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一般会計報告
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特別会計報告
  収支計算書・貸借対照表(PDF)


2009年度の事業を振り返って

 
2009年度(2009年10月〜2010年9月)は、法人化して8年度目にあたる。基本的な助成プログラムは大きな変更なく着実に進展したが、一つのプログラムで公募が終了し、新たに一つの公募プログラムが開始した。また08年度後期に着手した2つの計画型助成が、軌道に乗り始めた。

1.公募が最終年となったプログラム
 本年度で公募終了したプログラムは、「ダイワSRIファンド」助成プログラム(テーマ:“いのち”に取り組むNPOスタッフの育成)である。05年に開始した当プログラムは5年目に当たるが、本年度は継続のみの助成とした。しかし別に計画型で1件の助成を行うことになり、今後どのような進展にするか、検討中である。人件費を主に助成する人材育成プログラムとして特徴をもつものだけに、何らかの形で第2期の展開が期待される。

2.新たに開始した公募プログラム
 新しく公募を開始したプログラムは、08年度から企画開発を受託して検討を進めてきた「スミセイ コミュニティスポーツ推進助成プログラム」(テーマ:コミュニティスポーツによる健やかなひと・社会づくりに向けた調査・研究助成)で、財団法人住友生命健康財団の助成事業にファンドが協力するものである。10年4〜5月、初年度としてまず調査・研究助成のみを対象に公募した。結果的には予想をはるかに上回る174件の応募があり、7件に助成を決定した。次年度からは実践活動も対象に加える方向で検討しており、将来の展開が期待される。財団が行う助成活動への協力はファンドとしては初めてのことであり、新しい関わりのあり方も模索していきたい。

3.軌道に乗ってきた2つの計画型プログラム
 計画型の助成プログラムの一つはハマダ基金プログラムで、日系米国人の一括した個人寄付をもとに特別会計を設けて助成を行っている。「生活上の困難をもつ人々の救援」が基本テーマで、まず取り組んだのが、ホームレス支援全国ネットワークが構想する生活安定化事業である。09年助成によるフィージビリティ調査に基づき、10年8月にはその実現に向けたパイロット事業に助成することができた。全国ネットから会員向けに公募し、9月には地方都市の3つのNPOが選ばれ、試行的な事業を進めている。
 他の一つがタケダ・ウェルビーイング・プログラムで、「長期療養の子どもたちに“生きる力”を」をテーマとしている。武田薬品工業株式会社の年度毎の寄付により、当ファンドの自主事業として行っている。公募はせず計画型の助成を行っており、第1回は09年10月に最初の4件を助成、第2回(10年助成)については、順次、助成対象を決めている。
 計画型助成は、プログラム・オフィサーがテーマに関連したNPO等を訪問調査して適切な団体を発掘し、対話しながら企画内容を詰めて助成するもので、これまでの公募の経験があるからこそ可能とも言える。最終的には当ファンドの運営委員長・副運営委員長による審査会で決定するが、その前に関係する専門家のアドバイスを得ることにしている。今度はこの経験を生かしながら、従来の公募型プログラムについても、計画型助成を併用することが考えられる。
 以上、09年度はファンドにとっても新しい可能性が見えてきた転換の年度といえる。この経験をさらに生かし、今後の展望を切り開いていきたいと願っている。
(運営委員長 山岡 義典)



1.総会の開催

◎ 2009年度通常総会
  日時:2009年12月18日
  <議題>
  ・2008年度事業報告および決算の承認
  ・2009年度事業計画および予算の承認
  ・次期運営委員の選任
  

2.運営委員会(理事会)の開催

◎ 第25回運営委員会
  日時:2009年12月18日 (通常総会と同時開催)
  <議題>
  ・2008年度事業報告および決算の承認
  ・2009年度事業計画および予算案の承認


第26回運営委員会
  日時:2010年1月15日
  <議題>
  ・運営委員長の選任

第27回運営委員会
  日時:2010年6月16日
  <議題>
  ・2009年度事業の経過報告
  ・事業および組織運営に関する意見交換

第28回運営委員会
  日時:2010年9月15日
  <議題>
  ・2009年度事業経過および決算見込みの報告
  ・2010年度暫定事業計画および暫定予算の承認


3.会員および寄付の拡大

ファンドの意義を積極的に広報し、会員の獲得をめざす努力をしたが十分な成果を得ていない。
NPO支援組織の基盤強化事業の実施と充実に向け、個人、企業、財団等に呼びかけ、随時寄付や助成を募る方針であったが、実施できていない。


4.年次報告書の発行

2008年度事業報告・決算報告を、Webサイトにおいて公開した。




(1)助成事業
*各プログラムの年次表記は、統一的に助成を開始した暦年によって表記する。公募はその前年にされることもあり、その場合は各プログラムによって表記が異なっている場合もあるので、注意いただきたい。

ファイザープログラム
 テーマ: 心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援 <第2期>
*このプログラムは、ファイザー株式会社の助成事業を当ファンドが協力して行うものである。
*公募時期:6月

1. <第2期>2009年新規助成・継続助成のフォロー
 本助成対象の23件(新規:13件、継続:10件)については、ファイザー株式会社より適宜相談を受けながら、助成プロジェクトのフォローを行い、09年12月31日の助成期間終了後、10年2月末日までに完了報告の提出を受け、09年助成を完了した。

2. <第2期>2010年新規助成・継続助成の実施とフォロー
 公募・選考は前年に準じて実施し、09年11月下旬に、以下のとおり助成先を決定した。
1.応募総数: 256件(新規:238件、継続:18件)
2.助成件数: 23件(新規:11件、継続:12件)
3.助成総額: 3,821万円(新規:1,815万円、継続:2,006万円)
4.助成期間: 2010年1月1日〜12月31日(1年間)
5.選考体制: 以下のとおり。◎は選考委員長
  <新規助成>
   ◎田辺 功  医療ジャーナリスト・元朝日新聞編集委員
    安藤 雄太 東京ボランティア・市民活動センター アドバイザー
    大木 幸子 杏林大学 保健学部 教授
    沖倉 智美 大正大学 人間学部 准教授
    小野 純平 法政大学 現代福祉学部 教授
    永井 美佳 大阪ボランティア協会 事務局主幹
    松森 浩士 ファイザー株式会社 取締役 執行役員
  <継続助成>
   ◎武井 秀夫 千葉大学 文学部 教授
    大木 幸子 杏林大学 保健学部 教授
    沖倉 智美 大正大学 人間学部 准教授
    小野 純平 法政大学 現代福祉学部 教授
    田辺 功  医療ジャーナリスト・元朝日新聞編集委員
    永井 美佳 大阪ボランティア協会 事務局主幹
    豊沢 泰人 ファイザー株式会社 コーポレート・アフェアーズ統括部長

 また、新規助成を対象に、10年7月31日・8月1日の両日、ファイザー株式会社研修施設にて中間報告会を開催し、助成プロジェクトの進捗状況を報告いただくとともに、各団体が抱える組織課題について互いに学びあう交流の機会をもった。なお、希望する団体には個別相談会を実施した。


3. 2011年助成の検討と実施
 10年助成の実施結果を踏まえ、助成内容、運営方法、選考体制等についてファイザー株式会社と共に見直し・検討を行った。
 新規助成は10年6月に公募し、8月7日に予備選考委員会、9月10日に本選考委員会を開催した。また、新たな試みとして、予備選考で不採択となった団体に選考結果を通知した。継続助成は10年8月に募集し、現在選考中である。
 今後、新規助成は9〜10月に現地ヒアリングを実施し、11月下旬に助成対象を決定する。継続助成は10月に2回、応募団体によるプレゼンテーション付き選考委員会を開催し、11月下旬に助成対象を決定する。



中央ろうきん助成プログラム
 テーマ: 個性が輝く“ひと・まち・くらし”づくり
*このプログラムは、中央労働金庫の助成事業を当ファンドが協力して行うものである。
*公募時期:1月

1.2009年助成のフォロー
 本助成対象の48件(スタート助成1年目:26件、助成2年目:16件、助成3年目:3件)、ステップアップ助成:3件)については、中央労働金庫より適宜相談を受けながら、助成プロジェクトのフォローを行い、09年12月20日までに中間報告書の提出、10年6月29日までに完了報告書の提出を受け、09年助成を完了した。
 なお、スタート助成1年目の団体については、10年2月2日に中間報告会を開催し、企画・運営に協力した。22団体がプロジェクトの進捗状況を報告し、団体相互の交流の機会とした。

2.2010年助成の検討と実施
 公募・選考は前年に準じて実施し、10年4月中旬に、以下のとおり助成先を決定した。今後、中央労働金庫より適宜相談を受けながら、助成プロジェクトのフォローを行い、12月20日までに中間報告書の提出、11年6月末日までに完了報告書の提出を受ける。

1.応募総数: 352件

2.助成件数: 57件
(スタート助成1年目:31件、同2年目:16件、同3年目:9件、

3.助成総額: 1,726万円
(スタート助成1年目:876万円、同2年目:480万円、
 同3年目:270万円、ステップアップ助成:100万円)
4.助成期間: 2010年6月1日〜2011年5月31日(1年間)
5.選考体制: 以下のとおり。 ◎は選考委員長
◎谷口 奈保子 ぱれっと 理事/ぱれっとインターナショナル・ジャパン 代表
 遠藤 幸男  東京労働者福祉協議会 会長
 鹿住 貴之  JUON(樹恩)NETWORK 事務局長
 永田 麻美  地域と人のドキュメンタリーサイト【いちぐう】 編集長
 横田 能洋  茨城NPOセンター・コモンズ 常務理事・事務局長
 梅村 敏幸  中央労働金庫 総合企画部CSR企画 次長



フィリップ モリス ジャパン 市民活動〜住民活動助成
 テーマ: 生きる場としてのコミュニティづくり
*このプログラムは、フィリップ モリス ジャパン株式会社の助成事業を当ファンドが協力して行うものであるが、現在は募集を行っていない。

1.第3期「特別助成」のフォロー
 本助成(助成件数:1件、助成額:500万円、助成期間:09年1月1日〜12年12月31日)について、助成1年目(立ち上げ助成から通算4年目)の進捗状況について確認した。



「ダイワSRIファンド」助成プログラム
 テーマ: “いのち”に取り組むNPOスタッフの育成
*このプログラムは、大和証券グループ3社(大和証券投資信託委託株式会社、大和証券株式会社、大和証券キャピタル・マーケッツ株式会社)の寄付および株式会社大和証券グループ本社の協力により、当ファンドが実施しているものであり、2010年助成は継続のみを対象に11月に募集を行った。

1.2009年助成のフォロー
 本助成対象6件(新規:4件、継続:2件)については、定期的にスタッフ育成レポート(第2、3、4回)の提出を受けた。また、09年11月には中間現地インタビューを新規助成に対して行い、進捗状況の把握を行った。その他適宜フォローを行い、10年4月末には完了報告書の提出を受け、09年助成を完了した。
 また10年7月中旬には、寄付者の大和証券グループ4社に対して事業報告を行った。

2.2010年助成の検討と実施およびフォロー
 公募・選考は前年に準じて実施し、10年1月に、以下のとおり助成先を決定した。なお、今回の公募は本プログラムの最終年となることが決定したことから、継続助成のみを実施し、新規助成の公募は行わなかった。

1.応募総数: 3件
2.助成件数: 3件
3.助成総額: 560万円(1件あたりの助成金の上限200万円)
4.助成期間: 2010年4月1日〜2011年3月31日(1年間)
5.選考体制: 以下のとおり。 ◎は選考委員長
◎島田 京子  学校法人日本女子大学 共同教職大学院設置準備室 室長(当時)
 戈木クレイグヒル滋子  慶応義塾大学 看護医療学部 教授
 鈴木 歩   特定非営利活動法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会
         コミュニケーション・ディレクター

 長沢 恵美子 一般社団法人日本経団連事業サービス 総合企画・事業支援室 参事
 松本 哲   株式会社大和証券グループ本社 CSR室長


 助成期間開始後は適宜フォローを行い、10年7月末にはスタッフ育成レポート(第1回)の提出を受けた。


3.「ダイワSRIファンド」助成プログラム 計画型助成(非公募)の検討と実施
 「ダイワSRIファンド」助成プログラムは2010年助成をもって公募型助成を終了するが、単年度の計画型助成を行うことが決定した。これに伴う検討を大和証券グループ本社と行った。




Panasonic NPO サポート ファンド 子ども分野
 テーマ: 子どもたちの健やかな育ちを応援するNPOの基盤強化
*このプログラムは、パナソニック株式会社の実施する助成事業に、ファンドが協力して行うものである。
*公募時期:6〜7月


1.2009年助成のフォロー
 09年助成(第3回、助成1年目:9件、助成2年目:2件、助成3年目:1件)について、10年1月末日までに完了報告書の提出を受けた。また、3月10日に成果報告会を開催し、企画・実施に協力した。12団体が組織基盤強化事業の成果や課題を報告し、団体間で情報交換やアドバイスなどを行った。

2.2010年助成の実施とフォロー
 公募・選考は前年に準じて実施し、09年12月中旬に、以下のとおり助成先を決定した。10年7月に中間インタビューを実施し、各プロジェクトの進捗状況について確認するとともに、7月末日までに中間報告書の提出を受けた。今後、11年1月末日までに完了報告書の提出を受け、3月中旬に成果報告会を開催する。

1.応募総数: 169件(助成1年目:157件、同2年目:11件、同3年目:1件)
2.助成件数: 12件(助成1年目:8件、同2年目:3件、同3年目:1件)
3.助成総額: 1,500万円
4.助成期間: 2010年1月1日〜12月31日(1年間)
5.選考体制: 以下のとおり。 ◎は選考委員長
◎明石 要一  千葉大学 教育学部 教授
 大森 智恵子 子ども劇場千葉県センター 事務局長
 坂口 和隆  日本NPOセンター 事務局次長
 三好 悠久彦 リベラヒューマンサポート 理事長
 米田 佐知子 神奈川子ども未来ファンド 事務局長
 小川 理子  パナソニック株式会社 社会文化グループ グループマネージャー

3.2011年助成の検討と実施
 10年助成の取り組みを踏まえ、パナソニック株式会社と共に助成内容、運営方法、選考体制などについて見直し・検討を行い、新規助成は10年6月に公募を開始し、8月31日に一次選考会を開催した。継続助成は8月に募集をおこない、現在選考中である。また、新規助成は一次選考会の審議を踏まえ、不採択となった団体へ選考結果を通知した。今後、10月に二次選考会を開催し、12月中旬に助成対象を決定する。
 なお、本プログラムは11年助成が第2ステージの最終年となることが決定した。現在、パナソニック株式会社は第三者機関に依頼し、助成プログラムの評価を実施中である。第3ステージを12年助成より開始する予定であり、市民社会創造ファンドは企画開発・運営に協力する予定。



花王・コミュニティミュージアム・プログラム

 テーマ: 博物館・美術館等を拠点とした市民活動の応援
*このプログラムは、花王株式会社の実施する助成事業に、当ファンドが協力して行うものである。
*公募時期:5月

1.2008年助成のフォロー
 本助成対象の24件(新規:16件、継続:8件)については、09年10月末に完了報告書の提出を受け、08年助成を完了した。

2.2009年助成のフォロー
 09年助成(第3回公募、28件)は09年10月1日に1年間の助成を開始した。09年12月には1団体が拠点ミュージアムの都合により助成を中止し、助成金の一部返還が行われた。また10年2〜4月にかけては、継続2年目助成対象(6団体)に対して中間インタビューを実施し、進捗状況の把握を行った。
 また、本プログラムでは資金的支援に加え、当該分野の市民活動の普及・啓発を目指した交流プログラムを併設しているが、その一環として、09年10月初旬に第3回のスタートアップ・ミーティング(贈呈式兼交流会)を実施し、継続2年目助成および新規助成対象の23団体が参加した。さらに10年5月には、第3回のステップアップ・ミーティング(中間報告・交流会)を実施し18団体が参加した。後者は従来新規助成を対象に行ってきたが、今回は初めて継続3年目助成の3団体も参加し、期を越えた経験交流を行った。さらに、これらの団体・関係者の日常的な情報交換のため、メーリング・リストを継続して運営している。
 その他、適宜必要なフォローを行った。

3.2010年助成の検討と実施
 公募・選考は前年に準じて実施し、10年8月に以下のとおり助成先を決定した。10年10月に贈呈式・交流会を実施する。

1.応募総数: 84件(新規助成:70件、継続2年目助成:10件、同3年目助成:4件)
3.助成件数: 28件(新規助成:16件、継続2年目助成:9件、同3年目助成:3件)
2.助成総額: 1,800万円(1件あたりの助成金の上限50万円、交流助成金を含む)
4.助成期間: 2010年10月1日〜2011年9月30日(1年間)
5.選考体制: 以下のとおり。 ◎は選考委員長
◎樺山 紘一  東京大学 名誉教授・印刷博物館 館長
 太下 義之  三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 芸術・文化政策センター長
 片山 正夫  公益財団法人セゾン文化財団 常務理事
 金山 喜昭  法政大学 キャリアデザイン学部 教授
 布谷 知夫  滋賀県立琵琶湖博物館 特別研究員
 嶋田 実名子 花王株式会社 理事 コーポレートコミュニケーション部門 社会貢献部長



スミセイ コミュニティスポーツ推進助成プログラム

 テーマ: コミュニティスポーツによる健やかなひと・社会づくりに向けた調査・研究助成
*このプログラムは、財団法人住友生命健康財団の実施する助成事業に、ファンドが協力して行うものである。
*公募時期:4〜5月

1.2010年助成の検討と実施
 09年に実施した予備調査の結果を踏まえ、助成プログラムの企画開発、選考委員の選定、応募要項・用紙の作成、公募広報先の調査を実施した。10年4月に公募を開始し、6月24日に予備選考委員会、7月28日に本選考委員会を開催し、現地ヒアリングを経て、9月に以下のとおり助成先を決定した。10月2日に贈呈式を開催する。

1.応募総数: 174件
3.助成件数: 7件
2.助成総額: 1,014万円(1件あたりの助成金額50万円以上400万円以下)
4.助成期間: 2010年10月1日〜2011年9月30日(1年間)
5.選考体制: 以下のとおり。 ◎は選考委員長
◎小野 喬   日本スポーツクラブ協会 名誉顧問/住友生命健康財団 評議員
 稲山 貴代  首都大学東京 大学院 人間健康科学研究科 准教授
 中村 好男  早稲田大学 スポーツ科学学術院 教授
 福岡 孝純  帝京大学 経済学部 教授
 青山 成夫  住友生命健康財団 常務理事・事務局長



ハマダ基金プログラム

 テーマ: 生活上の困難をもつ人々の救援
*このプログラムは、個人の一括した寄付(通称ハマダ基金)にもとづいて当ファンドが自主的に行うものである。
*公募時期:非公募

1.2009年助成のフォローと2010年助成の検討と実施
 2008年度下期に決定した09年助成対象団体1件について、10年3月末日で助成期間が終了し、4月に完了報告書の提出を受け、09年助成を完了した。

○団体名: 特定非営利活動法人ホームレス支援全国ネットワーク
○プロジェクト名: 地域生活安定化支援事業(アフターケアー付き保証人バンク制度)実施に向けた調査事業
○所在地: 福岡県北九州市
○助成金: 350万円


2.2010年助成の検討と実施
 2009年助成対象団体より、次年度の企画提案を受け、5月下旬に市民社会創造ファンドの運営委員長・副運営委員長)による審査委員会を開催し、2010年助成方針ならびに助成内容案を検討した。
これらを基に、提案団体と企画内容の詳細について検討をおこない、双方の合意を経て、7月に以下のとおり助成先を決定した。助成期間は2010年7月1日〜2011年9月30日まで。

○団体名: 特定非営利活動法人ホームレス支援全国ネットワーク
○プロジェクト名: 地域生活安定化支援事業(ケア付保証人バンク制度)パイロット事業
○所在地: 福岡県北九州市
○助成金: 1,350万円

ホームレス支援全国ネットワークは、本助成により、8月にパイロット事業実施団体を募集を開始し、9月に応募団体によるプレゼンテーションおよび審査会を開催し、3団体(ホームレス支援市川ガンバの会、ワンファミリー仙台、プロミスキーパーズ)への助成を決定した。今後、3団体は10年10月〜11年9月まで事業を実施する。10年12月または11年1月に3団体がそれぞれの経験と課題を持ち寄る研修会を開催する予定。また、11年2月に2回目のパイロット事業実施団体を募集し、3月に実施団体を決定する予定。



タケダ・ウェルビーイング・プログラム

 テーマ: 長期療養の子どもたちに“生きる力”を
*このプログラムは、武田薬品工業株式会社の年度毎の寄付により当ファンドが自主的に行うものである。
*公募時期:非公募

1.2009年助成のフォロー
 09年助成対象団体(4件)に対して、中間報告書の受領、中間インタビューなどのほか、適宜フォローを行った。
 また、10年3月には、武田薬品工業株式会社が主催する「ステークホルダー・ミーティング」に協力し、助成対象団体、アドバイザー、武田薬品工業株式会社、市民社会創造ファンドの4者により、今後のプログラムの展開や支援対象分野の課題の確認と情報共有を行った。

2.2010年助成の検討と調査
 10年助成(第2回)については、初年度の結果を踏まえてプログラムの更新を行った。その後関連分野の情報収集や候補団体の現地インタビュー、アドバイザー・ミーティングなどを行い、10年9月上旬に市民社会創造ファンドの運営委員長・副運営委員長の審査会を行い、助成対象の一部を決定した。




(2)インターンシップ事 業

SSCS(Small Schools for Civil Society)インターンシップ奨励プログラム

 テーマ: “NPOの現場を市民社会の小さな学校に”
*このプログラムは、個人の寄付により、2003年から10年間の予定で当ファンドが実施しているものである。
*公募時期:4月


1.第7期インターン
 第7期インターン(11名)と受け入れ団体(7団体)担当者の参加による「中間報告会」を09年11月8日に、9ヶ月間の活動を終え修了する3名の「インターン修了報告会」を10年3月28日にそれぞれ開催した。
 なお、当期の新規受け入れ団体(3団体)を11月、12月にそれぞれ訪問し、担当者との意見交換を行った。7月4日には、1年の活動を修了するインターンへの「修了報告会」を行った。

2.第8期インターン
 第8期の公募・実施にあたっては、これまでの内容について検討を行うとともに、7期ファンドインターン生に公募チラシの制作を依頼した。公募に際しては、7期の受け入れ団体のうち3団体が3年間の受け入れを終えて期間満了となるため、新たに3団体に受け入れを依頼した。当期の受け入れ団体(8団体)は以下のとおり。
 なお、日程についても検討を行い、若干の変更を行った。応募受付期間を例年よりも3週間弱短縮し、10年5月6日〜5月18日までとした。4月23日にはSSCS運営委員会座長である中村陽一氏の所属する大学院の自主ゼミでSSCSの取り組みについて応募説明会を兼ねて紹介、36名の学生が参加し、6名の応募につながった。 また、7月3日に「事前研修会」、7月4日に「入校式」を行った。活動期間は、10年7月1日から1年間ないしは9ヵ月間。

●第8期インターン活動状況 : 計12名
 ふじみの国際交流センター(ふじみ野市)
 ホームレス自立支援市川ガンバの会(市川市) 
 水俣フォーラム(新宿区)       
 神奈川子ども未来ファンド(横浜市)  
 きょうとNPOセンター(京都市)    
 大阪ボランティア協会(大阪市) 
 市民活動センター神戸(神戸市)    
 市民社会創造ファンド(千代田区)
2名 
1名
2名
2名
1名
1名
1名
2名
〔7・8期〕
〔8期〕
〔6・7・8期〕
〔8期〕
〔6・7・8期〕
〔8期〕
〔8期〕
〔1・2・4・5・6・7・8期〕


3.SSCS OB/OG有志の会
 OB/OG有志による会合が都内を中心に開催され、情報提供・交流のためのハガキプロジェクトを実施した。なお、公募広報、応募説明会、中間報告会、9ヶ月修了報告会の実施・開催に際しては、有志のみなさんにご協力いただいた。

4.SSCS運営委員会
 10年プログラムの終盤に向けて、運営委員会の再編を行い、新たに受け入れ経験団体の関係者、インターンOB/OGをメンバーとした。今後のプログラム実施に加えて、プログラム終了後のSSCSの在り方についての検討を行う。1月、2月、3月、4月、9月の計5回実施。今後も不定期に開催予定。
〈運営委員〉
 座長 中村 陽一  
 委員 細野 純也  特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター
 委員 原 美紀   特手非営利活動法人びーのびーの
 委員 田野辺 有喜 3期インターン
 委員 田口 雄一  1期インターン(ただし10年9月末まで。)※10月から吉野高章(5期インターン)に交代

5.その他
 第6期の「修了報告書」を10年3月に発行した。



(3)自主プログラム

NPO支援組織スタッフ強化助成

 前年度に引き続き、日本NPOセンター主催のNPO支援センター・中堅スタッフ研修会ならびに初任者研修会に共催し、講師招聘助成ならびに民間NPO支援センタースタッフの参加者交通費・宿泊費助成を行った。
 09年11月30日・12月1日に共催した中堅スタッフ研修会については、講師招聘費助成および参加者交通費・宿泊費助成を実施した。また、6月11日・12日に共催した初任者研修会については参加者への交通費助成を実施した。


自主事業(市民活動の「助成担当者」交流・研修会)の開催

 市民活動やNPOの助成に取り組む助成財団や企業、行政機関等の実務担当者の交流・研修を狙いとした「市民活動の“助成担当者”交流会」06年度を最後に中断している。
09年度は立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科が主催する公開講演会(6/26)に共催する形で実施した。



(4)その他

SSCS(Small Schools for Civil Society)インターンシップ奨励プログラムによる第7期インターン(2名)を2010年6月まで受け入れ、7月以降は第8期インターン2名を受け入れている。


Webサイト(http://www.civilfund.org)については、内容の更新等、必要なメンテナンスを適宜行い、個人情報の保護に留意しつつも、積極的に市民社会創造ファンドの諸活動を公開していく。


5周年記念に出版したパンフレット(A4版で表紙+16頁)の改訂版『市民社会の創造に向けて―寄付文化の新展開(仮題)―2010』を、各関連企業の協賛を得て2010年5月までに2000部発行予定であったが進捗が遅れている。今後の広報活動に活用する。掲載情報は2010年12月末日現在とし、その時点で助成による活動を行っている団体を助成事例として紹介する。



一般会計報告
  収支計算書(PDF)貸借対照表(PDF)財産目録(PDF)
特別会計報告
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