年助成(新規4件、継続2件)は、08年3月末に当初の助成期間を終了したが、期間延長を行っていた2団体も、09年3月をもって助成を終了した。

2.2008年助成のフォロー
 2008年助成(新規3件、継続2件)は、全団体が当初予定の09年3月末に助成を終了した。この間適宜フォローを行い、08年11月には新規助成対象団体に中間インタビューを実施した。また、全団体から第3回、第4回のスタッフ育成レポート、完了報告書の提出を受けた。

3.2009年助成の実施とフォロー
 2009年助成(第4回)は前年に準じて実施し、公募は08年10月から開始し、11月20日に締め切った。09年1月に選考委員会を開催して、以下のとおり助成が決定し、助成開始後は適宜フォローを行った。

1.応募総数: 38件(新規助成35件、継続助成3件)
2.助成件数: 6件(新規助成4件、継続助成2件)
3.助成総額: 1,054万円(1件あたりの助成金の上限200万円)
4.助成期間: 2009年4月1日〜2010年3月31日(1年間)
5.選考体制: 以下のとおり。 ◎は選考委員長
◎島田 京子  日本女子大学 事務局長
 内山 達雄  大和証券グループ本社 CSR室長
 戈木クレイグヒル滋子  首都大学東京 健康福祉学部 教授
 長沢 恵美子 日本経済団体連合会 社会第二本部 企業・社会グループ 副長
 鈴木 歩   シーズ・市民活動を支える制度をつくる会
         コミュニケーション・ディレクター



Panasonic NPO サポート ファンド 子ども分野
 
テーマ:子どもたちの健やかな育ちを応援するNPOの基盤強化

*このプログラムは、パナソニック株式会社の実施する助成事業に、ファンドが協力して行うものである。

1.2008年助成のフォロー
 助成対象13件(助成1年目:10件、同2年目:3件)について、08年12月末日で助成期間が終了し、09年1月末日までに完了報告書の提出を受けた。なお、3月11日にパナソニック主催の成果報告会の企画・実施に協力し、各事業の成果や課題を確認するとともに、団体同士の交流の機会をもった。また、パナソニック株式会社のウェブサイトでの完了報告書の公開、助成後の団体インタビューの企画・実施に協力した。

2.2009年助成の実施とフォロー
 公募・選考は前年に準じて実施し、08年12月中旬に、以下のとおり助成が決定した。なお今回から、第一次選考の採択・不採択については最終決定を待たず速やかに全応募者に連絡することにし、その報告内容や方法等についてはパナソニックおよび選考委員長と相談して決定した。09年7月に中間インタビューを実施し、7月末日までに中間報告書の提出を受けるなど、プロジェクトのフォローを行った。(今後、10年1月末日までに完了報告書の提出を受ける)

1.応募総数: 178件(助成1年目:170件、同2年目:6件、同3年目:2件)
2.助成件数: 12件(助成1年目:9件、同2年目:2件、同3年目:1件)
3.助成総額: 1,500万円
4.助成期間: 2009年1月1日〜12月31日(1年間)
5.選考体制: 以下のとおり。 ◎は選考委員長
◎明石 要一  千葉大学 教育学部 教授
 大森 智恵子 子ども劇場千葉県センター 事務局長
 岸本 幸子  パブリックリソースセンター 理事・事務局長
 下澤 嶽   国際協力NGOセンター 事務局長
 三好 悠久彦 リベラヒューマンサポート 理事長
 小川 理子  パナソニック株式会社 理事 社会文化グループ グループマネージャー

3.2010年助成の検討と実施
 09年助成の実施結果を踏まえ、助成内容、運営方法、選考体制等について、パナソニック株式会社と共に検討し、双方の役割分担を見直した。また、選考体制について、選考委員2名を交代した。
 なお、公募・選考は前年に準じて実施し、新規助成は09年6月から公募を開始し、7月31日に締め切った(応募件数157件)。8月に一次選考を実施し、二次選考対象51件を選出。10月に二次選考会を開催し、助成候補を選出。事務局による団体訪問インタビューを経て、12月に助成対象を決定する。
 また、継続助成は09年7月に募集案内をおこない、8月31日に締め切った(応募件数12件)。10月に二次選考会を開催し、12月に助成対象を決定する。



花王・コミュニティミュージアム・プログラム
 
テーマ:博物館・美術館等を拠点とした市民活動の応援

*このプログラムは、花王株式会社の実施する助成事業に、当ファンドが協力して行うものである。

1.2007年公募助成のフォロー
 2007年助成(新規16件)は、08年9月30日に1年間の助成を終了し、08年10月に完了報告書の提出を受けた。うち2団体が期間延長を行ったが、1団体は08年12月、他1団体は09年3月に終了した。2007年助成(新規16件)は、08年9月30日に1年間の助成を終了し、08年10月に完了報告書の提出を受けた。うち2団体が期間延長を行ったが、1団体は08年12月、他1団体は09年3月に終了した。

2.2008年公募助成のフォロー
 贈呈式・交流会、09年3〜4月には継続助成対象団体(7件)の中間現地インタビュー、09年5月22・23日には新規助成対象団体(14件)の中間報告・交流会を実施した(新規助成対象は16件であったが関西の2件は新型インフルエンザへの対応のため参加を取りやめた)。
 その他、計画変更(うち1件は助成中止)の対応などにつき、花王株式会社と相談しながら適宜フォローを行った。

3.2009年公募助成の検討と実施
 2009年助成(第3回公募)は、08年12月より花王株式会社と企画更新の検討に入り、基本的には前年に準じるが、新たに継続3年目助成を開始することとした。公募は09年4月から開始し5月28日に締め切った。09年8月に選考委員会を開催し、助成を決定した。

1.応募総数: 118件(新規助成:94件、継続2年目助成:18件、同3年目助成:6件)
3.助成件数: 28件(新規助成:16件、継続2年目助成:7件、同3年目助成:5件)
2.助成総額: 1,800万円(内、活動助成金1,398万円、交流助成金402万円)
4.助成期間: 2009年10月1日〜2010年9月30日(1年間)
5.選考体制: 以下のとおり。 ◎は選考委員長
◎樺山 紘一  東京大学 名誉教授・印刷博物館 館長
 太下 義之  三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 芸術・文化政策センター長
 片山 正夫  財団法人セゾン文化財団 常務理事
 金山 喜昭  法政大学キャリアデザイン学部 教授
 布谷 知夫  滋賀県立琵琶湖博物館 上特別研究員
 嶋田 実名子 花王株式会社 コーポレートコミュニケーション部門 社会貢献部長



ハマダ基金プログラム
 
テーマ:生活上の困難をもつ人々の救援

*このプログラムは、個人の一括した寄付にもとづいて当ファンドが自主的に行うものである。

1.寄付受け入れの経緯
 2008年5月に大和証券グループ本社の紹介によりハワイ在住の日系米国人ハマダ氏からの寄付申し出をうけ、税制措置等について確認の上、08年9月に株式と現金による寄贈を受け、ハマダ基金として特別会計を設置した。その後11月には寄贈株式による前期配当を受け、09年1月には全株式を売却した。寄付時の評価額、売却後の財産額およびその差額は下記の通りである。

A.寄付時評価額
(2008.9.25)
B.売却時財産額
(2009.1.23)
C.差額(B−A)
株式(23,418株) 62,760,240円 64,375,808円 1,615,568円
現金 1,309,666円 1,891,029円 581,363円
合計 64,069,906円 66,266,837円 2,196,931円
*Bの株式金額は売却時評価額(64,633,860円)から手数料等(258,052円)を引いたもの。
*Bの現金の追加は、前期配当によるもの。

2.2009年助成の検討
 09年4月以降、寄付の趣旨に基づく助成プログラムの企画開発を進め、公募型の助成ではなく“計画型助成”とすることとして、助成対象候補を検討し、1件を決定した。

○団体名: ホームレス支援全国ネットワーク
○プロジェクト名: 地域生活安定化支援事業(アフターケア付き保証人制度)実施にむけた調査事業
○助成金: 350万円
○助成期間: 2009年4月1日〜2010年3月31日

なお、本件については、調査事業の結果を踏まえ、次の展開への助成も検討中。



タケダ・ウェルビーイング・プログラム
 
テーマ:長期療養の子どもたちに“生きる力”を

*このプログラムは、武田薬品工業株式会社の年度毎の寄付により当ファンドが自主的に行うものである。

1.寄付受け入れの経緯
 2009年1月に武田薬品工業株式会社より寄付の相談があり、その使用目的等につき協議の上、長期療養を行う子どもとその家族の支援のために用いることとして、09年2月に当年度の助成金と企画運営費として910万円の指定寄付を受けた。

2.2009年度助成の検討
 この助成プログラムは、公募型の助成ではなく“計画型助成”として、2009年4月より助成案件の検討を開始した。現在、助成対象候補を調査・検討中である。



新規プログラムの企画開発と運営

 住友生命健康財団より、2008年12月に新規助成プログラムの企画開発に係る調査業務を受託し、文献調査、NPO法人データベースによる調査、類似する助成プログラムの調査を行い、健康増進をめざし、「コミュニティ・スポーツの振興」を図ることを目的に、新しいコミュニティ・スポーツの試みに関する調査研究または実践活動への助成を中心としたプログラム3案を企画。09年3月末に報告書を提出し、現在、企画案に基づき、有識者へのインタビュー調査を実施し、企画案をブラッシュアップしている。




(2)インターンシップ事 業

SSCS(Small Schools for Civil Society)インターンシップ奨励プログラム
 “NPOの現場を市民社会の小さな学校に”

*このプログラムは、個人の篤志家の寄付によって、10年間の予定で当ファンドが実施しているものである。

1.第6期インターン
 インターン7名と受け入れ団体(7団体)担当者の参加による「中間報告会」を08年11月15日に開催、9ヵ月間の活動を終え修了する6名の「インターン修了報告会」を09年3月8日に開催した。当期インターン(10名)のうち、活動の継続が困難となった1名については、受け入れ団体と相談の上、08年10月で活動を中止した。また、他の2名は、体調不良のため、それぞれ10月、11月から活動を休止し、3月で活動期間を終了した。
 なお、当期の新規受け入れ団体(2団体)を10月、11月にそれぞれ訪問し、担当者との意見交換を行った。また、受け入れインターンの決まらなかった団体にも2月に訪問し、担当者と意見交換を行った。09年7月5日には、1年の活動を修了するインターンの「修了報告会」を行った。また、同月に第5期修了報告書を発行した。

2.第7期インターン
 第7期の公募・実施にあたっては、SSCS運営委員長とこれまでの内容について検討を行うとともに、昨年度に引き続きインターン修了生に公募チラシの制作を依頼するなどして、修了生の経験や意見を生かすよう考慮した。公募に際しては、6期の受け入れ団体のうち1団体が3年間の受け入れを終えて期間満了となるため、新たに2団体に受け入れを依頼した。当期の受け入れ団体(8団体)は以下のとおり。
 なお、日程についても検討を行い、若干の変更を行った。応募受付期間を例年よりも1週間長くし、09年4月21日〜5月19日までとした。採択から事前研修・入校式までの期間についても例年よりも約2週間長くし、参加インターンに、時間的な余裕を持ってもらうよう配慮した。
 また、09年7月4日に「事前研修会」、7月5日に「入校式」を行った。活動期間は、09年7月1日から1年間ないしは9ヵ月間である。インターンの応募がなかった1団体については引き続き9月末までを目途に募集を行った。

●第7期インターン活動状況 : 計11名
 さなぎ達(横浜市)          
 たすけあいの会ふきのとう(四街道市) 
 北海道NPOサポートセンター(札幌)  
 水俣フォーラム(新宿区)       
 きょうとNPOセンター(京都市)    
 ふじみの国際交流センター(ふじみ野市) 
 大阪ボランティア協会(大阪市)    
 市民社会創造ファンド(千代田区)
1名 
1名
2名
1名
2名
2名
0名
2名
〔5・6・7期〕
〔5・6・7期〕
〔5・6・7期〕
〔6・7期〕
〔6・7期〕
〔7期〕
〔7期〕
〔1・2・4・5・6・7期〕

3.SSCS OB/OG有志の会
 OB/OG有志による会合が都内を中心に開催され、ブログ作成、情報提供・交流のためのハガキプロジェクトの実施、7期応募要項の作成協力、6期インターン有志との合宿(09年3月7日〜8日)、SSCS5周年イベントの開催(09年3月8日、修了報告会と併催)、5周年記念冊子の発行、OBOG合宿(09年9月12日〜13日)などを行った。なお、公募広報、応募説明会、事前研修会、入校式、中間報告会、修了報告会の実施・開催に際しては、有志のみなさんにご協力いただいた。

4.SSCS運営委員会
 年2回程度開催する予定であったが、運営委員長との懇談を1回開催した。

5.その他
 第5期の「修了報告書」を7月に発行。また、大学関係者(職員)からの申し出による「学生によるNPOでのインターンシップ活動と学生の社会性の発達との関係性」に関する調査協力の期間を延長することになった(2008年6月〜2010年6月)



(3)自主プログラム

1.NPO支援組織スタッフ強化助成
 前年度に引き続き、市民社会創造ファンドへの会費や寄付および印税収入などを原資に、「民間のNPO支援センター・スタッフの力量形成」を目的とした、研修プログラムの実施経費に対する助成を行う。09年6月18日・19日に日本NPOセンターと共催でNPO支援センター初任者研修会を実施し、参加者交通費を助成した。

2.自主事業(市民活動の「助成担当者」交流・研修会)の開催
 これまで5回、市民活動やNPOの助成に取り組む助成財団や企業、行政機関等の実務担当者の交流・研修を狙いとした「市民活動の“助成担当者”交流会」を実行委員会形式にて実施(第5回目は当ファンド設立5周年記念事業として開催)してきた。この分野の交流・研修の機会は他にも存在しないことから、本年度は、実施体制や対象者の範囲などをさらに検討して開催する予定であったが、実施できなかった。
 ただし「初任者向け」については、日本NPOセンターとの共催による前記の研修会によって、その機能の一部は果たせたものと考えている。



(4)その他

次の通り異動があった。
・浜本 由里子 : 2009年3月31日付けで退職(元プログラム・オフィサー)
・霜田 美奈  : 2009年4月1日付けで入職(プログラム・アシスタント)
 なお、浜本については退職後もプログラム・アドバイザーとして、SSCSインターン奨励プログラム及びファイザープログラムに関して一部協力を得ている。


SSCS(Small Schools for Civil Society)インターンシップ奨励プログラムによる、第6期インターン(1名)を09年3月までの予定で受け入れたが、体調不良のため10月から活動を休止しており、そのまま修了を迎えた。09年7月からは第7期のインターン2名を受け入れている。


Webサイト(http://www.civilfund.org)については、内容の更新等、必要なメンテナンスを適宜行い、個人情報の保護に留意しつつも、積極的に市民社会創造ファンドの諸活動の公開に取り組んだ。


NPOや自治体等の講座にスタッフを派遣。委員会等の参加要請を受け、委員として参加。
・助成金セミナー講師: 日時:2008年11月30日
 (主催:八千代市・八千代市市民活動サポートセンター運営委員会、講師:坂本憲治)
・助成金セミナー講師: 日時:2008年12月13日
 (主催:財団法人静岡県労働者福祉基金協会、講師:坂本憲治)
・NPO等による文化財建造物活用の推進委員会委員:
 (委嘱機関:文化庁文化財部参事官建造物担当、委員:坂本憲治)
・NPOパワーアップ補助金審査委員:
 (委嘱機関:千葉県環境生活部NPO活動推進課、委員:坂本憲治)



一般会計報告
  収支計算書(PDF)貸借対照表(PDF)財産目録(PDF)
特別会計報告
  収支計算書貸借対照表(PDF)




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