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  運営に関する事項
  事業に関する事項
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一般会計報告
  収支計算書(PDF)貸借対照表(PDF)財産目録(PDF)
特別会計報告
  収支計算書貸借対照表(PDF)


2010年度の事業を振り返って

 
法人化9年度目にあたる2010年度(2010年10月〜2011年9月)は、前期は基本的な助成プログラムがそれぞれに転機を迎えながらも順調に進展したが、後期は2011年3月11日の東日本大震災の発生によって、震災対応のプログラム展開に追われ、多忙な半年となった。またインターンシップ奨励プログラムに関しては、2010年12月に提唱者(寄付者)が急逝され、第9回に当たる本年度のプログラムは中断したままになっている。

1.転機を迎えた各プログラム
 ファイザープログラムは11年目を迎えた。7年目には新規募集を中止してプログラムの評価・見直しを行って第2期を迎えたが、そろそろ第3期に向けての評価・見直しも必要な時期に来た。
 中央ろうきんプログラムも9年目を迎え、今後に向けて評価・見直しを行い、次回の応募に備えた。10年目から、スタート助成の対象は団体要件をかなり厳しく制限することにした。
 Panasonic NPOサポート ファンド(子ども分野)は昨年度で第10回(第1期・2期)を終え、それまでの評価作業を通して大幅なプログラムの改訂を行い、第3期に入った。組織診断に基づく組織基盤の強化である。
 「ダイワSRIファンド」助成プログラムは、公募による新規助成は一昨年度の第4回をもって終了、昨年度の第5回は継続助成のみとしたが、今年度も寄附を受けることができ、1件の計画助成を行った。
 花王コミュニティミュージアム・プログラムは、本年度の第5回で終了として4月に公募を予定していたが、直前の大震災の発生により、急遽その内容の一部を震災対応のプログラムに切り替えた。
またSSCSインターンシップ奨励プログラムについては、提唱者(寄付者)のご逝去により、7月開催の第8回修了式をもって中断、本年度の募集は行っていない。

2.新しいプログラムの展開
 近年始まった3つのプログラムは、それぞれの特性によって順調に拡充・推移している。計画型の助成では、3年目を迎えたタケダ・ウェルビーイング・プログラム、2年目を迎えたハマダ基金によるホームレス住居支援プログラムがある。公募型では、初回の助成と2年目の公募を行ったスミセイ コミュニティスポーツ推進助成プログラムがある。スミセイ コミュニティスポーツ推進助成プログラムでは、震災対応のプロジェクトについては特別の予算枠を設けて助成を行った。

3.震災対応のプログラム
 3月11日の東日本大震災の発生で、ファンドの仕事は急速に増えた。第1は、日本NPOセンターが設立した東日本大震災現地NPO応援基金への協力で、その助成活動をファンドが担い、プログラム・オフィサーが頻繁に被災現地を訪問しながら、臨機に助成対象を決めていった。第2は、先述の花王・コミュニティミュージアム・プログラムの震災対応化、スミセイ コミュニティスポーツ推進助成プログラムの震災特別枠の助成などがある。そして第3として、いくつかの企業から寄せられる震災対応プログラムに対する相談である。この相談から、今、新たなプログラムが立ち上がりつつある。救援期から生活再建期に入り、震災対応の活動も次第に変化してきた。息の長い支援を、どう継続していけるかが、今後の課題である。

 なお3月に予定した設立総会は震災によって6月に延期されたが、市民ファンド推進連絡会が結成され、その事務局を担うことになったことは、今後のファンドにとっても、意義のあることではないかと思っている。
(運営委員長 山岡 義典)



1.総会の開催

◎ 2010年度通常総会
  日時:2010年12月22日
  <議題>
  ・2009年度事業報告および決算の承認
  ・2010年度事業計画および予算の承認
  

2.運営委員会(理事会)の開催

◎ 第29回運営委員会
  日時:2010年12月22日 (総会と合同)
  <議題>
  ・2009年度事業報告および決算案の承認
  ・2010年度事業計画および予算案の承認

第30回運営委員会
  日時:2011年6月3日
  <議題>
  ・2010年度事業の経過報告
  ・事業および組織運営に関する意見交換

第31回運営委員会
  日時:2011年9月16日
  <議題>
  ・2010年度事業経過および決算見込みの報告
  ・2011年度暫定事業計画および暫定予算の承認



3.会員および寄付の拡大

ファンドの意義を積極的に広報し、会員の獲得をめざす。
NPO支援組織の基盤強化事業の実施と充実に向け、個人、企業、財団等に呼びかけ、随時寄付や助成を募る。


4.年次報告書の発行

2009年度事業報告・決算報告を、Webサイトにおいて公開した。




(1)助成事業
*各プログラムの年次表記は、統一的に助成を開始した暦年によって表記する。公募はその前年にされることもあり、その場合は各プログラムによって表記が異なっている場合もあるので、注意いただきたい。

ファイザープログラム
 テーマ: 心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援 <第2期>
*このプログラムは、ファイザー株式会社の助成事業を当ファンドが協力して行うものである。
*公募時期:6月
*助成期間:1月〜12月


1. <第2期>2010年新規助成・継続助成のフォロー
 本助成対象の23件(新規:11件、継続:12件)については、10年12月31日に助成期間が終了し、11年2月末日までに完了報告の提出を受け、10年助成を完了した。

2. <第2期>2011年新規助成・継続助成の実施とフォロー
 公募・選考は前年に準じて実施し、10年12月13日に、以下のとおり助成先を決定した。
1.応募総数: 213件(新規:191件、継続:22件)
2.助成件数: 23件(新規:13件、継続:10件)
3.助成総額: 4,313万円(新規:2,316万円、継続:1,997万円)
4.助成期間: 2011年1月1日〜12月31日(1年間)
5.選考体制: 以下のとおり。◎は選考委員長
  <新規助成>
   ◎田辺 功  医療ジャーナリスト・元朝日新聞編集委員
    安藤 雄太 東京ボランティア・市民活動センター アドバイザー
    大木 幸子 杏林大学 保健学部 教授
    沖倉 智美 大正大学 人間学部 准教授
    小野 純平 法政大学 現代福祉学部 教授
    永井 美佳 大阪ボランティア協会 事務局次長
    豊沢 泰人 ファイザー株式会社 コーポレート・アフェアーズ統括部長
  <継続助成>
   ◎田辺 功  医療ジャーナリスト・元朝日新聞編集委員
    安藤 雄太 東京ボランティア・市民活動センター アドバイザー
    大木 幸子 杏林大学 保健学部 教授
    沖倉 智美 大正大学 人間学部 准教授
    小野 純平 法政大学 現代福祉学部 教授
    永井 美佳 大阪ボランティア協会 事務局次長
    豊沢 泰人 ファイザー株式会社 コーポレート・アフェアーズ統括部長

 11年1月1日に助成を開始し、ファイザー株式会社より適宜相談を受けながら、プロジェクトのフォローを行い、11年7月末日までに中間報告書の提出を受けた。12年2月末日までに完了報告書の提出を受ける。
 また、新規助成を対象に11年7月2日・3日の両日、ファイザー株式会社研修施設にて1泊2日の中間報告会を開催し、プロジェクトの進捗状況を報告いただくとともに、プロジェクトの実施において各団体が抱える課題について互いに学びあう交流の機会をもった。


3. <第2期>2012年新規助成・継続助成の検討と実施
 11年助成の実施結果を踏まえ、助成内容、運営方法、選考体制等についてファイザー株式会社と共に見直し・検討を行った。新規助成は11年5月19日に公募開始、8月6日に予備審査委員会、9月11日に本選考委員会を開催した。継続助成は11年8月に募集し、現在選考中である。
 今後、新規助成は9月〜10月に現地ヒアリングを実施し、11月下旬に助成対象を決定する。継続助成は10月に2回、応募団体によるプレゼンテーション付き選考委員会を開催し、11月下旬に助成対象を決定する。



中央ろうきん助成プログラム
 テーマ: 個性が輝く“ひと・まち・くらし”づくり
*このプログラムは、中央労働金庫の助成事業を当ファンドが協力して行うものである。
*公募時期:1月
*助成期間:6月〜翌年5月

1.2010年助成のフォロー
 本助成対象の57件(スタート助成1年目:31件、助成2年目:16件、助成3年目:9件、ステップアップ助成:1件)については、中央労働金庫と適宜相談しながら、プロジェクトのフォローを行い、10年12月20日までに中間報告の提出、11年6月30日までに完了報告書の提出を受け、10年助成を完了した。
 なお、スタート助成1年目の団体については、11年2月3日に中央労働金庫が開催する中間報告会の企画・実施に協力した。25団体がプロジェクトの進捗状況を報告いただくとともに、団体同士の交流の機会をもった。

2.2011年助成の検討と実施
 公募・選考は前年に準じて実施し、11年4月22日に、以下のとおり助成が決定した。今後、中央労働金庫より適宜相談を受けながら、プロジェクトのフォローを行い、11月末日までに中間報告書の提出、12年5月末日までに完了報告書の提出を受ける。

1.応募総数: 422件
(スタート助成1年目:379件、同2年目:24件、同3年目:12件、ステップアップ助成:7件)

2.助成件数: 57件
(スタート助成1年目:31件、同2年目:15件、同3年目:7件、ステップアップ助成:4件)

3.助成総額: 1,969万円
(スタート助成1年目:914万円、同2年目:445万円、同3年目:210万円、ステップアップ助成:400万円)
4.助成期間: 2011年6月1日〜2012年5月31日(1年間)
5.選考体制: 以下のとおり。 ◎は選考委員長
◎谷口 奈保子 ぱれっと 理事/ぱれっとインターナショナル・ジャパン 代表
 遠藤 幸男  東京労働者福祉協議会 会長
 鹿住 貴之  JUON(樹恩)NETWORK 理事・事務局長
 永田 麻美  地域と人のドキュメンタリーサイト【いちぐう】 編集長
 横田 能洋  茨城NPOセンター・コモンズ 常務理事兼事務局長
 梅村 敏幸  中央労働金庫 総合企画部CSR企画 次長



フィリップ モリス ジャパン 市民活動〜住民活動助成
 テーマ: 生きる場としてのコミュニティづくり
*このプログラムは、フィリップ モリス ジャパン株式会社の助成事業を当ファンドが協力して行うものである。

1.第3期「特別助成」のフォロー
 本助成(助成件数:1件、助成額:500万円、助成期間:09年1月1日〜11年12月31日)については、助成3年目(立ち上げ助成から通算6年目)の進捗状況について確認した。なお、第1期・第2期「特別助成」については、既に終了している。



「ダイワSRIファンド」助成プログラム
 テーマ: “いのち”に取り組むNPOスタッフの育成
*このプログラムは、大和証券グループ3社(大和証券投資信託委託株式会社、大和証券株式会社、大和証券キャピタル・マーケッツ株式会社)の寄付および株式会社大和証券グループ本社の協力により、当ファンドが実施しているものである。
*計画型
*助成期間:4月〜翌年3月


1.2010年助成の実施とフォロー
 10年助成(第5回、助成期間:10年4月1日から11年3月31日)に対して、スタッフ育成レポートの提出(3ヶ月ごと)を受けるとともに、11年4月末に完了報告書を受領した。なお、うち1団体は震災の影響により期間内に活動が終了できず、完了報告書の提出が6月中旬に延期となった。11年7月には寄付者への事業報告を行った。

2.2011年計画型助成(非公募)の実施とフォロー
 「ダイワSRIファンド」助成プログラムは、2010年助成をもって公募を終了したが、2011年は特別助成として単年度の計画型助成を行った。10年12月に市民社会創造ファンドと椛蝌a証券グループ本社による審査会により助成対象を決定し(助成件数1件、助成額170万円)、11年4月より助成を開始した(1年間)。
 その後適宜フォローを行い、11年7月末にはスタッフ育成レポート(第1回)の提出を受けた。




Panasonic NPO サポート ファンド 子ども分野
 テーマ: 子どもたちの健やかな育ちを応援するNPOの基盤強化
*このプログラムは、パナソニック株式会社の実施する助成事業に、ファンドが協力して行うものである。
*公募時期:6〜7月

*助成期間:1月〜12月(組織基盤強化助成)、11月〜翌年5月(組織診断助成)


1.2010年助成のフォロー
 本助成対象の12件(助成1年目:8件、同2年目:3件、同3年目:1件)について、パナソニック株式会社と適宜相談しながら、プロジェクトのフォローを行い、11年2月末日までに完了報告書の提出を受け、3月4日に完了報告会を企画・実施した。

2.2010年助成の実施とフォロー
 公募・選考は前年に準じて実施し、10年12月22日に、以下のとおり助成が決定した。

1.応募総数: 140件(新規:130件、継続:10件)
2.助成件数: 12件(新規:8件、継続:4件)
3.助成総額: 1,500万円(新規:951万円、継続:549万円)
4.助成期間: 2011年1月1日〜12月31日(1年間)
5.選考体制: 以下のとおり。 ◎は選考委員長
◎明石 要一  千葉大学 教育学部 教授
 大森 智恵子 子ども劇場千葉県センター 事務局長
 坂口 和隆  日本NPOセンター 事務局次長
 三好 悠久彦 リベラヒューマンサポート 理事長
 米田 佐知子 神奈川子ども未来ファンド 事務局長
 小川 理子  パナソニック株式会社 コーポレートコミュニケーション本部
        社会文化グループ グループマネージャー

パナソニック株式会社と適宜相談しながら、プロジェクトのフォローを行い、11年7月に中間インタビューを実施し、各プロジェクトの進捗状況について確認すると共に、7月末日までに中間報告書の提出を受けた。12年1月末日までに完了報告書の提出を受ける。

3.2012年助成の検討と実施
 第2ステージ(07年〜11年助成)の評価および市民セクターの現状と今後の動向を踏まえ、12年助成より第3ステージを開始した。
 このため、パナソニック株式会社と共に企画開発に取り組み、助成内容、運営方法、選考体制などについて検討を行い、11年6月に公募を開始した。
 第3ステージは、NPOの組織基盤強化を2段階に分けて応援する仕組みとし、助成1年目は組織診断助成、助成2年目はキャパシティビルディング助成を実施する予定。
 応募書類、告知先リストなどを作成し、選考体制を検討した。11年6月に組織診断助成の公募を開始、現在、選考を行っており、10月中旬までに助成を決定する。
 なお、第2ステージの11年助成1年目・同2年目の継続助成11年助成の継続については、12年助成を最終年とし、8月に募集を開始、現在、選考を行っており、10月中旬までに助成を決定する。



花王・コミュニティミュージアム・プログラム

 テーマ: 博物館・美術館等を拠点とした市民活動の応援
*このプログラムは、花王株式会社の実施する助成事業に、当ファンドが協力して行うものである。
*公募時期:4月〜5月
*助成期間:10月〜翌年9月(但し、2011年震災特別募集は8月〜翌年3月)

1.2009年助成のフォロー
 09年助成(第3回、助成対象28件)の助成期間終了(10年9月30日)に伴い、完了報告書の提出を受け、とりまとめを行った。

2.2010年助成のフォロー
 10年助成(第4回、助成対象28件)の助成期間中(10年10月1日〜11年9月30日)にわたり、適宜必要な対応を行った。
 うち継続2年目助成対象(9団体)は、11年2月から4月の予定で中間インタビューを予定したが、震災の影響で5月下旬までずれ込んだ。またうち1団体(岩手)は被災地にあり、対応が難しいことから実施を見送った。
 また、本プログラムでは資金支援に加え、当該分野の市民活動の普及・啓発を目指した交流プログラムも併設しているが、第4回の交流会(兼贈呈式)を10年10月22日に実施した(継続2年目助成・新規助成対象)。一方で第4回の中間報告・交流会(新規助成対象)を11年5月20・21日に予定していたが、予定会場が被災したこともあり中止した。他には、これらの団体・関係者の日常的な情報交換のため、メーリング・リストを継続して運営した。

3.2011年助成の検討と実施
 11年助成(第5回)については、プログラム5年目ということもあり花王株式会社で検討を進めていたが、公募最終年となることが決定し、現在の継続2・3年助成対象は最終段階まで実施することとなったが、新規助成の公募は今回で最終とすることとなった。
 その後、公募準備を進めていたが、公募開始半月前に震災があったことから急遽プログラム変更を行い、公募開始と締め切りを延長した(4/11公募開始、5/31応募締め切り)。
 プログラムの主な変更としては、継続2・3年目助成は従来どおり実施するが、新規助成については@震災対応に切り替え特別募集とする、A助成対象範囲を拡大する(従来のミュージアムを拠点とした市民活動から、文化・芸術分野からの応援活動に)、B計画助成を一部導入する(迅速な支援を目指し、過去の助成対象団体からの応募は事務局審査で対応)、C助成開始時期を早め11年8月から、とした。
 その後選考を進め、11年7月に以下のとおり助成が決定した。

1.応募総数: 194件(継続3年目:8件、継続2年目:14件、特別募集※:172件)
3.助成件数: 38件(継続3年目:5件、継続2年目:9件、特別募集:24件)
2.助成総額: 1,788万円(1件あたりの助成金の上限50万円)
4.助成期間: 継続2・3年目助成/2011年10月〜2012年9月(1年間)
特別募集/2011年8月〜2012年3月(8ヶ月)(一部開始繰上げ対応あり)
5.選考体制: 以下のとおり。 ◎は選考委員長
▽継続2・3年目助成および特別募集・A助成
 ◎樺山 紘一  東京大学 名誉教授・印刷博物館 館長
  太下 義之  東北公益文化大学 特任教授
  片山 正夫  公益財団法人セゾン文化財団 常務理事
  金山 喜昭  法政大学 キャリアデザイン学部 教授
  布谷 知夫  三重県立博物館 館長
  嶋田 実名子 花王株式会社 理事 コーポレートコミュニケーション部門 社会貢献部長
▽特別募集/B助成
  本プロジェクト事務局(花王、市民社会創造ファンド)
※特別募集
A助成:文化・芸術分野での活動実績がある市民活動団体を対象とし、選考委員会の選考により決定する。
B助成:本プログラムで過去に助成を受けたことのある団体を対象とし、事務局の審査により決定する。




ハマダ基金プログラム

 テーマ: 生活上の困難をもつ人々の救援
*このプログラムは、個人の一括した寄付(通称ハマダ基金)にもとづいて当ファンドが自主的に行うものである。
*計画型
*助成期間:プロジェクトごとに設定

1.2010年助成のフォロー
 10年助成(助成対象:1件)について、適宜、団体からの報告を受け、必要なフォローを行い、11年9月30日に助成が終了した。今後、12月末までに完了報告書の提出を受ける。
 なお、6月23日−24日に北九州にて、ホームレス支援全国ネットワーク主催で、地域生活安定化支援事業パイロット3団体の中間報告会が開催され、助成事務局として参加し、パイロット事業の実施状況や今後の課題について確認した。
 また、パイロット実施団体の一つであるワンファミリー仙台に対し、4月に東日本大震災現地NPO応援基金の助成が決定した。


2.2011年助成の検討と実施
 10年助成を踏まえ、11年助成について、適宜、ホームレス支援全国ネットワークと対話しながら、その実現可能性について検討し、助成内容を決定する(助成期間、助成金額について定めていない)。


3.東日本大震災現地NPO応援基金への拠出
 11年3月11日、東日本大震災の発生に伴い、日本NPOセンターにて、東日本大震災現地NPO応援基金が設置され、ハマダ基金プログラムより応援基金に500万円を拠出した。



タケダ・ウェルビーイング・プログラム

 テーマ: 長期療養の子どもたちに“生きる力”を
*このプログラムは、武田薬品工業株式会社の年度毎の寄付により当ファンドが自主的に行うものである。
*計画型
*助成期間:プロジェクトごとに設定

1.2009年助成のフォロー
 09年助成対象団体(4件)に対して、10年10月完了報告書の受領他適宜フォローを行った(うち1団体は11年3月まで期間延長した)。
 また、10年12月には、武田薬品工業株式会社に対して事業報告を行った。

2.2010年助成の決定とフォロー
 10年助成(第2回)については、関連分野の情報収集や候補団体の現地インタビュー、アドバイザー・ミーティングなどを行い、10年11月までに市民社会創造ファンドの運営委員長・副運営委員長の審査会において助成対象を決定した。
 助成開始後は、中間報告書や完了報告書の受領、中間インタビューによる進捗状況の把握などの他適宜フォローを行った。

1.助成件数: 4件(新規助成2件、継続助成2件)
2.助成総額: 730万円
3.助成期間: プロジェクトによる(2010年10月〜2011年9月)
4.選考体制: 市民社会創造ファンド 運営委員長、副運営委員長の協議による。



3.2011年助成の検討と決定
 11年助成(第3回)についても武田薬品工業株式会社と協議を行いながら見直し・検討を行い、調査、候補団体インタビュー、アドバイザー・ミーティングなどを経て、順次助成を実施する。

1.助成件数: 5〜6件程度
2.助成総額: 1,000万円(1件当たりおおむね50〜200万円)
3.助成期間: プロジェクトによる(基本的には2011年4月から11月の間に開始し1年以内に終了)
4.選考体制: 市民社会創造ファンド 運営委員長、副運営委員長の協議による。

 本年度1回目として、11年4月に2件(継続助成1件、新規助成1件)、助成額合計365万円を決定し、助成を開始した。
 また、3月18日開催予定のステークホルダー・ダイアログが、震災により延期となったが4月25日に実施された。


スミセイ コミュニティスポーツ推進助成プログラム

 テーマ: コミュニティスポーツによる健やかなひと・社会づくりに向けた調査・研究助成
*このプログラムは、財団法人住友生命健康財団の助成事業を当ファンドが協力して行うものである。
*公募時期:4〜5月
*助成期間:10月〜翌年9月

1.2010年助成の実施とフォロー
 10年10月1日より、調査・研究助成(新規7件、助成総額1,000万円)を開始した。今後、住友生命健康財団と適宜相談しながら、プロジェクトのフォローを行い、11年4月末日までに中間報告の提出を受ける予定であったが、震災の影響により、1ヶ月期間を延長し、5月末日までとした。なお、2件のプロジェクトが震災の影響を受けたため、実施内容の変更に対応した。9月末日に助成期間が終了し、11月末日までに完了報告書の提出を受ける。

2.2010年助成の検討と実施
 本助成については、調査・研究助成に加え、本年より市民グループ等による実践プロジェクトへの助成を開始することから、09年に実施した予備調査にもとづき、住友生命健康財団と共に企画開発を行い、助成内容、運営方法、選考体制について検討した。
助成総額は、調査・研究助成(新規助成および継続2年目助成)と実践助成(新規助成)に対し、計1,700万円とし、また、財団からの要請・協力にもとづき、東日本大震災特別助成枠(助成総額:500万円)を新たに設置した。
調査・研究助成ならびに実践助成の新規については、11年4月に公募を開始し、9月中旬に助成を決定した。また、調査・研究助成の継続については、11年6月に募集を開始し、9月中旬に助成を決定した。

1.応募総数: 137件(調査・研究助成新規:57件、同継続:6件、実践助成新規:74件)
2.助成件数: 22件(調査・研究助成新規:5件、同継続:4件、実践助成新規:10件、東日本大震災復興支援特別助成:3件)
3.助成総額: 2,201万円(調査・研究助成新規:802万円、同継続:408万円、実践助成新規:491万円、東日本大震災復興支援特別助成:500万円)
4.助成期間: 2011年10月1日〜2012年9月30日(1年間)
5.選考体制: 以下のとおり。 ◎は選考委員長
◎小野 喬   日本スポーツクラブ協会 相談役/住友生命健康財団 評議員
 稲山 貴代  首都大学東京 大学院 人間健康科学研究科 准教授
 中村 好男  早稲田大学 スポーツ科学学術院 教授
 福岡 孝純  帝京大学 経済学部 教授
 水谷 綾   大阪ボランティア協会 事務局長
 青山 成夫  住友生命健康財団 常務理事・事務局長


新規プログラムの企画開発と運営

 住友商事株式会社から、東日本大震災における復興支援として、助成プログラムの相談があり、その後、正式に、震災被災地域を対象としたユースプログラム(仮称)の基礎調査依頼を受け、企画開発に取り組む。2012年実施に向けて検討・協議を行う。




(2)インターンシップ事 業

SSCS(Small Schools for Civil Society)インターンシップ奨励プログラム

 テーマ: “NPOの現場を市民社会の小さな学校に”
*このプログラムは、個人の寄付により、2003年から10年間の予定で当ファンドが実施しているものである。

1.第8期インターン
 第8期インターン(11名)と受け入れ団体(7団体)担当者の参加による「中間報告会」を11月28日に開催した。9ヶ月間の活動を終え修了する3名の「インターン修了報告会」を3月13日に開催する予定だったが、3月11日の東日本大震災のため、急遽中止となった。3月末で修了した3名については、7月3日開催の1年間の活動を終え修了する9名の「インターン修了報告会」でともに報告した。

2.第9期インターン
 11年4月から9期目に入る計画だったが、2010年12月に寄付者が急逝したため、9期の公募は休止としている。第9期以降の公募・実施にあたっては、検討の段階であり、未定である。

3.SSCS運営委員会
 SSCSプログラムの終盤に向けて、プログラム終了後のSSCSのあり方について検討するため、年4回程度の運営委員会を開催する予定だったが、9期の公募も休止としたため、開催を見合わせている。

4.NPOインターンシップ研究会
 SSCS関係者、OB/OG有志により、SSCSインターンシップ奨励プログラムを体系的に整理し、評価することを目的として研究を行う。3月13日の9ヶ月修了の「インターン修了報告会」と併催で、「NPOインターンシップ研究会キックオフシンポジウム」を開催予定だったが、3.11東日本大震災により開催延期となった。なお、11月13日開催のボランティアフェスティバルの分科会に参加予定。

5.その他
 第7期の「修了報告書」を3月に発行。
 石原先生「追悼記念誌」を4月に発行。



(3)自主プログラム

NPO支援組織スタッフ強化助成

 「市民ファンド推進連絡会(準備会)」への参加者(民間のNPO支援センターおよび市民ファンドのスタッフ)を対象とした遠距離交通費の助成を実施した。


自主事業(市民活動の「助成担当者」交流・研修会)の開催

 市民活動やNPOの助成に取り組む助成財団や企業、行政機関等の実務担当者の交流・研修を狙いとした「市民活動の“助成担当者”交流会」は第5回(2006年)を最後に中断している。


「市民ファンド推進連絡会」の立ち上げ・運営への協力

 10年度は、10年11月23日の市民セクター全国会議にて、市民ファンドに関するセミナーを開催し、「市民ファンド推進連絡会(準備会)」の立ち上げに協力し、事務局の一部を担うとともに、基盤助成として資金的な協力を行っている。11年6月30日に設立総会ならびに設立記念フォーラムを東京にて開催した。
今後、さまざまな機会を捉え、全国の市民ファンド設立を応援すると共に、学習会の開催や情報共有に努める。


東日本大震災現地NPO応援基金の助成運営への協力

 11年3月11日に東日本大震災が発生し、日本NPOセンターに設置された「東日本大震災現地NPO応援基金」の助成運営に協力し、4月〜8月まで毎月ほぼ2回の頻度で、岩手県、宮城県、福島県の被災地に入り、現地のNPO支援組織ならびにNPOに聴き取りを行い、救援活動に取り組む現地NPOならびにNPO支援組織に対し、助成を実施した(助成対象:21団体、助成総額:3,360万円、9月末日時点)。
10月末までを救援期と位置付け、引き続き、現地に入り、現地NPOを対象に助成を実施すると共に、現在、11月以降を生活再建期と位置付け、応募方法、助成内容、選考体制等について検討を行っている。



(4)その他

SSCS(Small Schools for Civil Society)インターンシップ奨励プログラムによる第8期インターン(2名)のうち3月末修了予定だった1名を2011年6月末まで期間延長で受け入れることとし、2名をともに2011年6月まで継続して受け入れる。第9期のインターン(1〜2名)の受け入れはなし。


Webサイト(http://www.civilfund.org)については、内容の更新等、必要なメンテナンスを適宜行った。


パンフレットの改訂版『市民社会の創造に向けて―寄付文化の新展開(仮題)―2010』の発行は、東日本大震災への対応等に追われ遅れており、作業スケジュール等について見直しを行う。



一般会計報告
  収支計算書(PDF)貸借対照表(PDF)財産目録(PDF)
特別会計報告
収支計算書貸借対照表(PDF)




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